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社会運動・実相・虚妄

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主に現在進行形の社会運動について考えるための記録やデータなど素材と考察です。独自調査や聞き取りを含みます。あえて対立構造をつくりったり声の大きさでやった気になる運動は害悪でしかな…
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#報道

【裏面史】警察が警護の落ち度を問われてから始まった、暗殺事件後の狂騒

【裏面史】警察が警護の落ち度を問われてから始まった、暗殺事件後の狂騒

加藤文宏

 トランプ銃撃事件を巡ってアメリカの警護隊長官が辞任したと伝える報道に、私は以下のようにポストした。嫌味を交えて書いたが、正直ありのままの感想だ。

 警護と警備の不備を問われた奈良県警が話を逸らし、スクープのネタに飢えていたマスメディアが犯人の家族ネタに飛びつき、写真週刊誌系WEB媒体が参院選の投票日早朝に安倍元首相と統一教会(世界平和統一家庭連合)を名指しした記事を公開した。これが

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モラル・パニック現象を操る人々

モラル・パニック現象を操る人々

ゲーム脳や携帯電話を巡る騒ぎを思い出そう。「モラル・パニック」によって世の中が流され、できごとの本質が忘れ去られただけでなく、新たな敵がつくられて社会が分断された。

加藤文宏

モラル・パニックとは何か

大衆扇動 学校検診と活動家になりたい人 そしてマスメディア

大衆扇動 学校検診と活動家になりたい人 そしてマスメディア

加藤文宏

はじめに 小学校で行われた健康診断について女子生徒の保護者が上半身の衣服を脱がせる行為の理不尽さをTwitter/Xで訴え、たちまち数多くの人が寄り集まって検診をする医師や学校や集団検診に怒りをぶつけはじめるできごとがあった。
 このできごとそのものを論じるのではなく、このできごとの「構造」をあきらかにして、いまどきの大衆扇動を考える。

SNS世論・フレーム・虚像・争点 健康診断騒動

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「メディア世論」が世論をつくっている

「メディア世論」が世論をつくっている

加藤文宏

第四の権力マスコミの大権力 「報道が世論をつくる」「政治を動かす」と言われて否定する人はいないだろう。マスコミが社会や政治に影響を与えて当然だからだ。しかし「反安倍」の風潮や、統一教会追及世論と解散命令請求への道筋が、報道によってつくられたと指摘されると否定する人が登場する。おかしな話だ。
 安倍晋三元首相暗殺事件が発生した翌日の2022年7月9日、東京新聞は【「変えるのは言論でなけれ

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アベの悪魔化に限りがなかった理由を考える

アベの悪魔化に限りがなかった理由を考える

加藤文宏

はじめに 「アベ政治を許さない」はともかく「アベしね」とまで言われ、共産党の赤旗まつりではマーチングドラムに顔写真を貼られて叩かれたのが故安倍晋三氏だ。なぜ、ここまでされなければならなかったのか。
 60年安保闘争を敗北させた岸信介の孫であり、改憲への熱意が強い総理大臣であったことが要因として大きく、最年少で首相になり、後に歴代最長の在任期間を誇ったことで、ある界隈の人々にとって実に憎

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鼻血デマから考える情報災害を拡大した報道災害/首都圏からの自主避難者研究

鼻血デマから考える情報災害を拡大した報道災害/首都圏からの自主避難者研究

いまだにALPS処理水を汚染水と呼ぶなど、虚像をもとにした情報操作が行われているため風評被害が長期化しています。マスメディアや活動家が生み出した虚像は風評加害そのものです。目に見えない放射線の、存在しない被害を、虚像で可視化したはじまりは「鼻血」報道でした。この問題はマスメディアが社会的にも、政治的にも異論の者を沈黙させ、一地域を抑圧できる権力であることと、報道やコンテンツが暴力そのものであること

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ワイドショーが誘導して増幅した感情の行き先を知る者はいない

ワイドショーが誘導して増幅した感情の行き先を知る者はいない

当記事は資料・証言篇『暗殺、統一教会追及、国葬──記録と証言で振り返る80日間』をもとに、9月後半と新たに10月に行ったインタビューで再構成しました。なぜあのとき、あの話題が取り上げられ、どのように人々の感情が誘導されたか。こうした感情はどこへ向かったのか。対談形式で考えます。

構成・タイトル写真
加藤文

業界関係者との会話■瞬く間に教団追及へ

──あなたをテレビや雑誌、新聞の実情を知る人物

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暗殺、統一教会追及、国葬──記録と証言で振り返る80日間

暗殺、統一教会追及、国葬──記録と証言で振り返る80日間

論点がずらされ、意図的な停滞で何ひとつ進展させず、感情がひたすら煽られて、この一連の動向が国葬によってとどめをさされた80日間でした。

7月、8月、9月におこったできごとの要点をまとめて、それぞれに記録や証言を付随させました。まとまりのある読み物としてではなく、状況が変化する様子や、これらの原因を理解するための資料をめざしています。

常に未完であり、公開後は必要に応じ記事に手を入れるつもりです

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