中尾貴光

中国を中心とした海外のSDGs、太陽光・風力・水素などの再生可能エネルギーの動向を書い…

中尾貴光

中国を中心とした海外のSDGs、太陽光・風力・水素などの再生可能エネルギーの動向を書いてます。記事は基本、毎週月・水・金に更新予定。 ソフトウェア業界に30年弱。得意分野はIoT/AI/サイバーセキュリティなどなど。中国で8年の勤務経験もあり、中国ネタに強い。SDGs検定保有。

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青島市が再生可能エネルギー倍増計画を推進 地の利を活かした洋上風力発電にも注力

青島市が近日『青島市「十四五」エネルギー発展計画』を発表し、2025年までに風力発電、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの倍増計画推進を表明しました。 「倍増…

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成都市と重慶市で「水素回廊」を建設 2025年までに1000台の水素燃料車の普及を目指す

成都市と重慶市は地理的にも近く「成渝都市群」を形成するなど、密接な産業連携をしているのですが、今回水素ビジネスに関する連携として「成渝水素回廊」の構想を発表しま…

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2年前
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江蘇省の再生可能エネルギー消費量が1,000憶kWhを突破

中国の江蘇省電力有限公司の発表によると、江蘇省の再生可能エネルギー年間消費量が前年同期比189.17億kWh、21.95%増加し1,000億kWhを突破したそうです。 この1,000億kWh…

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2年前
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中国の再生可能エネルギー発電設備量が10億キロワットを突破

国家エネルギー局の発表によると2021年10月末時点で中国における再生可能エネルギーの発電設備量が10億キロワットを突破したそうです。 内訳としては、水力発電が3.85億キ…

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2年前
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2060年中国の水素エネルギー需要量は1億3030万トンに

中国水素エネルギー連盟の予測によると2060年の中国における水素エネルギーの需要量は1億3030万トンになるそうです。 2020年が3342万トンなので約4倍の需要量になるという…

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2年前
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中国の水素燃料車は6910台 物流者とバスの用途で95%の利用比率に

中国における水素燃料車の普及状況を調査した「全国水素燃料電池自動車モデル都市群車両統計と分析報告(中国語原文: 全国氢燃料电池汽车示范城市群车辆统计与分析报告)…

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2年前
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中国財政部が2022年度の地方政府向け「再生可能エネルギー補助資金の通知」を発表

中国財政部が再生可能エネルギー普及促進のための地方政府向け補助金予算の通知を発表しました。 その補助金総額は38.7億元(≒ 692.1億円)で、内訳としては風力発電に15…

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3060目標への道 中国での再生可能エネルギー利用本格拡大は2040年以降?

2060年のカーボンニュートラルを目標にしている中国ですが、その2060年までの発電量の構成予測を見つけたので紹介したいと思います。 こちらは石油メジャーのBP社が公表し…

中尾貴光
2年前
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中国の2021年9月末時点の再生可能エネルギー発電設備量は9.94憶キロワット 発電量は1.75兆kWhに

中国の国家エネルギー局(中国語原文: 国家能源局)が2021年9月末時点の中国におけるエネルギー状況について発表を行いました。 同発表によると、2021年9月末時点で再生…

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中国がSDGsビッグデータ収集用の観測衛星「SDGSAT-1」を打ち上げ

日本語のニュースではCRI Online以外伝えられていないようなのですが、中国がSDG関連ビッグデータ収集用の衛星「SDGSAT-1(中国語名称: 可持续发展科学卫星1号)」を11月5…

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2年前
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寧夏回族自治区がエネルギー消費に関する3か年行動計画を発表 太陽光、風力、グリーン水素製造に注力

寧夏回族自治区が「寧夏回族自治区エネルギー消費二重制御3か年行動計画(2021-2023年)」を発表しました。 同行動計画によると、寧夏回族自治区政府は2021年中に再生可能…

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山東省の再生可能エネルギー戦略 「四減四増」をベースに低炭素化を図る

