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特別支援学級教員が通常学級で授業をしてみた話

もう1月も終わりですね。2月・3月は少し寂しくなるMr.チキンです。
少し前に同じ学校で勤務していた友達と話す機会がありました。
懐かしくなったので、当時の話をしたいと思います。

そう言えば美術の免許を持っているよ

今から5年以上前の話です。
一緒に釣りに行くほど仲の良い、通常学級の先生がいました。
釣りに行く車の中で、「そう言えば、俺美術の免許を持っているよ。」という話をしました。
「Mr.チキンさん!それ、俺のクラスでやりましょうよ!」と言われ、
すっかりその気になった私は、
通常学級の子どもたち38名の目に耐えられるのだろうか
とドキドキしながら授業準備をしました。

6年生にマグリットを教えてみた

授業案は、大学の授業で学んだものをそのまま使ってみました
いつかやってみたかったので、チャンス到来でした。
テーマはマグリットの世界観を楽しむです。
まず最初に、下の白地の絵を見せました。

まずは中身を考えさせます

実は、この絵には模様が描かれています
どんな感じでしょうか。

と言って描かせます。
炎で火の鳥のようにする子、ハートで溢れさせる子、
暗い色彩で描く子・・・十人いたら十通りの作品になりました。
そこで、「実はね・・・」と言って、実際の作品を見せます。

「え?」
「これは思いつかなかった!」
「そう言えば、これ、見たことある!」

様々な発言がありました。

「なんで外側が暗くて中が明るいんだろう?」
「鳥の型になっているのには訳がありそうだな。」
「波にも意味がありそうだぞ。」
「これ、タイトルなんていうの?」

子どもたちは自然と絵の細部に目が行きます。
「大家族」っていうタイトルなんだよ。」
と伝えると、さらに子どもたちの間で議論が生まれました。

より子どもを見られた通常学級の先生

授業も面白かったのですが、いくつかの変化が面白かったです。
「Mr.チキンさんが前で授業をしてくれてたから、いつもと違う場所から子どもたちを見られました!」と通常学級の先生が言ってくれました。
いつも前から子どもを見ることの多い通常学級の先生
たまに変わってあげると、別の視点から子どもを見られるのですね。
この発見を教えてくれたことは、私にとっても勉強になりました。

特別支援学級の子どもの変化

この授業には、うけもっていた特別支援学級の子も連れて行きました。
授業前、「あ”~!!緊張する~!!」と本音を漏らしていたので、
心配そうに見ていました。
ただ、いつもの私の特別支援学級での授業と同じ流れに安心したのか、
いつもの交流学習よりも積極的に友達にかかわる様子が見られました。

まとめ

今回は特別支援学級の教員が通常学級で授業をしてみた話をしました。
色々な良いことがありました。

  • 通常学級の先生の大変さを知ることができた

  • 通常学級の子の反応を知ることができた

  • 保護者と話をするときに「通常学級で授業をした時には・・・」という話のバリエーションが生まれた

  • 通常学級の保護者の方から、卒業後の懇親会に誘われた

  • 特別支援学級の子と、通常学級の子の壁が少し薄くなった(この後、特別支援学級の子は、自分から「通常学級で学びたい」というようになりました。)

そういえば、特別支援学級出身の校長先生からこんなことを言われたことがあります。

特別支援学級の先生は、通常の小学校の免許にプラスして特別支援学校の免許を持って採用されている。
つまり、特別支援のことばかりではなく、通常の小学校の教育課程も知らなくてはいけないんだよ。

通常の小学校の教育課程を知るには、
授業をしてみるのが一番です。
もしよかったら、試してみてくださいね!
では、またね~!

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