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中国の水素燃料車は6910台 物流者とバスの用途で95%の利用比率に

中国における水素燃料車の普及状況を調査した「全国水素燃料電池自動車モデル都市群車両統計と分析報告(中国語原文: 全国氢燃料电池汽车示范城市群车辆统计与分析报告)」が発表され、2021年10月末時点の中国における水素燃料車は6,910台になったことが判明しました。

水素燃料車を用途別にみてみると、物流車が2,602台、市内バスが1,095台、長距離バスが361台、通勤用バス(※企業が社員の通勤用に用意しているバス)が160台となり、その利用比率を示すと以下の図の通りになります。

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バスを3種類に分けてはいますが、要は現時点の水素燃料車の利用用途は、物流車とバスが大半で、その合計比率は94.75%にもなっています。

その他の中には「特殊用途車」というのがあるのですが、広東省の仏山市では、水素燃料フォークリフトの利用推進が進められてもいるそうです。

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水素燃料車の普及状況を地域別にみてみると、京津冀地域(※)が295台、上海市が923台、広東省が1,772台となっており、この3地域ですいそ燃料車の6割超を占める結果となっています。

※京津冀地域: 北京市、天津市、河北省のこと。「冀」は河北省の略称。

その3地域の中でも広東省での普及が抜きんでていますが、以前お伝えした通り、北京市では2022年の冬季オリンピックで212台の水素燃料車を配備し、観光客やオリンピックスタッフの輸送に利用予定なので、京津冀地域の利用比率もあがってきそうです。

ただ、今回の調査を見る限り、水素燃料車の用途は、現時点、物流車やバス、特殊用途車などに限定されていますが、それは水素エネルギーのコストやまだまだ量産と呼べる規模には達していない車両そのものの製造コストなどに起因している部分もあると思います。

政府の推進政策などもあり、それらの研究開発も進められ、コストはだんだんと下がっては行くのでしょうが、水素ステーションの普及と合わせ、大衆車利用という点では、まだまだ道は長そうです。

水素ステーションなどは、以前もお伝えした通り中国石化などが建設に力を入れていますが、水素エネルギーのコスト、水素燃料車の製造コスト、水素ステーションの設置数などを中心に今後も水素燃料車の動向を注視していきたいと思います。

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