中尾貴光

中国を中心とした海外のSDGs、太陽光・風力・水素などの再生可能エネルギーの動向を書いてます。記事は基本、毎週月・水・金に更新予定。 ソフトウェア業界に30年弱。得意分野はIoT/AI/サイバーセキュリティなどなど。中国で8年の勤務経験もあり、中国ネタに強い。SDGs検定保有。

中尾貴光

中国を中心とした海外のSDGs、太陽光・風力・水素などの再生可能エネルギーの動向を書いてます。記事は基本、毎週月・水・金に更新予定。 ソフトウェア業界に30年弱。得意分野はIoT/AI/サイバーセキュリティなどなど。中国で8年の勤務経験もあり、中国ネタに強い。SDGs検定保有。

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青島市が再生可能エネルギー倍増計画を推進 地の利を活かした洋上風力発電にも注力

青島市が近日『青島市「十四五」エネルギー発展計画』を発表し、2025年までに風力発電、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの倍増計画推進を表明しました。 「倍増」というのは具体的には設備容量のことを指し、現在253万キロワットの再生可能エネルギー発電の設備容量を270万キロワット増設し、2025年に523万キロワットにしていくことを目標としているそうです。 その中で、太陽光発電に関しては、「太陽光発電+」というプロジェクトを推進し、青島西海岸新区に百万キロワット級太陽

    • 成都市と重慶市で「水素回廊」を建設 2025年までに1000台の水素燃料車の普及を目指す

      成都市と重慶市は地理的にも近く「成渝都市群」を形成するなど、密接な産業連携をしているのですが、今回水素ビジネスに関する連携として「成渝水素回廊」の構想を発表しました。 ※上記中国地図は、「中国まるごと百科事典」さんから引用させていただいております。 「成渝」に関しては、中国は省や直轄市を漢字一字で表す習慣があり、例えば上海市なら「沪」、広東省なら「粤」と表記しますが、今回の「成」は成都市、「渝」は重慶市(の漢字一字表記)を表しています。 その「成渝」両市で水素産業を促進

      • 江蘇省の再生可能エネルギー消費量が1,000憶kWhを突破

        中国の江蘇省電力有限公司の発表によると、江蘇省の再生可能エネルギー年間消費量が前年同期比189.17億kWh、21.95%増加し1,000億kWhを突破したそうです。 この1,000億kWhというのは、江蘇省全体の消費電力の6分の1近くを占めるそうです。 再生可能エネルギーの設備量という点では、現時点風力発電、太陽光発電が中心で、送料にして3598.95万キロワットだそうで、発電量に関しては617億kWhとなり、こちらは前年同期比42.7%増という結果でした。 江蘇省で

        • 中国の再生可能エネルギー発電設備量が10億キロワットを突破

          国家エネルギー局の発表によると2021年10月末時点で中国における再生可能エネルギーの発電設備量が10億キロワットを突破したそうです。 内訳としては、水力発電が3.85億キロワットで、風力発電がそれぞれ、2.99億キロワット、太陽光発電が2.82億キロワット、バイオマス発電が3534万キロワットとなります。 先日お伝えした通り、2021年9月末時点で再生可能エネルギー発電設備量は9.94憶キロワットになっていたので、まあ順当な結果ともいえます。 国家エネルギー局の発表で

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        青島市が再生可能エネルギー倍増計画を推進 地の利を活かした洋上風力発電にも注力

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          2060年中国の水素エネルギー需要量は1億3030万トンに

          中国水素エネルギー連盟の予測によると2060年の中国における水素エネルギーの需要量は1億3030万トンになるそうです。 2020年が3342万トンなので約4倍の需要量になるという見込みで、2030年までは緩やかに水素エネルギーの需要量が伸び、2040年頃から伸びが加速するようなイメージです。 以前石油メジャーBP社の中国における再生可能エネルギーの利用率予測の際にも、再生可能エネルギーの本格利用は2040年以降と読み取れる予測で、同様な傾向でしたし、再生可能エネルギーと水