山東省が新たな「四減四増」の政策を発表しました。 「四減四増」とは、産業・エネルギー・輸送・農業の四分野において、それぞれ以下のことを目標とするものです。 1. …

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内モンゴル自治区のカーボンニュートラルへの道 オルドス市にゼロカーボン産業パークを建設

近日、「2021オルドス市ゼロカーボン産業サミット」が開催され、その場でゼロカーボン産業パークを建設することを発表しました。 今回建設を発表したゼロカーボン産業パー…

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2年前
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青海省の再生可能エネルギー設備率は90%超 太陽光発電、風力発電は中国トップ10クラスの規模に

青海省政府は、同省の再生可能エネルギーの設備率が90%を超えていることを発表しました。 9月末時点の同省のエネルギー設備規模の割合は以下のようになっています。 太…

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2年前
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「公園都市」でカーボンニュートラルの実現を 成都市が「成都未来科技城」の構想を発表

国際連合人間居住計画(本部 ケニア、ナイロビ)と成都市政府が共同で「第5回国際都市SDGsハイレベルフォーラム及び ”一帯一路” SDGsシティ連盟会議」を開催しました。 …

中尾貴光
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中国国務院が2030年カーボンピークアウト達成までの行動方案を公開

10月24日に中国国務院から「2030年より前にカーボンピークアウトを達成する行動方案(中国語原文:2030年前碳达峰行动方案)」を公開しました。 同方案に盛り込まれている…

中尾貴光
2年前
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青島市が再生可能エネルギー倍増計画を推進 地の利を活かした洋上風力発電にも注力

青島市が再生可能エネルギー倍増計画を推進 地の利を活かした洋上風力発電にも注力

青島市が近日『青島市「十四五」エネルギー発展計画』を発表し、2025年までに風力発電、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの倍増計画推進を表明しました。

「倍増」というのは具体的には設備容量のことを指し、現在253万キロワットの再生可能エネルギー発電の設備容量を270万キロワット増設し、2025年に523万キロワットにしていくことを目標としているそうです。

その中で、太陽光発電に関しては、

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成都市と重慶市で「水素回廊」を建設 2025年までに1000台の水素燃料車の普及を目指す

成都市と重慶市で「水素回廊」を建設 2025年までに1000台の水素燃料車の普及を目指す

成都市と重慶市は地理的にも近く「成渝都市群」を形成するなど、密接な産業連携をしているのですが、今回水素ビジネスに関する連携として「成渝水素回廊」の構想を発表しました。

※上記中国地図は、「中国まるごと百科事典」さんから引用させていただいております。

「成渝」に関しては、中国は省や直轄市を漢字一字で表す習慣があり、例えば上海市なら「沪」、広東省なら「粤」と表記しますが、今回の「成」は成都市、「渝

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江蘇省の再生可能エネルギー消費量が1,000憶kWhを突破

江蘇省の再生可能エネルギー消費量が1,000憶kWhを突破

中国の江蘇省電力有限公司の発表によると、江蘇省の再生可能エネルギー年間消費量が前年同期比189.17億kWh、21.95%増加し1,000億kWhを突破したそうです。

この1,000億kWhというのは、江蘇省全体の消費電力の6分の1近くを占めるそうです。

再生可能エネルギーの設備量という点では、現時点風力発電、太陽光発電が中心で、送料にして3598.95万キロワットだそうで、発電量に関しては6

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中国の再生可能エネルギー発電設備量が10億キロワットを突破

中国の再生可能エネルギー発電設備量が10億キロワットを突破

国家エネルギー局の発表によると2021年10月末時点で中国における再生可能エネルギーの発電設備量が10億キロワットを突破したそうです。

内訳としては、水力発電が3.85億キロワットで、風力発電がそれぞれ、2.99億キロワット、太陽光発電が2.82億キロワット、バイオマス発電が3534万キロワットとなります。

