マガジンのカバー画像

35
運営しているクリエイター

#子どもに教えられたこと

【詩】日だまりカレンダー

【詩】日だまりカレンダー

3月曇天去って
日当たりの良い別れの午後
抱きついてきた小さな身体と
いつもの笑顔
会えなくなる寂しさ
伝えてくれたつたない言葉

思い出すのは
アパートに送り届けた帰り道
他愛もないお喋りと
手作りカレンダー
疲れて眠る助手席の寝顔は
見過ごしていた小さな幸せ

明日も明後日もずっとずっと
日だまりの中で笑って泣いて
元気でいて
大好きなアンパンマンと一緒にね

【詩】ダンクシュート

【詩】ダンクシュート

君が教えてくれる儚さ
15に満たない若木でも
もどかしさが増す枝葉

床に座ったまま狙うダンクシュート
決めポーズの写真
君の精一杯を前に悲劇のヒロインなんか
演じてたらカッコ悪いね

君が笑顔になれそうなことは何?
頭を悩ませる私の幸福を、権力に浮足立つ連中に
どう話して聞かそうかな

突風に晒されても、健気な君の利発さを
大事な人たちと、どう分かち合おうかな

【詩】ピーマン帽子

【詩】ピーマン帽子

助手席乗りたがらない君のツンデレ
ゴミ箱蹴っ飛ばして叱られても
意思の強さで譲らない負けず嫌いは
私そっくり

ミラー越し
グズって泣き出す弱虫の顔
車を降りたら「さっきは、ごめんなさい」
話してくれた本当の理由
大人になった私には難しい素直な態度

お友達とは時々ケンカ
でも帰りの車では
節分の鬼を怖がった
お姉ちゃんに譲る特等席

ピーマン帽子の君は
素直で優しくて
頑張り屋さん

【詩】テーブルの上、散らばる光

【詩】テーブルの上、散らばる光

久しぶりの笑顔
「もう会えないと思ってた人に会えた」
そんな大袈裟な泣き顔

それぞれの成長
再会が嬉しくて手につかない宿題
ゆっくりだけど
解ける問題も増えてきたね

わざと歩くテーブルの上
私の膝に乗せられた
天邪鬼な細い両足

思い通りにならないと
拗ねてトイレにこもるのは
相変わらず

そんな自由な君たちが
暗闇で見つけた光

便利よりお金より
ずっとずっと尊いもの

私はどうせ自分なんか

もっとみる