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世界が明日もし終わるなら
100万円あったら何をする?とか、死ぬ前になんでも好きなものを食べるとしたら何を食べたい?、みたいな、答えによって自分の人間性を推し測られそうな、浮世離れした質問をされると、変なところで真面目な性分が災いして、体がしばし硬直する。でも、「世界が明日もし終わるならどうする?」という質問だけは別で、「背中にタトゥーを入れる」と即答できる。羽の絵を入れるのだ、天使の羽の。
コットンとかリネンの黒いワン
逃げられないという当たり前のこと
人生の転機というものを書きだすなら間違いなく一人でアメリカに行ったことを挙げる
その頃の私は自分のことも、自分の置かれている状況も、何もかもいやでいやでしょうがなかった
失恋して辛かったしそのような状況を招いた自分の行動や浅はかさが憎たらしくて仕方なかった
その一方で誰かに強く自分自身を認め、愛してもらい、支えてもらいたかった
誰かに愛してもらうに足る自分になりたくて、浅はかで愚かな自分を変え
日記:稲荷ずしを作る
いっぺんにたくさん炊いて保存していた白米が全く消化できないでいたので
稲荷ずしを作ることにした.
本当は炊き立てのご飯で酢飯を作ったほうがいいんだろうけど気にしない.
最近は良い世の中だ.かんたん酢なんてものが売っていてこれをご飯に混ぜればそれこそ簡単に酢飯ができあがる.
薄く輪切りにしたきゅうりに塩をふってよく絞る.
ピンク色の新ショウガは薄切りにしておく.
2合分のご飯をレンジで温めてか
じいちゃんが死んでしまった
いよいよじいちゃんが死んでしまった。
人生に訪れるのは「急なピンチ」ではなく、「穏やかな低退」といってたのはどの漫画の主人公だっただろうか。
そういう言葉を思い出したり、「いよいよ」という言葉を使ってしまうくらい長い時間をかけてじいちゃんは生きることを静かに止めていった。
じいちゃんが私を忘れたのはもう大分昔のことだ。
少年期の辛い時分、いつもおだやかにそこにいて、突然やってくる私たちに「おう、
ただしさ、出口のない円
自分のしていることは正しいのだと頭の先から爪先まで微塵も疑っていないひとと衝突した。
大変に疲れた。
実際その人のやったことは、正しいか、正しくないかでいえば正しいし、
その態度は、ルールというものを遵守しようとする高潔なものだと思う。
ただ私は、彼のその姿勢・言動のあまりの正しさに追い詰められてしまう人がいるんじゃないかと、諸手を挙げて受け入れることができなかったのだ。
彼の発言に恥をかく人の
日記: じいちゃんが眠っていた
じいちゃんが私を忘れてから3年、意識を失ってから半年がたった。
硬直した手首を胸元にぴったりくっつけている姿はティラノサウルスみたいだった。
自力で閉じることのできない開けっ放しの口を覗き込むと、舌の上にからからに乾いた結晶塩のようなものがこびりついていた。
枕もとでクラシックギターの静かな曲を3曲流し病室を後にした。
流している間かちかちになってしまった右手をそっと撫でた。
もしかした