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真夜中の深呼吸。

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私のままで生きるために、深呼吸をするように綴った文章たち。
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#生き方

あなたと一緒に、仕事がしたい。"働く理由" はそれしかなかった。

「みなさんに、退職のご報告があります。」

部長の口からその言葉が飛び出したとき、辞めるのは彼ではないと知っていたはずなのに、大きく心臓が波打った。

実際は、部下の退職報告を代わりにしたというだけの話だ。けれどわたしはそのとき、不意をつかれて思わず息を呑んだ。

そして、考えた。

もし、彼が今、本当に会社を辞めてしまったら。
わたしは一体、どうするのだろう?

しばらくの間、放心状態になってし

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"素直さ" を味方につけたら、憧れがほら、近づいてくる。

"素直さ" を味方につけたら、憧れがほら、近づいてくる。

わたしは「素直さ」のことを、ずっと生まれ持った性格のことだと思っていた。

まわりにいる素直な人を目にするたび、「あの子は素直な性格だから、人のいいところを見つけられてすごい」とか、「この人はもとから純粋だから、人を妬んだり僻んだりしないんだろうなあ」なんて思っていた。

だけど、実は素直になること、素直であることは意志や能力に近くて、後天的に誰でも身につけられる素質なのだ、ということに最近気づい

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"ふたりで人生をつくる"って、難しいから愛おしい

"ふたりで人生をつくる"って、難しいから愛おしい

恋人に「今年中に、京都に住みたいって言ったらどう思う?」と聞かれてから、ずっとこれからの人生について考えていた。

これは、彼と一緒にはじめて京都を訪れ、大好きな鴨川でのんびりとした朝を過ごしていた時、わたしの耳に飛び込んできた言葉だった。

その時わたしは、やわらかな朝の日差しに目を細めながら、きらきらと輝く水面をぼんやり見つめていた。穏やかな時間に、ぴりっとした何かが走ったような感覚。

川沿

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私が本当にやりたかった「人と向き合う仕事」の正体は、誰かの明日を守ること

私が本当にやりたかった「人と向き合う仕事」の正体は、誰かの明日を守ること

共感性が高すぎるわたしみたいなタイプの人間は、マネージャーには向いていないのかもしれないなあ……。

たった1ヶ月前、ありがたいことに社内で「マネジメント力」が評価されたのにも関わらず、わたしはまたそんなことを真剣に悩んでいた。

マネージャーに向いていないかもしれないと思った理由は、共感性が高すぎるがゆえに(ストレングスファインダーでは3位)、人の感情を察知すると、感情がまるごと乗り移って、相手

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"自分のまま" を生きることで、誰かの明日を守りたい。

"自分のまま" を生きることで、誰かの明日を守りたい。

なんて大それたこと、いままでのわたしだったら、到底口に出すことができなかった。

だけどいま、わたしはあえてこんな宣言をする。

わたしは、"岡崎菜波"のまま生きることで、
心が動いた瞬間をまっすぐな言葉にすることで、
出会った人が、どんな感情も自分も愛そうと思える、
小さなきっかけをつくる人になります。

これは、半年前から参加しているオンライン講座「企画でメシを食っていく」の卒業課題に向けて書

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幼くなったんじゃなくて、自分が戻ってきただけだった。

幼くなったんじゃなくて、自分が戻ってきただけだった。

「なんだかわたし、歳を重ねるにつれてどんどん幼くなってる…?」最近、そんな考えが頭をよぎることがある。

自分を俯瞰してみたときに、前よりも人に甘えることが増えたし、人間関係のしがらみから自由になってきているなあと思うことが、わりと高い頻度である。

25歳、社会人4年目。

もういい大人なのに、「年齢と逆行してる…?」と、少々不安になる。

大人に近づけば近づくほど責任は重くなるし、ルールや世間

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"誰かと一緒に生きる" に一歩近づいた私と、これから。

前よりも少し、自分が他人に対して優しくなったかもしれないと思うできごとがあった。

数ヶ月前に別れた元恋人と久しぶりに会って、近況報告を聞いていたときのこと。

彼は、仕事が想像以上に激務で、睡眠や食事もまともに取れない生活をしていること、業界や組織に対する不満や苛立ち、などを語ってくれた。

しばらく彼の話を聞いていて、あれ?と思うことがあった。

以前のわたしなら、こういう類の話を聞くと

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"義務感"から心を解放するために、「自分だけの決まり」をつくる。

何をしていても、自分の行動の源泉には"義務感"があるなと気づいたのは、ひとりで過ごすと決めて出発した、旅先でのことだった。

何をしていてもつきまとう"義務感"わたしは「心をまっさらにして、自分のあるべき姿に戻る」ために、6日間ひとりで過ごそうと旅に出ることを決めた。

それなのに、旅先で食べるご飯を選ぶとき、「Instagramに投稿するならどちらが受けがいいか」という基準で考えてしまったり、

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余白をつくって生きていく

友人に「最近、仕事が終わった後は何してるの?」と聞いたら、

「特に何もしてない。ぼーっとしてる。」という答えが返ってきてハッとした。

わたしが最後に「何もしない」時間を過ごしたのって、いつだろう。

…思い出せない。

ただそこに流れる時間に身を委ねて「ぼーっとする」、そんな過ごし方をしたのは、なんだか遠い昔のことのような気がする。

「最近、暇なんだよね。いろいろ落ち着いてきて、特にやること

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「円満な関係」と引き換えに、「愛する力」を失っていた。

「円満な関係」と引き換えに、「愛する力」を失っていた。


「人は誰しも完璧じゃないから、一人の相手で、全ての欲求を満たすことはできません。だから私は、複数の人との関係性の中で、自分の欲求を満たすことができれば、それでいいんじゃない?って思います。一人の相手に固執して、傷つく必要なんてないんです。」

ある人のインタビュー記事に書かれていたこの言葉に、数年前、わたしは大きなショックを受けた。

そもそもこの記事は、その頃毎日のようにLINEでやり取りをし

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