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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)

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かつてとある会社のホームページにて連載していた高知あるあるつぶやきエッセイ「八彩帖(ヤイロチョウ)」を集めました。1篇原稿用紙2枚程度で、気軽にお読みいただけるかと思います。コメ… もっと読む
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2023年9月の記事一覧

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)16・「ヤマモモ」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)16・「ヤマモモ」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「ヤマモモ」。皆さん、見たことありますか?お味を知ってる方はツウですよ!

 「ヤマモモ」と聞いて思い浮かぶのは次のうちどちらか?①植物②詩集、な〜んてね。高知県民以外の人は何のことやらと思うでしょうが。このヤマモモ、高知県の県花(県木ではない!)であり、古くから愛されている高知のこども

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)15・「アイスクリン」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)15・「アイスクリン」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「アイスクリン」。夏はもう終わりに近づきましたが、高知では道端でアイスクリンという冷菓を売っています。お値段は¥150〜¥200と良心的。お祭りでは¥300と、ぼったくり価格になります(笑)。

  ひんやり冷たくシャリっとした食感、さっぱりとした風味のアイスクリン!いろんな味があるけれ

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)14・「民間療法」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)14・「民間療法」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「民間療法」。今でこそ「自然派」だの「エシカル」だの「サスティナブル」だのが注目されて来ましたが、私の子どもの頃は、それらが当たり前のように身近にありました。

  あれは私が土佐清水に住んでいた時のことだから、保育園年長組の頃か。当時は姉弟揃ってひどい鼻炎に悩まされていた。いつも鼻をグ

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)番外編・「躁と鬱①」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)番外編・「躁と鬱①」

 こんばんは。今回は私の病気について書いてみました。パート①は「躁編」。少しでも「双極性障害」のことを知っていただけたら幸いです。

 朝5時。1日が始まる。朝のうちは気分がいいし、体もよく動く。体重を計りため息をついたら、朝食。お腹は空くから具合は悪くない。シャワーを浴びて着替え。気分が乗ったらお化粧。そしてスケジュール帳をチェックし、執筆活動に入るーー。

 …なあんて、他人のどうでもいい1日

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)13・「ところてん」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)13・「ところてん」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「ところてん」。皆さん、ところてんには何をかけて食べますか?私は断然「鰹だし」!高知では鰹だしをかけて食べるのが一般的なのです。

 「アーメンソーメン」の次に何が来るか?…そんなのどうでもいい人は、この章読み飛ばしてくださいね♪私の世代では「ミソラーメン」だったが、親に聞くと「何それ?

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)12・「イタドリ」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)12・「イタドリ」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。今回のテーマは「イタドリ」。私の家族は「イタズリ」と呼びます。

 春先に山の茂みに生えている野草で、高知県人のソウルフードです。皮をむき、塩漬けにしてアクを取り、油炒めなどにして食べます。歯触りが良く美味しいですよ。

  イタズリー標準語で虎杖(イタドリ)のことである。高知の人間なら一度は口にしたことがある山菜。県外では四国内で少し

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)11・「おきゃくと皿鉢」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)11・「おきゃくと皿鉢」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。書いた時期が春なのでご了承ください。

 今回のテーマは「おきゃくと皿鉢(さわち)」。高知県人は酒豪で知られていますが、その飲み方も豪快。

 高知では宴会のことを「おきゃく」と言います。そのおきゃくに欠かせないのが「皿鉢(さわち)料理」。大きなお皿に何種類もの料理を盛り付けています。法事などには欠かさず皿

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)10・「社内運動会」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「社内運動会」。運動の季節ですね。昔は盛大に会社の行事をしていたものです。運動会もそのひとつ。昭和の頃の社内運動会の様子です。

  それこそバブル真っ只中の頃。父の勤める会社は、毎年盛大な社内運動会を開いていた。コドモの私も、なんだかよく分からないまま連れて行かれた。というか、ただ単に

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)9・「おすそ分け」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)9・「おすそ分け」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「おすそ分け」。地方ならではのあるあるを綴ってみました。

  北に四国山地、南に太平洋を抱える高知県。豊かな自然に恵まれているのは当然のこと。そこでとれる海の幸山の幸は「食べ物が美味しかった県」ランキングの上位に入る実力がある。親戚知人に農業を営む人も多いだろう。休みになれば、海や川で

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)8・「文旦」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)8・「文旦」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあるあるなどを書いています。今回は高知の柑橘、「文旦(ぶんたん)」について。

 文旦の相場はいくらなのか、ということを考えた土佐人は多いハズ(まるっきり私見です)。某空港の土産物店では1個1,000円などという法外な値段を付けられており、のけぞった。そりゃなんぼいうたち口どころか、手も足も腫れる。

 ワタシらみたいなTHE・庶

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)7・「お婆」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)7・「お婆」

 とある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。ダブって投稿しているのもありますが、ご了承ください。

 今回のテーマは「お婆」。田舎のおばあちゃん、大好きです。

 山を車で走っていて必ず遭遇するのが、「お婆」という種族(?)である。彼女らは決して「お婆さん」でも「お婆ちゃん」でもない。「お婆」としか呼びようがないのである。理想的な「お婆」の姿はこれだ。

 その1・上下柄on柄の服を着

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)6・「営林署」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)6・「営林署」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。ダブって投稿しているのもありますが、ご了承ください。

 今回のテーマは「営林署」。高知県は林業が盛んな土地でした。森林鉄道が走り賑わっていた山は、昭和30年代をピークとして、だんだん衰退し、今は荒れ果てた跡が残されているのみとなりました。

 森林面積の割合が日本一の高知県。県面積の84%が森林だとか。昭和30年代の高知は、林業が花形

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)5・「チャイリ」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)5・「チャイリ」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知にまつわるあれこれを書いています。

 今回は「チャイリ」。何それ?と思ったら読んでね♪

 高知県の方言というと「土佐弁」だ、とイメージするのはまだまだ高知県民序ノ口で(何のことやら)。西部には「幡多弁」という東京式アクセントの方言があり(ここで幕下)、さらに山間部は「垂井式アクセント」なる結構レアな方言使用者が存在している(知っ

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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)4・「良心市」

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)4・「良心市」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「良心市」。無人販売店のことを、高知では「良心市」と呼びます。

 道端にある無人販売店のことを、高知では良心市と呼ぶ。この良心市、非常に効率的な仕組みだと思うのだが。まず、人件費がかからない。市自体も簡素な作りでOK(台風が来たら壊れてた、なんてこともあるけど)。

 家賃もいらないだ

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