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タイガの読書日記

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ラノベ・小説・学術書など様々な本を読んできたタイガが本棚の整理ついでに本の感想を書いていくマガジン。 割と最近は真面目な本を読むことが多いですが一応多種多様な本やたまに論文を紹… もっと読む
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2022年2月の記事一覧

ロシア・プーチン大統領の宣戦布告演説の全文を読む

ロシア・プーチン大統領の宣戦布告演説の全文を読む

 前々からチェックしてはいましたが、いざ実際に戦争になることを予想していた専門家は少なかったようで、揚げ足取りからいろいろ言われますね。

ミスくらい誰でもしますし、専門家は予想をするのが仕事ではないので(笑)

予想させるのはそれを求めている人がいるからなんだよな~と思いながらこれを書いている今日この頃です。

 本来はクレムリン(ロシア大統領府)のリンクを貼りたかったのですが、Anonymou

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「リバタリアンとは何か」江崎道朗/渡瀬裕也/倉山満/宮脇淳子(共著)

「リバタリアンとは何か」江崎道朗/渡瀬裕也/倉山満/宮脇淳子(共著)

・2022年で最も刺激的な本かもしれない 新年が始まってまだ二か月ほどしか経過していませんが、本書はきっと今年の年末に振り返った時でも刺激的な一冊だったと断言できる内容であることは間違いありません。

日本の現実社会で意識されている政治思想は「保守」「リベラル」の二つだけのように感じますが、現代においてもはやその二つの区切りで政治を理解することは不可能です。

さらにその二つも言葉だけがふらふらと

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「なぜ国家は衰亡するのか」中西輝政(著)

「なぜ国家は衰亡するのか」中西輝政(著)

 随分前に発売された本ですが、著者が本書でしている指摘は今でも通用するものだと感じます。「大英帝国衰亡史」など壮大な歴史を研究してきた著者だから感じた衰退・滅亡する国の傾向を少し紹介しようと思います。

・「誇り」を失った国は立ってられない 著者は国民の「モラル」が国家の衰亡・成長においては重要です。

かつてのローマ帝国が古代ギリシア文化への憧れとコンプレックスを持っていたことを例に、文化を自国

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「はじめてのスピノザ」國分功一郎(著)

「はじめてのスピノザ」國分功一郎(著)

 私は自己啓発本を買うことは滅多にないのですが、社会不安からか自己啓発本の需要はあるそうです。

本来「不安」を解消するヒントを与えるような内容については思想書や哲学書がその役割を担っていたように思いますが、今の人々はそのような認識でないようです。

 かつて思想書は多く読まれました。戦後直後には日本人哲学者である西田幾多郎の本を求めて書店前に行列ができました。

その後1980年代には「ニューア

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「群集心理」ギュスターヴ・ル・ボン(著)

「群集心理」ギュスターヴ・ル・ボン(著)

 少し前にも本書はNHKの「100分de名著」でも取り上げられたそうです。それだけ今でも学ぶところのある社会心理学の代表的な古典がこの「群集心理」です。

私たちは個人でも考えが及ばないところがあるけれども、集団によるとさらに考えが及ばなくなる。これは面白い現象です。

 著者であるル・ボンはこの集団心理に関心を向けて社会心理学という学問の道を作った人です。ですけど、他にも多くの分野に影響を残しま

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