36歳で急に思い立ってお笑い芸人を志した私の自伝的なやつです。
曖昧な記憶と都合が良い記憶改竄がなされている可能性がありますので、あくまでフィクションとしてお楽しみください。
- 運営しているクリエイター
記事一覧
ポルシェに乗った地下芸人.20
秋らしさが出てきた10月初旬。首相公邸の森を眺めながら僕は、ブリーフを履いた地下芸人の弟子としてどのように活動していこうか考えていた。
彼らはお笑い芸人として生きていこうとしている。芸人として収入を得て、それで生活していくことが人生の目標なのだ。しかし僕は生活がすでにできているし、会社経営というリスキーな生き方をとても気に入っている。
贅沢をしなければ暮らしていける収入があり、それなりに
ポルシェに乗った地下芸人.10
舞台に出ていく。ライブは2回目だが、たくさんのスポットライトの下に出ていくのは実に興奮する。
緊張もあるが、舞台に出れば「やるしかない」とハラが決まって声が出る。
「こんばんわ〜、ジョニー小野です!!」
これだ。夜なのだから挨拶は「こんばんわ」に決まっている。ちなみに、「こんばんは」ではない。
この「は」こ「わ」かを意識することで、声のトーンや発音に微妙な違いが出る。僕はあくまで「こんばん