498.雇われて働くのをやめた、老人のお話
coucouさんのお仕事論⑲
1.老人は荒野を目指す話
世の中、わずか60歳、65歳で定年となる時代。
定年後、何かの職に就こうとしても実際には仕事なんてない。
ハローワークに通っても重労働のパートかアルバイトしかないのが実状で、長年サラリーマンを経験してきても潰しが効かない、といわれてしまう。
だけどね、定年って、あまりにも若すぎない。
ここに不思議な会社があるんだ。
この会社は平均年齢がなんと85歳。
そして、社長1名だけの会社。
〈合資会社知的財産権協会(仮称)〉という不思議な名前で、この社長の周りにはたくさんの社長がいて、JV(ジョイント・ベンチャー)集団だというんだ。
彼はとっても元気~
「何が定年だね。どこも働く場所がないだって、馬鹿いってんじゃあないよ。仕事は雇われることだけじゃあないんだから、自分で仕事を作ればいいじゃあないか。65歳だって、まだまだ若い。オレから見れば若造じゃあないか?今までどんな生き方をしてきたのか疑いたくなるよ!」
coucouさんはね、は次の質問をしてみた。
「社長の仕事は何ですか?不思議な会社名のようですが?」
「はは、人にはなあ、誰でも過去という経験と体験という財産がある。それも「知的財産権」のひとつだ。人には誰にもマネのできないオリジナルの人生があるはずだ。ただし、その財産を活用できるのは60歳を越えなければ利用することができない。70歳、80歳になれば、さらに活用できる財産権だ!」
「知的財産権というと特許関係のお仕事なんですか?」
「うん、みんな同じ質問をするね。いいかい、知的財産とはね、人間が考えたものを形にすることであって、発明などの特許権や著作権だけの専門用語じゃあないんだよ。考えたものを創作する、表現するもののすべてのことをいうのさ。当然、ノウハウだって知的財産なんだよ。」
「では、そのノウハウと言う知的財産って何ですか?」
「仕事がない人、働く場所のない人、年老いたという人たちに助言や生き方、今までの知恵や体験を伝える仕事だ!」
「どのような活動をしているのですか?」
「まず、会社を作る。同時に何ができるか考えて会社の定款をまとめる。つまり目標を定める。個人には年齢があるが会社に年齢や寿命などない。例えばだ、長年保険会社に勤めていたなら、必ず人脈があるはす。長年市役所に勤務していたならば、当時の経験がある。長年飲食店で働いていたなら、そのノウハウがあるはずだ。ノウハウとは体験や経験でもある。伊達に長い間、仕事をしてきたわけではないはずだ。それをみんなが活かせばいい」
「そのために会社を興すのですか?」
「それだけではない、我々は社会に散々お世話になってきたのだから、何かしら恩返しをしなければならん。残りの人生、誰かのお役に立つことがその恩返しになるだろう。そのための会社づくりで、会社にすることで信用も作れるからだ!」
「そう簡単に会社を作ることは可能ですか?」
「別に会社にこだわる必要はないけれど、時代は大きく変わってきている。株式会社などは資本金がいらなくなったが、登記するだけでも30万円から40万円はかかってしまう。が、「合資会社」「合同会社」なら印紙代約6万円で会社が設立できる。それに、期間も3、4日で設立できる。そして、みなが会社の社長となって世の中を明るくすることができる。それが大目的だよ!」
「仕事や売り上げはどうするのですか?」
「仕事は、今までの自分の体験や経験をまとめるだけで業務内容ができる、名刺の裏にもそれを記載する。
まずはそこからだ。
次に自分はその体験や経験を活かして何が人の役に立てるかを考えてみる。どの会社でも困っていることはたくさんあるはずだ。
そして、その相手が見つかったら売込み、契約を取る。
その契約内容は「助言・アドバイス・アイデア提案」だ。
それを理解してもらったら顧問契約を結ぶ。
契約金額は相手の規模にもよるが、月に最低2万円から3万円(仕事量による)。このぐらいの金額なら払えない額ではないだろう。
(大きい金額だと相手の要求度も高くなるし、小さな金額の方がお互いに助かる)このようにして顧問先が5か所、10か所になれば、20万円から30万円ぐらいになるだろう。毎月5万円でも、6万円でも良い。問題は、わずかでも稼ぐこと、それが、お役に立つことだ」
確かに、個人で会社を作ったら、大きくしなければならないとか、儲けを増やさなければならないとか、社員を入れなければならないとか考える必要はないよね。
大切なことは働くことと、人の役に立つこと。
確かに人生60年以上生きていれば、自然と独自のノウハウが財産として残されている。
この社長のノウハウも凄い。
「老人は、さらに荒野を目指す」んだね。
2.coucouさんも荒野を目指す
実はね、coucouさんは40歳の頃に、この人から生き方を学んだ~
coucouさんだって、いつのまにか高齢者(シニアの方が恰好いい)。
今さら、どこかで働こうって言ったってどこも雇ってはくれない。
ましてや、借金だらけの再スタート~
もちろん、地元じゃあ信用なんてない。
それだけ有名だったから、世間はcoucouさんを変な目で見ている。
そう、そんな目線はいつも感じて生きて来た。
何かの仕事を頼む場合だって支払いの心配をされてしまう。
