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朗読後記

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自分の朗読の反省文などをまとめました。(マニア向け)
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#ひとり反省会

【朗読後記】「ピアノ」を再読した話

【朗読後記】「ピアノ」を再読した話

去年の4月に読んだ芥川龍之介の『ピアノ』に再チャレンジしました。まずは自分がどんなふうに読んでいたのかを再チェック。

うぉぉぉぉぉぉ😱 
自分の耳が進化したことはわかります。言葉のつながり方や語尾がみんな下がりすぎています。
で、当時自分は何を気にしていたのかと朗読後期も再チェック。緩急の付け方の指導があったようですね。なるほどなるほど。自分なりに頑張っていた様子もわかりました。
あれから1年

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【朗読後記】嫌い、嫌い、大好きな話を読む

【朗読後記】嫌い、嫌い、大好きな話を読む

北村兼子の『ねこ』を読みました。

この時代に女性パイロットを目指したというのですからかなり飛んでた方だったんですね。かっこいい!文章もかなりかっこいいです。作品に出会ったときこれは読みたいと思いました。
私の場合、かっこいいなと思う文章ほど読めません。これも難しかったなぁ。もう少し練習すればよかったとも思いますがキリがないので区切りをつけました。でもこれは自分の十八番にできたらいいなと思う作品な

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【朗読後期】読み分けは難しい

【朗読後期】読み分けは難しい

朗読では1作品の中での「読み分け」も重要な要素です。
まず考えるのは会話文の時ではないでしょうか。誰が話しているのかわかるようにします。手法のひとつが声の高さを変えること。子供や女性は高めに、男性や年寄りは低めにというものです。地の文もありますから登場人物が2人くらいの時にはこれで凌げます。器用な人は七変化で登場人物ごとに声色を変える人もいます。私は声色の数はあまりないので、違う部分で音に変化を出

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【朗読後記】1年後に読んでみた

【朗読後記】1年後に読んでみた

毎度どの作品も苦労しますが、太宰治の「待つ」は長く取り組んだにもかかわらず、特にダメだったものの一つです。あの後、たまに読んでみたのですが、いつまで経っても自分にとって心地いい音が聞こえてこない作品です。

久しぶりに去年収録したものを聞いてみました。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……
なんだこれは……
これを「ましだ」と思っていた当時の私の未熟さよ……。

ひどっ…💧

この1年で耳が進歩した証拠です

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【朗読後記】朗読発表会での話

【朗読後記】朗読発表会での話

12月25日、朗読教室の発表会がありました遠方であることとコロナ禍が重なり、前回の夏の発表会や先生の朗読会には行けず、今回念願の初参加になりました。

楽しかった〜♪ スポットライトや音響などにまで気を遣っている発表会を経験したことがなかったのでワクワクしました。お客様も今までで一番多かったとか。先生や朗読会の仲間も、初参加の私を温かく迎えてくださって嬉しかったです。皆様どうもありがとうございまし

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【朗読後記】「沼」に嵌って出られなかった話

【朗読後記】「沼」に嵌って出られなかった話

まさに底なし沼でした芥川龍之介の「沼」を朗読しました。まだまだうまく読めていないのですが、ここまで来るのに3か月かかりました💦
ゆっくり読んでも7分かからない短い話なのですが難易度高けぇ~~!今まで読んできたものの中で一番難しいかったです。かっこいい文章なので上手に読めれば相当かっこいいはずなんだけど、かっこいいとか悪いとかそういうレベルで読めるまでには至らず、朗読の体を為すことで精一杯でした。

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【朗読・後記】谷崎潤一郎の随筆を読んでみた

【朗読・後記】谷崎潤一郎の随筆を読んでみた

以前、谷崎潤一郎・作『刺青』を読みました。反省点も多く聞き直すと「あ゛ーー!!」となるのでいつか読み直ししたいものの一つです。
それはさておき、『刺青』は脚フェチの男が、街で見かけた理想の脚を持つ女に一目惚れし、何年後かに巡り合い、そのまま薬を使って拉致し、その隙に勝手に女の体に刺青を施し、最後は女共々悦に入るという話です。
はい、あえて気持ち悪く書きました。男も変態ですが女も相当なもんです。もち

