マガジンのカバー画像

多様性〜人と森のサスティナブルな関係

64
2021年出版『多様性〜人と森のサスティナブルな関係』に関する記事や書評を集めています。
運営しているクリエイター

#木材

書評   「多様性」   by  藤森隆郎さん

書評 「多様性」 by 藤森隆郎さん

藤森隆郎さんは、1938年生まれ、日本を代表する森林生態学者で、国際的にも活躍をされた方です。「気候変動枠組み条約政府間パネル(IPCC)」が2007年にノーベル平和賞を受賞したことに貢献したとして、IPCC議長から表彰を受けられています。
2010年の日本森林再生プラン実践事業の際に、私は藤森さんと数回に渡って交流させていただきました。
藤森さんは、現役引退後も熱心な活動をされており、2015年

もっとみる
基調講演「道を基点とした森林業」

基調講演「道を基点とした森林業」


岡山県津山市で開催されるDesign the Forest ミニカンファレンスで、フランウッドの小原会長と一緒に登壇します。講演会の部分をオンラインで提供できることになりました。

https://michi-shinringyo.peatix.com

2024年7月1日(月)13:30-15:30

13:30- 15:00
基調講演「森林基幹道を基点とした多機能な森林業」 池田 憲昭(

もっとみる
炭焼き爺になる

炭焼き爺になる

「頑固だが、楽天的な炭焼き爺になりたい」という思いに引っ張られ、40代前半で列車運行管理の職を辞め、NPO職員などを経て、2019年に、伐採・搬出・製材・製炭の個人事業主として「タチキカラ 北三河」を立ち上げた杉野賢治さんに2回連続で登壇いただきます。

第12回【木挽き(こびき)】 
5月25日 17:00〜19:00 https://koyoju12.peatix.com/

第13回【炭焼き

もっとみる
美は乱調にあり

美は乱調にあり

表題は、5月9日のオンラインセミナーで、講師の夏井辰徳さんが、最初に引用された言葉です。夏井さんは、岩手県九戸村の約300haの広葉樹林にて、補助金に一切頼らずに森づくり、原木生産、木材加工と販売を、「九戸山族−夏井蔵」という団体で、数名の仲間と一緒に行なわれています。

「美は乱調にあり」は、小説家の瀬戸内寂聴の代表作のタイトルです。その続編である「諧調は偽りなり」とセットになっています。

4

もっとみる
春の訪れ −復活と再生

春の訪れ −復活と再生

欧州は今(4月中ば)、イースターです。クリスマスと共に大切な里帰りの期間。日本のお盆と正月に相当します。

イースターは復活祭。私たち家族が住むシュヴァルツヴァルトの麓の人口2万人の小都市ヴァルトキルヒ市を流れれるエルツ川に架かる歩道橋が「復活」しました。駅と中心街をつなぐ大切な橋です。1935年に建設された鋼鉄製で木の板が敷いてある橋は、ここ数年、老朽化が問題視されていて、2020年より定期的に

もっとみる
シリーズ企画「広葉樹は雑木ではない」の12名の多彩な講師陣

シリーズ企画「広葉樹は雑木ではない」の12名の多彩な講師陣

4月11日から5月31日まで開催するセミナーシリーズ「広葉樹は雑木ではない」では、森づくりから、伐採、加工、流通、モノづくり、手工業、レジャー、ハンティング、教育に至るまで、第一線で活躍されている多彩な12名のゲスト講師を招きました。科学的な知見から経験論まで、実務・実用的な話から哲学・人生論まで、皆さんの意識の中に、多彩な未来の明かりを灯します。

講師の紹介をします。私が直接会ったことがあるの

もっとみる
『多様性〜人と森のサスティナブルな関係』がPOD出版コンテストで賞をもらいました

『多様性〜人と森のサスティナブルな関係』がPOD出版コンテストで賞をもらいました

『多様性〜人と森のサスティナブルな関係』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B091F75KD3

POD(プリントオンデマンド)出版のコンテストで優秀賞をいただきました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004456.000005875.html

PODとは、普通の出版社を通さない自己出版の方法で、注文が来てから印

もっとみる
セミナーシリーズ「広葉樹は雑木ではない」 2022年4〜5月 12人のゲスト講師と14回開催!

セミナーシリーズ「広葉樹は雑木ではない」 2022年4〜5月 12人のゲスト講師と14回開催!

日本で林業と言えばスギ・ヒノキ(北海道ではカラマツとトドマツ)。日本の林業界は、とりわけ戦後、産学官ともに、針葉樹に極度に偏重し、日本の豊かな自然環境が育む、多様な広葉樹を軽視、もしくは対象外として来ました。多様な広葉樹類を一括りにした「雑木」という敬意のない呼び方は、そのことを象徴しています。広葉樹はしかし、保水、洪水や地滑り防止、生物多様性、美観など、多面的な公益機能を発揮し、国土を守り、私た

もっとみる
利益でなく信頼を最大化することで得られる生活のクオリティ

利益でなく信頼を最大化することで得られる生活のクオリティ

私が住む街の川沿い遊歩道脇の広場に積み上げられ、3年から7年、自然乾燥されているオークやブナやカエデやサクラの分厚い板材。広葉樹専門の製材工場の資産。
森で数百年という超長い流動資産を大切に育て、節度を持って利用する森林所有者たちの世代間の契約があるから、7年の流動資産を抱える製材工場が安心して経営でき、その多様な高価値の材から、数世代に渡って大切に使われる家具や建具、数百年の間、人々に喜びと感動

もっとみる