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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2021年1月の記事一覧

朝顔

「この前部屋の掃除してたら懐かしいものが出てきてさ。」
「何?」
「何だと思う?」
 陽介は意地悪そうに尋ねてきた。
「せめてヒントの一つや二つないとわからないぞ。」
「ヒントは、懐かしいもの!」
 バカである。
「いやそもそも、懐かしいものが出てきたって話をしてるのにそれじゃあヒントにならないだろ。」
「あそっか。うーんと、小学生の頃のもの。」
「うーん……あ、卒業アルバムか。」
「ブー、残念。

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ルアー

「やっと繋がった!先生、原稿は上がりましたか?」
「いえまだです。」
「やっぱりですか。ちなみに進捗状況は?」
「ほぼ手付かずですね。」
「なんでそんな冷静に答えられるんですか!早く書いてくださいよ。」
 高森さんは半分泣きながらそう訴えた。
「先生、今何してるんですか?」
「今からつろうと思って。」
「え……今なんて?」
「つろうかと思ってます。」
「早まらないでください!」
 思わず耳から携帯

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プードル

「乾杯~!」
 カツン、とジョッキたちがいい音を奏でる。
「いやでもこうやって俊作と二人で飲むのも珍しいよな。」
「ゼミ飲みとかはあるけど二人っきりはなかなかないかもな。」
「今は学生だからいいけど、社会人になったらもっと会えなくなるんだろうな。」
「まぁそうだろうな。」
 寂しいねえ、と呟きながら大河は枝豆をつまんだ。
「そういえば俊作って普段自炊とかすんの?」
「そりゃあするよ。」
「え、実家

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トランプ

「まっつん、これなんだと思う?」
 帰る準備をしようというときに近づいてきた陽介は、得意げな顔を浮かべていた。
「トランプだろ。」
「正解!」
 一発ぶん殴りたくなるどや顔をしている。
「何、ゲームでもすんの?」
「いやいやまさか。」
 トランプを出しておいてゲームをしない、今のは何のまさかだ。
「じゃあ何すんだよ。」
「ちょっとばかしマジックを覚えてきてね。見てみたい?」
「いや別に。」
 分か

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ラケット

「最愛の亜寿美さんへ。

 今日十一月十一日は亜寿美さんの誕生日であり、同時に僕たちの結婚記念日でもあります。早いもので今年で結婚二十五年目、世間では銀婚式なんて呼び方をします。
 どれだけの時間が経とうと、僕は亜寿美さんを愛しています。これだけは胸を張って言えます。
 亜寿美さんと出会ったあの日のことを、僕は今でも忘れません。亜寿美さんからしたら何度も聞かされた話かもしれないけど、何度でも話さ

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