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【朗読後記】ZOMBIEものを読む

【朗読後記】ZOMBIEものを読む

私のTwitterやInstagramをご覧になった方はご存知かもしれませんが、私はホラー映画が好きです。ゾンビものの映画もたくさん見ています。なのでホラー作品の朗読にチャレンジしてみました、という話ではありません。
今回読んだゾンビものは全く怖くないゾンビの話です。よく朗読させていただいている深川岳志さんの8編の連作を3回に分けて収録しました。
くだけた話なので軽い感じで読んだつもりです。ゆるい

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【朗読・後記】原民喜の作品を読んでみる

8月6日、広島に原爆が投下されてから76年がたった。この日に合わせて原民喜の作品を読んでみたいと思った。
原民喜は広島で被爆した体験を詩や小説に残した作家だ。朗読は前もって準備しておけばよかったのだが、急に思い立ったため短い作品を読むことにした。

世界平和を願う気持ちを表すのにはいろいろな方法がある。自分の言葉で語ることも一つだ。でも私の稚拙な文章で綴るよりも、先人たちの残した作品に込められた想

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【朗読・後記】声の出し方を変えてみる

【朗読・後記】声の出し方を変えてみる

朗読のレッスンの時に課題を読んだ時のこと、読み方の前に発声が良くないとの指摘を受けました。そもそももっと声が高いでしょ、普段の会話の声がもっと高いのだから、読む時にも高い声を使うべきだと。
そして、これまでの音の出し方では音がぼやけているとのこと。なのでその日は言葉の頭やアクセントのところなどの発声と言葉の繋げ方の指導になりました。

今までの概念を根本から覆されたような指導がありました。いいのか

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【朗読・後記】発表会で読んできた

【朗読・後記】発表会で読んできた

ついに2ヶ月半くらい格闘してきた「待つ」(太宰治)を人前で読んできました。
ほんと大変だった。なんだかわからない太宰治を読んだのは何回目だろうか。Youtubeで検索すると、結構な数の動画が出てきます。みんな読んでいるということは、解釈ができないのって少数派なのかな? こんなに苦労するのは私に読解力が足りないからなのだろうか。

主人公の女性が一人語りをします。作中「駅のベンチに座って何かを待って

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【朗読・後記】モノローグを読んでみる

【朗読・後記】モノローグを読んでみる

劇作家・映画監督・舞台演出家の渋谷悠さんのモノローグ集「穴」より「夜の初めの数分間」を朗読させていただきました。
一人芝居用の台本なので小説ではないのですが、朗読向きかなと思いました。初めてこの文章を読んだ時にゾクゾクしました。
格好良く読みたいなあとイメージが膨らみ構成したつもりですが……どうだったかな。うーん🤔
メリハリ、リズム、音程などを気をつけました。
解釈次第で色々な表現ができそうな作

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【朗読・後記】「蜘蛛の糸」を読んでみる

また芥川龍之介の作品についての話になってしまいます。実は数週間前から太宰治の作品に取り組んでいるのですが、大変手こずっております。分からなくていつも顔がしわくちゃになってしまうので、シワ防止のために別な作品を挟みながら練習をしています。
「蜘蛛の糸」は何回も読んでいますし収録もしています。でもしっくりこなくて.だめだな〜違うな〜と思いながら読んでいました。
朗読を初めて習った時の課題がこの作品だっ

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【朗読・後記】ショートショートを読んでみる

【朗読・後記】ショートショートを読んでみる

 朗読の作品選びはいつも悩みます。作品が読みやすいかどうかももちろんですが、一番のネックは著作権です。一人で勝手に朗読するのなら構いませんが、人前でとなると問題になることが多いです。友達同士の集まり無料であればとがめられることもないでしょうが、有料の朗読会、動画配信、録音配信となるとそうはいきません。中には「表現の自由だ」とか「これは引用なのだ」とか言いながら朗読の正当性を語る人もいるようですが、

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