そう、世間から見れば失敗者だもんね。
中にはそれでも仕事を受けてくれるところもあったけれど、だから、さりげなく断られる。
これも差別だと思う~
そう、失敗者を世間は許さない~
犯罪者も同じ、なかなか社会復帰ができない理由はそこにある。
でもね、coucouさんはね、失敗者ではあるけど、犯罪者じゃあないよ~
そこでcoucouさんは考えた~
大金なんて動かせないけれど少額なら大丈夫だと思った。でも、わずか3万円の仕事なのに「前金」を要求された。
ああ~そうなんだ、coucouさんって、わずか3万円の信用もないんだね。
そこで、苦しくとも「前金」の支払いで仕事を続けることになった。
たしかに、悔しかったけれど、前金なら人は動くことがわかった。
友人は、地元から離れて隣町に行って仕事すれば誰もcoucouさんのことなんて知らないのだから、その方が楽じゃあないの?なんて心配してくれた。
だけど、このcoucouさんの存在を知っている街で生きることが、言葉は悪いけれどある意味の復讐、いや、リマッチ(rematch)なんだ。何度でも再戦、敗者復活ができるんだと思い込んだ。(復讐に近いリマッチ)
coucouさんはね「夜逃げ」も「自殺」も「自己破産」の道を選ばなかった。いや、選べなかったんだ。
前号でも話した通り「自己破産」する場合にはある条件がある。その条件って「資産がある」「借入金」が多額の場合、自己破産費用が「個人」と「法人」のどちらも破産申請をしなければ認められないんだ。両方で1千万円以上のお金が必要な状態だったからなんだ。(そんなお金ないし…)
だから、したくともできない。
また、「夜逃げ」も「自殺」も解決にはならない。
その理由は、家族や友人たちが連帯保証人をしているため、coucouさんがこの世からいなくなるとその人たちにすべて請求されてしまうからなんだ。
だから、4つ目の選択として「存在する」「逃げない」道を選んだんだ。
そうすると、coucouさんは債権者たちと交渉をし続けることができるからなんだ。
おっと、こんなお話つまらないよね…。
※詳しくは、496.497.「返済をやめた、ある女性の話【前編】【後編】参照
話は戻るけど、coucouさんはこの社長の教えを実践し始めた。
そう、自分の経験や体験を売る、役だたせる、人が必要としていること、求められていること、助かること。
そう、自分にも知的財産があったんだ。
それも大失敗したという過去がある、これがきっとお役に立つはずだと思うようになったんだ。どうしてってね、こんなに失敗してきたんだもの~
だからね、失敗しない方法がわかるんだ。
失敗したことのない人にはわからないことでも、失敗したことのある人なら丁寧に、ちやんと、説明ができる。
そう、失敗しない方法をね。
そして、いつの間にか少しずつ評判になって小さな座談会や講座や卓話を開くようになり、それが広がり、商店街や中小企業、飲食店や物販店、起業を目指す若者たちと出会うことになったんだ。
coucouさんのビジネス講座はね、「失敗者、破産者が教える成功の道」「失敗しない方法」「成功者になるための心構え」なんてタイトルを付けられて
人様の前で話すようになったんだ。(商工会議所、法人会、倫理法人会など)
うわ~
coucouさんの失敗の話をみんなが真剣に聞いてくれる。
だって、成功者の成功自慢を聞くよりも、coucouさんの失敗自慢の方がリアルで役に立つからね。
3.coucouさんの大失敗論
そして、仕事のやり方をさらに変えていく。
幸いにして仕事の支払いはすべて前金、前払い。
これなら誰もが心配しなくなる。
むしろ。ニコニコ現金払いだから、もらう側は恵比須顔~
そして、言いたいことを言えるようになったし、ビジネスだからね、値引きもするよ。
だって、信用できないから前払いなのだから、厳しいよ~
それにこんな世の中、何でも前払いなんてないよね。
みんな締め日のツケ商売。
ツケってね、相手先に建て替えさせているのだから結果、借金になるんだよね。前払いはね、相手がcoucouさんから品物を収めるまで貸す立場となるんだ。
つまり、coucouさんは貸付金、貸主だから威張れるんだよね。
お金って、不思議な生き物だよね。
さらに、coucouさんは銀行借り入れなんてできないし、したくない。
さんざん嫌な思いを今もし続けているんだもの。
だけど、売り上げが伸びると、支払金額が大きくなる。
これはどの経営も同じ。売り上げが伸びると建て替え資金が不足する。
そのために借り入れが必要になってしまうんだ。
だからcoucouさんはね、すべてのお客さまから前金で頂くようにしている。そうすればどんなに売り上げが伸びても建て替え資金や、銀行借り入れする必要がないもんね。
そうなんだ、みんながcoucouさんを信用してくれなかったから「前金」「前払い」にしたおかげで、このようなノウハウを学べた~
失敗って、人生の財産だと思う~
またま、ここまでおつきあい、ありがとう~
感謝でいっぱい~
また、あしたね~
素敵な一日になりますように~
coucouさんのホームページだよ~みてね~
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