先日お伝えした通り、2021年9月末時点で再生可能エネルギー発電設備量は9.94憶キロ

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2060年中国の水素エネルギー需要量は1億3030万トンに

2060年中国の水素エネルギー需要量は1億3030万トンに

中国水素エネルギー連盟の予測によると2060年の中国における水素エネルギーの需要量は1億3030万トンになるそうです。

2020年が3342万トンなので約4倍の需要量になるという見込みで、2030年までは緩やかに水素エネルギーの需要量が伸び、2040年頃から伸びが加速するようなイメージです。

以前石油メジャーBP社の中国における再生可能エネルギーの利用率予測の際にも、再生可能エネルギーの本格利

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中国の水素燃料車は6910台 物流者とバスの用途で95%の利用比率に

中国の水素燃料車は6910台 物流者とバスの用途で95%の利用比率に

中国における水素燃料車の普及状況を調査した「全国水素燃料電池自動車モデル都市群車両統計と分析報告(中国語原文: 全国氢燃料电池汽车示范城市群车辆统计与分析报告)」が発表され、2021年10月末時点の中国における水素燃料車は6,910台になったことが判明しました。

水素燃料車を用途別にみてみると、物流車が2,602台、市内バスが1,095台、長距離バスが361台、通勤用バス(※企業が社員の通勤用に

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中国財政部が2022年度の地方政府向け「再生可能エネルギー補助資金の通知」を発表

中国財政部が2022年度の地方政府向け「再生可能エネルギー補助資金の通知」を発表

中国財政部が再生可能エネルギー普及促進のための地方政府向け補助金予算の通知を発表しました。

その補助金総額は38.7億元(≒ 692.1億円)で、内訳としては風力発電に15.5億元、太陽光発電に22.8億元、バイオマス発電に3,824万元となっています。

補助金の対象となる地方政府(省・自治区・直轄市)は限定されており、その対象は山西省、内モンゴル自治区、吉林省、浙江省、湖南省、広西チワン族自

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3060目標への道 中国での再生可能エネルギー利用本格拡大は2040年以降?

3060目標への道 中国での再生可能エネルギー利用本格拡大は2040年以降?

2060年のカーボンニュートラルを目標にしている中国ですが、その2060年までの発電量の構成予測を見つけたので紹介したいと思います。

こちらは石油メジャーのBP社が公表している「Energy Outlook 2020 Edition」を基にしたデータだそうですが、2019年時点で84%ある化石燃料の発電量が2060年には22%になり、それと入れ替わるように2019年には2%の割合であった太陽光に

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中国の2021年9月末時点の再生可能エネルギー発電設備量は9.94憶キロワット 発電量は1.75兆kWhに

中国の2021年9月末時点の再生可能エネルギー発電設備量は9.94憶キロワット 発電量は1.75兆kWhに

中国の国家エネルギー局(中国語原文: 国家能源局)が2021年9月末時点の中国におけるエネルギー状況について発表を行いました。

同発表によると、2021年9月末時点で再生可能エネルギーの発電設備量は全体で9.94億キロワットであったそうです。

そして、発電量は全体で1.75兆kWhであったそうです。

上図のkWhの横()内にある数値は前年同期比の増減を表しています。

発電「設備」量ではそれ

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中国がSDGsビッグデータ収集用の観測衛星「SDGSAT-1」を打ち上げ

中国がSDGsビッグデータ収集用の観測衛星「SDGSAT-1」を打ち上げ

日本語のニュースではCRI Online以外伝えられていないようなのですが、中国がSDG関連ビッグデータ収集用の衛星「SDGSAT-1(中国語名称: 可持续发展科学卫星1号)」を11月5日に打ち上げました。

SDGSAT-1は運搬ロケット「長征6号」を使って打ち上げられ、予定軌道に無事乗ったそうです。

SDGSAT-1は、中国科学院主導で開発が行われましたが、観測範囲は300kmらしく、11日

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寧夏回族自治区がエネルギー消費に関する3か年行動計画を発表 太陽光、風力、グリーン水素製造に注力