          2060年中国の水素エネルギー需要量は1億3030万トンに

          中国の水素燃料車は6910台 物流者とバスの用途で95%の利用比率に

          中国における水素燃料車の普及状況を調査した「全国水素燃料電池自動車モデル都市群車両統計と分析報告(中国語原文: 全国氢燃料电池汽车示范城市群车辆统计与分析报告)」が発表され、2021年10月末時点の中国における水素燃料車は6,910台になったことが判明しました。 水素燃料車を用途別にみてみると、物流車が2,602台、市内バスが1,095台、長距離バスが361台、通勤用バス(※企業が社員の通勤用に用意しているバス)が160台となり、その利用比率を示すと以下の図の通りになります

          中国の水素燃料車は6910台 物流者とバスの用途で95%の利用比率に

          中国財政部が2022年度の地方政府向け「再生可能エネルギー補助資金の通知」を発表

          中国財政部が再生可能エネルギー普及促進のための地方政府向け補助金予算の通知を発表しました。 その補助金総額は38.7億元(≒ 692.1億円)で、内訳としては風力発電に15.5億元、太陽光発電に22.8億元、バイオマス発電に3,824万元となっています。 補助金の対象となる地方政府(省・自治区・直轄市)は限定されており、その対象は山西省、内モンゴル自治区、吉林省、浙江省、湖南省、広西チワン族自治区、重慶市、四川省、貴州省、雲南省、甘粛省、青海省、新疆ウイグル自治区の13カ

          中国財政部が2022年度の地方政府向け「再生可能エネルギー補助資金の通知」を発表

          3060目標への道 中国での再生可能エネルギー利用本格拡大は2040年以降?

          2060年のカーボンニュートラルを目標にしている中国ですが、その2060年までの発電量の構成予測を見つけたので紹介したいと思います。 こちらは石油メジャーのBP社が公表している「Energy Outlook 2020 Edition」を基にしたデータだそうですが、2019年時点で84%ある化石燃料の発電量が2060年には22%になり、それと入れ替わるように2019年には2%の割合であった太陽光による発電量が2060年には35%になり、トップの利用率になると予測されています。

          3060目標への道 中国での再生可能エネルギー利用本格拡大は2040年以降?

          中国の2021年9月末時点の再生可能エネルギー発電設備量は9.94憶キロワット 発電量は1.75兆kWhに

          中国の国家エネルギー局(中国語原文: 国家能源局)が2021年9月末時点の中国におけるエネルギー状況について発表を行いました。 同発表によると、2021年9月末時点で再生可能エネルギーの発電設備量は全体で9.94億キロワットであったそうです。 そして、発電量は全体で1.75兆kWhであったそうです。 上図のkWhの横()内にある数値は前年同期比の増減を表しています。 発電「設備」量ではそれほど変わらない、風力発電と太陽光発電ですが、発電量においては風力発電が太陽光発電

          中国の2021年9月末時点の再生可能エネルギー発電設備量は9.94憶キロワット 発電量は1.75兆kWhに

          中国がSDGsビッグデータ収集用の観測衛星「SDGSAT-1」を打ち上げ

          日本語のニュースではCRI Online以外伝えられていないようなのですが、中国がSDG関連ビッグデータ収集用の衛星「SDGSAT-1(中国語名称: 可持续发展科学卫星1号)」を11月5日に打ち上げました。 SDGSAT-1は運搬ロケット「長征6号」を使って打ち上げられ、予定軌道に無事乗ったそうです。 SDGSAT-1は、中国科学院主導で開発が行われましたが、観測範囲は300kmらしく、11日間で世界中のデータを集められるそうです。集められるデータは主に森林モニタリング、

          中国がSDGsビッグデータ収集用の観測衛星「SDGSAT-1」を打ち上げ

          寧夏回族自治区がエネルギー消費に関する3か年行動計画を発表 太陽光、風力、グリーン水素製造に注力

          寧夏回族自治区が「寧夏回族自治区エネルギー消費二重制御3か年行動計画(2021-2023年)」を発表しました。 同行動計画によると、寧夏回族自治区政府は2021年中に再生可能エネルギーの発電設備量を2,750万キロワットにし、グリーン水素の生産能力を年間5万トンレベルにすることを第1の目標としています。 そして、2022年には再生可能エネルギーの発電設備量を3100万キロワット、グリーン水素の生産能力を年間10万トンレベルにし、2023年には再生可能エネルギーの発電設備量

