見出し画像

娘はなぜ「娘」をやめられないか#7


毒母と娘の関係は、不健全であるにも関わらず、断ち切りたくてもなかなか断ち切れないという現状があります。

娘はなぜ「娘」をやめられないのか?
私の実体験エピソードから分析していきます。
今回は、シリーズ最終章の#7です。


 
兄弟の存在

これまでの記事で、体験談を時系列でつづってきました。
今回は、全体にからむ要素をお伝えしていきます。

私には「兄と弟」がいます。
3人兄弟のいわゆる中間子です。

みなさまは、1人っ子、もしくは兄弟姉妹のいる方(構成や人数のパターンはさまざまですが)、のいずれかに当てはまると思います。
一人っ子、女姉妹の方には当てはまらない要因かもしれませんが、自身の状況に置き換えたりして参考にしてくださると幸いです。


私は、兄弟の存在が「娘をやめられない要因」の1つとなりました。

2人から投げかけられた言葉の中で、最も私にブレーキをかけた言葉、
兄からの
「育ててもらったんだから感謝しろ」
弟からの
「そんなに母さんが嫌なら、葬式には来るなよ」
です。


状況を説明していきますね。

兄はバツイチです。
ちょうど父が倒れたころに、離婚に至りました。
母1人で介護をするのは大変だと、離婚を機に両親と同居する選択をし現在にいたっています。

介護が必要な父、面倒くさい母、2人と暮らす生活はやはり大変なことも多く、一時期、兄が疲弊して、その愚痴を私が聞くという機会がありました。
そのときに、私も母への不満を兄に吐露してしまったのです。

そのとき兄は、
親への感謝が足りないのでは?
彼らは「親」だという大前提を忘れてないか?
という点について「マッタ」を入れたのです。

私の結婚と同様に、両親は兄の結婚に対してもアレコレと口を出しましたし、離婚の決定打となったのは、父の介護だったそうです。
にもかかわらず、兄は両親を敬い続けている…んですよね。

そう言われて、私は
私が娘をやめたいと思うのは間違いなのではないか?
そう思ってしまったのです。


一方、弟も結婚し2人の子供に恵まれています。
こちらは円満な家庭を築いています(笑)

ご想像のとおり弟一家においては、お嫁さんが「母のターゲット」になりました。
全く毛色の違う家庭に生まれ育った彼女にとって、随分とカルチャーショックだったと思います。

その後、典型的な嫁姑問題に発展していきます。
弟は、私がすでに何年も母の理不尽に耐えるのを見てきたので、ピークの時期に、何度も相談をしてきました。

嫁いでいるので「嫁」の立場が理解できます。
母の脳内は、もちろん手に取るようにわかります。
弟が間に立ってどうすべきかは、自分が夫にどう振る舞ってもらいたいかという観点で助言できました。

自分なりに客観的な意見を述べ、お嫁さんには絶賛されました。
しかし弟は、女性側の意見や想いを理屈として理解はするのですが、最後の感情の部分で「母を切り離す」ことができないのです。

そんな弟に対しお嫁さんは「究極のマザコン」とジャッジし、弟も開き直るように「世の男はみんなマザコンだろ?」と反論してましたが(笑)

それはそうと…
度重なる相談の終盤、弟は、私とお嫁さんに、前述の言葉を言い放ったわけです。

冠婚葬祭なんてただの儀式ですから、実際はそこに参列している人がみんな心の底から故人を想っているわけでもありません。
社会人になれば、キライな上司や親戚だからと、通夜や葬式に行かないという子供じみたことはしないわけです。

ですが、弟のそのセリフは、またもや娘の私を迷わせるものになりました。
母を想っていない私は、葬式に出てはいけないの?
もとの娘に戻って、想ったふりをしなければいけないの?

と。


昭和の古い考え方に、「男尊女卑」や「家長や長子を敬う」というものがあります。
その考え方で育ち、さらに子も同じ価値観で育てた人たちが生きているうちは、令和になった今であろうが、この考えの名残と付き合うことになるのだと思います。

母は父が第一で、男を立てて一歩さがり、理不尽にも耐えるという人です。
そして息子2人にも、しっかりその考えが継承されているのです。

実際、女の私には男兄弟にはない制約があり、家事の手伝いはほぼ私が担っていました。
少しでも出過ぎた行動があると、ひどく叱責されました。
女子の人権はなかったなと、今になるとよくわかります。

結局、兄と弟は男子なので、女子より大切にされ尊重されているのです。
そして、それをわかっている兄弟は、母に対しても権利を主張したり意見も言うことができるるわけです。
2人とも男子加点がもらえ、さらに長男は、長子加点も付きますね(笑)

このような歪んだ考え方は、人間性を磨かずとも女性に崇められる環境に甘んじる男性を生みますし、女性の自立心も阻みます。
嫁姑問題が飽きもせず起きてしまう原因にもなっているのです。

結局、兄は「自分軸」ではなく「親軸」で生きているのです。
だから結婚も成就しなかったのかもしれません。
そして、それが自分の役割、責任だと認識しているのかもしれません。
本人とはそこまで深く話したことはありませんが。

同じ親から産まれた兄弟姉妹でも、親との関わりはそれぞれで異なります。
共感を求めたり、依存してはいけないのですね。

同じ家族の枠組みでも、関わり方を考えさせられたできごとでした。


【完】



#毒親 #毒親サバイバー #母と娘 #母娘 #親子関係 #子育て #親子の悩み #母親の悩み #縁を切る #自立 #依存 #共依存 #愛されたい
#生きづらい #結婚 #離婚 #自己肯定感 #アダルトチルドレン
#毒母 #女  #カウンセリング #お母さん #親 #自己愛

全てのできごとは捉え方次第で「春の陽気」にも「冬の北風」にもなります。 あなたの視界が、北風から陽気に変わりますように♡ そんな想いで、日々記事を更新しています!