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Wady's Study

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#会社法

The Objective of Corporation

The Objective of Corporation

 直近では、一般の方はたぶんあまり目にすることはないであろう媒体に乗せるべく、会社の目的に関する原稿を書いている。

 会社は誰のものか、取締役たちの行為規範として、従業員、サプライヤー、地域住民などのStakeholdersのことはどこまで考慮できるのか的な考察は既に手垢にまみれているといっていいと思う。

 とはいえ、ちょっと前に、うちの国のいろいろな人たちが、こーぽれーとがばなんす、って言っ

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Background of financial statement fraud

Background of financial statement fraud

 最近、どうして人は財務関連書類に虚偽記載をしてしまうのか……

 とくにfraud(詐欺的)と評価されるfinancial statement fraudを起こすのか…っていったことに言及している論文なんかを読んでいる。

 なんでかっていうと、法律の分野で責任(liability)を問題とするとき、責任を課す理由の一定部分は、責任を課されちゃう行為を「抑止(deterrence)」することにあ

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Thinking about Stakeholder Governance

Thinking about Stakeholder Governance

The Illusory Promise of Stakeholder Governance(「ステークホルダーガバナンスという幻の約束」って感じかな…)というなかなか刺激的なタイトルの、Havard Law SchoolのBebchuk先生とTallarita先生による論文をざっとだけど読んだ。

Cornell Law Review vol. 106 page 91 (2020)
(He

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Writing an Article

Writing an Article

 復帰後、ちょっとした原稿を1本書かせてもら立った。

 ↑のようなタイトルだけど、情報開示で最近、いろいろな非財務情報の重要性が強調されている、ってことにちょっと関心をもっている。

 
 これから、環境対応に関することとか、広いいみでのSDGs & ESGに関連する情報の開示とかすすんでいくだろうし、ひょっとしたら、それらの情報の一部が財務情報化されるってこともあるだろうしね。

 そのとき、

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Make articles shorter and more accurate!

Make articles shorter and more accurate!

 はじめての雑紙に判例評釈を掲載してもらいました。

 ↓のお題で書かせてもらってます。

 簡単にいえば、オリンパス事件(wikipediaのリンク)に関して取締役等の責任が問題とされた事件の高裁判決についての評釈で、とくに不実開示に関して会社が負担した課徴金について取締役等が会社法上の責任を負って、課徴金負担分の損害賠償責任を負うか、っていう問題について書いてます。で、オレとしては、そうした損

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Simulated Lecture on Corporate Law & Securities Regulation

Simulated Lecture on Corporate Law & Securities Regulation

 オレなんかでいいのか……って思うけど、勤務校の公式の大学体験用のYouTubeページにオラの模擬講義を載せてもらった。

 時間は長めだし、基本、パワポとかつかわずにオラの字と絵だけだし、最後の方では自分の勤務校のホームページのUIに文句つけるし…

 ってな感じだけど、大学で企業関連系の法律について勉強したり、研究したり、でもって、そもそも大学で勉強・研究することの意義なんかについて、オレなり

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Little Problems in Registering My Article

Little Problems in Registering My Article

 もし同じような分野の研究者の方がこれを読んでたら…

 『記念論文集的な書籍に掲載してもらった業績、論文として業績登録してますか? それとも、書籍等の出版物として登録してますか?』

 うちの勤務校は最近になって業績はresarchmapに登録することなったんだけど、resarchmapで記念論文集に掲載された論文を「論文」として登録しようとしたら…

 論文集(書籍)内論文という登録の項目(赤

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I appreciate the presents.

I appreciate the presents.

 ↑のカバー写真は、家から歩いて行けて、たまに行く居酒屋さんがいまはランチのみの営業になっていて、そこで食べたアジフライ定食(ご飯とお味噌汁はおかわり自由で1000円)。オレはたまに行くくらいのことしかできないけど、本当に頑張ってる。

 ↑同僚の先生に頂いた。はじめての窒化ガリウムの充電器だけど、↑の写真だとわからないけど、本当に小さい。これまでの20、30Wくらい用の充電器の大きさで65Wいけ

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First Impression for SPAC

First Impression for SPAC

 前の記事で述べた、研究関連でちょっと最近注目しているもう1つのトピックは、SPAC(Special Purpose Acquisition Company)に関連するもの。

 要は、お金を集めたSPACを先に上場させて、あとで、そのSPACが実体としてビジネスを行っている会社を買収をしたり、そうした会社と合併したりする、って形で用いられてるとのこと。
#日経COMEMO #NIKKEI

 

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Climate Change, Shareholder Activism, and Proxy Fight

Climate Change, Shareholder Activism, and Proxy Fight

 オレの専門的に、ちょっとオモシロイ…って言ったら、当事者の方々からしたら不謹慎かもしれないけど、でも、最近、研究上で、オラが注目した出来事・記事が2件。

 そのうちの1件は↓

(ワシントンポストの記事↓)

https://www.washingtonpost.com/climate-environment/2021/05/26/exxonmobil-rebel-shareholders-w

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Differences between Professionals and Amateurs

Differences between Professionals and Amateurs

 この仕事を15年以上させて頂いて、本当にありがたいな…って思うときの1つが、自分の書いた原稿を編集者の方に本当によく見て頂いているとき。

 オラが手を入れるまえのゲラ。本当によく見て頂いていて、ありがたい限り。

 こーいうのがもう若手って名乗っちゃいけないな、って思うようなPhaseに入って一番いいこと、っていうか役得的なところかな。。。

 先日、校正作業を3つ終えた日の終えた頃に虹が出た

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Enterprise Law Ⅱ, Autumn Semester 2021

Enterprise Law Ⅱ, Autumn Semester 2021

 少し前に2020年度の講義自体が終わったので、YouTube上で公開している企業法Ⅱの映像の紹介とレジュメのアップロードをしておこうと思うッス。

 まず、講義動画自体は↓のプレイリストにまとめておきました。

 次にレジュメです(計6ファイル)。

 動画の中でもいってますが、6つめのファイルは、組織再編についてやるといいながら、ほとんど中味がありません(笑)

 エクイティ・ファイナンスにつ

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The validity of the Agreement on Shareholder Voting

The validity of the Agreement on Shareholder Voting

 懸案の議決権を拘束する株主間での合意・契約に関する原稿をとりあえず書き上げた。

 たぶん、普通の方には目にとまらない媒体の載ることになるんだけど、いろいろと考えさせられた。

 合弁事業とかで、合弁会社がつくられたときとか、ベンチャー企業に共同出資するときなんかを念頭に置くと、まあ、当事者の意思を尊重する形で契約の有効性を強く認める(差止めとか、議決権行使の履行強制とか)認めてもよさそうだけど

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Wishing you a happy new year!

Wishing you a happy new year!

 ありきたりだけど、明けましておめでとうございます。

 年明け早々だけど、緊急事態宣言が出るっていう状況で、大学の方針とは異なるんだけど、とりあえずゼミを全面Zoomに切り換えた。

 今年も、対面での講義や研究活動が当面かなり制限されそうな状況だけど、色々と工夫をしながら、質を落とさずにそれらを継続していく工夫を考えていく1年になりそうな感じがする。

 ただ、ここでそういうことを考えとけば

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