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          山東省の再生可能エネルギー戦略 「四減四増」をベースに低炭素化を図る

          山東省が新たな「四減四増」の政策を発表しました。 「四減四増」とは、産業・エネルギー・輸送・農業の四分野において、それぞれ以下のことを目標とするものです。 1. 産業 ・・・ 遅れや過剰生産を減らし、新たな成長分野を増やす 2. エネルギー ・・・ 石炭消費を減らし、クリーンエネルギー使用を増やす 3. 輸送 ・・・ 道路輸送を減らし、鉄道輸送を増やす 4. 農業 ・・・ 化学肥料・農薬の使用量を減らし、有機肥料を増やす この「四減四増」は3か年の行動計画書として、具体

          山東省の再生可能エネルギー戦略 「四減四増」をベースに低炭素化を図る

          内モンゴル自治区のカーボンニュートラルへの道 オルドス市にゼロカーボン産業パークを建設

          近日、「2021オルドス市ゼロカーボン産業サミット」が開催され、その場でゼロカーボン産業パークを建設することを発表しました。 今回建設を発表したゼロカーボン産業パークは、その名の通り風力や太陽光で発電を行い、その80%をパーク内利用及び貯蔵に充て、残りの20%は外部に販売、供給されることを想定しているそうです。 このオルドス市のゼロカーボン産業パークは内モンゴル自治区全体でのモデルケースと位置付けられ、今後は自治区全体に今回のような産業パークを建設、展開していくようです。

          内モンゴル自治区のカーボンニュートラルへの道 オルドス市にゼロカーボン産業パークを建設

          青海省の再生可能エネルギー設備率は90%超 太陽光発電、風力発電は中国トップ10クラスの規模に

          青海省政府は、同省の再生可能エネルギーの設備率が90%を超えていることを発表しました。 9月末時点の同省のエネルギー設備規模の割合は以下のようになっています。 太陽光発電  1622万キロワット 風力発電    863万キロワット 水力発電   1193万キロワット 火力発電    393万キロワット ――――――――――――――――― 合 計    4071万キロワット 火力発電の設備が非常に少なく、太陽光、風力、水力で全体設備量の90.3%と再生可能エネルギーがかな

          青海省の再生可能エネルギー設備率は90%超 太陽光発電、風力発電は中国トップ10クラスの規模に

          「公園都市」でカーボンニュートラルの実現を 成都市が「成都未来科技城」の構想を発表

          国際連合人間居住計画(本部 ケニア、ナイロビ)と成都市政府が共同で「第5回国際都市SDGsハイレベルフォーラム及び ”一帯一路” SDGsシティ連盟会議」を開催しました。 同イベントは「公園都市(ガーデンシティ)によるカーボンニュートラルの実現」がメインテーマで行われました。 成都市が実現する「公園都市(ガーデンシティ)」の説明に入る前に、おぼろげには想像できるのですが、「公園都市(ガーデンシティ)」そもそもの意味をWikipediaで見てみたいと思います。 1. 19

          「公園都市」でカーボンニュートラルの実現を 成都市が「成都未来科技城」の構想を発表

          中国国務院が2030年カーボンピークアウト達成までの行動方案を公開

          10月24日に中国国務院から「2030年より前にカーボンピークアウトを達成する行動方案(中国語原文:2030年前碳达峰行动方案)」を公開しました。 同方案に盛り込まれている内容は、日経新聞でも一部取り上げられています。 2030年のカーボンピークアウト実現に向け、2020年に16%の比率である非化石燃料の消費比率を2025年には20%、2030年には25%に持っていくという目標が掲げられています。 そこにプラスして、2025年には国内総生産あたりのエネルギー消費量を20

          中国国務院が2030年カーボンピークアウト達成までの行動方案を公開