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SNS断捨離のその後

断捨離によって(連絡手段であるLINEとこのnote以外の)SNSを捨ててから気づけば1か月以上が経過していた。

結論から言うと、全く困っていない。


断捨離後1週間くらいは、いつもの習慣でインスタやX(旧Twitter←これまだつけなきゃダメ?)を探してはいたものの、その習慣はすぐに風化していった。

その後も、強いて言うならSNSで流行っている話題が出るたびに
「あ、そっかもうやってないんだもんね」
というワンクッションを置かれるのが少々鬱陶しかったくらいで
なにも生活に支障はなかった。

支障はないどころか、むしろマイペースに過ごせるようになったおかげで
所謂QOLが向上した(世間から見てこれを"質が上がった"と言うに値するか些か疑問は残るが)ように思う。


断捨離以前・以後で起こった変化が3つある。

1.「おひとり様の時間」の質の向上

今までSNSパトロールに浪費していた時間が浮いたことで
「やりたいことが色々あるのに時間がない」という現象がなくなった

また、どうでもいい知人の承認欲求むき出しの投稿や主語のデカい啓発的な投稿、ステマ臭がプンプン臭う商品レビューなどのジャンキーな情報が入ってこなくなった代わりに
自分にとって必要な情報や自分の好きな情報だけを摂取できるようになった。

そして、今までは何となく「発信・人に共有すること」をゴールに
休日などを過ごしてしまっていたが
「経験を自分の中で最大限咀嚼すること」をゴールに過ごすようになったため
摂取できる情報や経験の濃度がグンと濃くなった

おまけに、今まで見向きもしてこなかった一人遊びに熱中するようになった。(最近はルービックキューブとメタルギアシリーズにハマってます。)

2.承認欲求という呪縛からの解放

以前までは
「こんな俺にも友達がいるってところを見せてやるぜ」
「こんな俺でもおしゃれな飯屋行くんだぜ」
「みんなには描けないような絵を俺は描けるぜ」

常にこのようなワイルドとは縁遠い意識を抱えながら過ごしていたと思う。自意識過剰も甚だしい。
"こんな俺でも"って。どうも見られてねえわ。

けれどSNSという承認欲求発表会の舞台から遠ざかったことで
(全く無くなったと言えば嘘になるし、今後も人並みには持ち続けるとは思うが)
承認欲求に盲目的に振り回されることがなくなったように思う。

3."揺らぎ"の減少

上記のような過ごし方をしていると、当然精神はすり減っていくわけで
実際にただでさえちっぽけな自己肯定感をどんどん削られていた。
しかも鬱病になったことで、体調や情緒の揺らぎは激しくなり、更にそこに希死念慮というクソ迷惑なデバフがかかった。

だが自己肯定感を削るファクターとなる比較という行為をする機会が
SNSを消して強制的に失ったことで"揺らぎ"は激減
した。

また僕は、事件や事故現場を野次馬的に撮影しているモラルの欠落した馬鹿が大嫌いなのだが
SNSにはそういった動画がよく流れてくるため
「自分がもし外でパニック発作を起こしたり倒れた場合はこんなふうに晒し上げられるのか・・・」なんて気分になることも多かった。

僕一人がSNSを辞めたところで、こういったリテラシーを欠いた僕の嫌いな人種が減る事は決してないが
目に触れる機会が減ったという事もまた、"揺らぎ"を減らしたファクターの一つでもあるのかもしれない。

4.「人と過ごす時間」の質の向上

「人疲れ」というネガティブなイベントがきっかけで断捨離を行った当初は
まさかこのような変化が起こるとは思っていなかった。

メカニズムはこんな感じだろうか。

人疲れ以前、おひとり様の時間を設けるまで(=毎週必ず誰かと遊んでいた頃)は
それはそれで楽しかったけれど
今ほど濃度の濃い時間は過ごせていなかったように思う。

会話の一つ一つが粒立っていて、すごく心地のいい距離感。
メッキを塗る作業を忘れて、心から笑えているような気がする。


他人や自意識との"キョリカン"を掴むために

とはいえ、SNSを利用していても健やかに暮らしている人も沢山いる。
実際、僕の友人の9割くらいがこれまで通りインスタやX(旧Twiter)を使っているが、その中に僕のように人疲れしていたり承認欲求に飲まれている人はいない。

結局、他人や過剰な自意識との"キョリカン"を掴めるかどうかなのだと思う。
もっと平たく言えば、自分の機嫌を自分でとれるかどうかなのだと思う。
(もちろん、僕はこれらを自力ではできなかった。)

それができるくらいの器用さを持ち合わせている人は、今回の僕のようにわざわざ断捨離をする必要ないと思う。

今この瞬間、他人との距離感が掴めず人疲れしていたり
過剰な自意識に溺れそうだったり
僕と同じように精神の運動神経に自信のない人に伝えたい。


病んだらとりあえず捨ててみて。








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