寧夏回族自治区がエネルギー消費に関する3か年行動計画を発表 太陽光、風力、グリーン水素製造に注力

寧夏回族自治区が「寧夏回族自治区エネルギー消費二重制御3か年行動計画(2021-2023年)」を発表しました。

同行動計画によると、寧夏回族自治区政府は2021年中に再生可能エネルギーの発電設備量を2,750万キロワットにし、グリーン水素の生産能力を年間5万トンレベルにすることを第1の目標としています。

そして、2022年には再生可能エネルギーの発電設備量を3100万キロワット、グリーン水素の

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山東省の再生可能エネルギー戦略 「四減四増」をベースに低炭素化を図る

山東省の再生可能エネルギー戦略 「四減四増」をベースに低炭素化を図る

山東省が新たな「四減四増」の政策を発表しました。

「四減四増」とは、産業・エネルギー・輸送・農業の四分野において、それぞれ以下のことを目標とするものです。

1. 産業 ・・・ 遅れや過剰生産を減らし、新たな成長分野を増やす
2. エネルギー ・・・ 石炭消費を減らし、クリーンエネルギー使用を増やす
3. 輸送 ・・・ 道路輸送を減らし、鉄道輸送を増やす
4. 農業 ・・・ 化学肥料・農薬の使用

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内モンゴル自治区のカーボンニュートラルへの道 オルドス市にゼロカーボン産業パークを建設

内モンゴル自治区のカーボンニュートラルへの道 オルドス市にゼロカーボン産業パークを建設

近日、「2021オルドス市ゼロカーボン産業サミット」が開催され、その場でゼロカーボン産業パークを建設することを発表しました。

今回建設を発表したゼロカーボン産業パークは、その名の通り風力や太陽光で発電を行い、その80%をパーク内利用及び貯蔵に充て、残りの20%は外部に販売、供給されることを想定しているそうです。

このオルドス市のゼロカーボン産業パークは内モンゴル自治区全体でのモデルケースと位置

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青海省の再生可能エネルギー設備率は90%超 太陽光発電、風力発電は中国トップ10クラスの規模に

青海省の再生可能エネルギー設備率は90%超 太陽光発電、風力発電は中国トップ10クラスの規模に

青海省政府は、同省の再生可能エネルギーの設備率が90%を超えていることを発表しました。

9月末時点の同省のエネルギー設備規模の割合は以下のようになっています。

太陽光発電  1622万キロワット
風力発電    863万キロワット
水力発電   1193万キロワット
火力発電    393万キロワット
―――――――――――――――――
合 計   4071万キロワット

火力発電の設備が非

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「公園都市」でカーボンニュートラルの実現を 成都市が「成都未来科技城」の構想を発表

「公園都市」でカーボンニュートラルの実現を 成都市が「成都未来科技城」の構想を発表

国際連合人間居住計画(本部 ケニア、ナイロビ)と成都市政府が共同で「第5回国際都市SDGsハイレベルフォーラム及び ”一帯一路” SDGsシティ連盟会議」を開催しました。

同イベントは「公園都市(ガーデンシティ)によるカーボンニュートラルの実現」がメインテーマで行われました。

成都市が実現する「公園都市(ガーデンシティ)」の説明に入る前に、おぼろげには想像できるのですが、「公園都市(ガーデンシ

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中国国務院が2030年カーボンピークアウト達成までの行動方案を公開

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10月24日に中国国務院から「2030年より前にカーボンピークアウトを達成する行動方案(中国語原文:2030年前碳达峰行动方案)」を公開しました。

同方案に盛り込まれている内容は、日経新聞でも一部取り上げられています。

2030年のカーボンピークアウト実現に向け、2020年に16%の比率である非化石燃料の消費比率を2025年には20%、2030年には25%に持っていくという目標が掲げられていま

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