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フリマとポケット 仕事といい仕事

マーケットの語源はラテン語、商品や商うという意味らしい。
バザーの語源はバザールでイスラム語だったかペルシア語だったか、
市場だとか物の値段や価値が決まる場所という意味らしい。
つくったりあつめたりあつまってひとつの場所でそれらを売るというイベントはどこかしらでいつもおおきなものからちいさなものまでまあ行われているわけであなたもよく行くかもしれない。
わたしも通りがかると覗くし時折出向きもする。

そこは世界だと思う。
 
例えば「手作りフリマ」的なやつには
かわいいものや個性的なものなど他の人と違うものというか
他では置いていないようなものが並べられていたりして、
とある大規模のそこもそんな品とクリエイターが多い。
たしかに変わってるし、他にないものが多いしかわいい。
買ったりしていたこともあったし、つくっている友人もすくなくなかった。
でもいつからかなんだかどれも欲しくなくなってしまった。
確かにかわいいよそのバッグ、
でもぜんぜん入らないよなあ、常に荷物の多いわたしには。
あ、そのアクセサリー、金具、●●で幾らで売ってた、
身近につくるひとが多いからわかってしまう。
品たちから滲み出すぎてる自意識が匂いすぎるようにもなってしまった。
使い勝手や使い心地がよさそう、からの、デザインとか見た目を考えるようになった。実、実用性のあるものが欲しい。
 
場所と人と品を介した人間と人間の様にも目が行くようになった。
 
必死に話しかける、自分のつくったものについて語る人。
お仲間やお友達が来たら客商売だということをそっちのけで身内だけで盛り上がる人。
愛想もせず、話もせず、客前でも作業をする人。
お喋りは苦手なんやろうなあ、な人。
COLORがもう出来上がっている人。
とりまきたち。
とにかくこういうものが好きな人たち。
 
金銭が発生する場で、それぞれに、それぞれ。
 
それぞれの集まりが、さらに一か所に集まり、そこは皆の、場所となる。
 
品たちが「しゃんっ!」と並んでいた店で立ち止まった。
生地も縫い方がしっかりしていて、
しっかりしているのにデザインはなんだかfunny、
手作りの1点ものにしては
「え、その値段でええのん?」って値段やったから「おぉ?!」っとなった。
「手にとってみてくださいね」って言うから、お言葉に甘えて手に取った。
口から出たのは「かわいい」じゃなくて「これ、よぉけ入ります?」
店の人、職人顔な人は特に過剰に笑いもせずに「だいぶ入りますよ」って。
「ね、中も外もポケットありますもんね」と手にして眺めながら言ったら
真顔やけどちょっと笑いながら「一泊くらい出来そうですよね」って。
「旅行とかでも使えますよー」とかじゃなく「一泊くらい出来そうですよね」
「そうですよねえ」とかつまんない返ししか出来なかったけどたぶんそれは無理やで。でもじわじわ来たから「ほなこれ」即決した。
機械みたいな人間みたいなどちらの顔のようにも見えるそいつに持っていた鞄のナカミを全部詰め替えてオマケに入れてくれたちょっとロッキンな店名入りのアクスタもちゃんと付けて持ち帰った。

あの日からこいつの顔をたまに眺めている。

ポケットたちには真顔と笑いとこちらとあちらと気持ちと世界がめちゃ入る入ってる。


◆◆
【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
【Twitter】【Instagram】 など、各種フォローも、とてもうれしいです。

詳しいプロフィールや経歴やご挨拶は以下のBlogのトップページから。
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めっちゃ、どうぞ。

Webマガジン「Stay Salty」Vol.33巻頭に自己紹介エッセイを寄稿しました。


12月Vol.34からは不定期コラムコーナー「DAYS」も書かせていただいています。

東京・湯島の本屋「出発点」では2箱古本屋もやっています。
営業日と時間は「出発点」のXをご参照ください。
ぜひぜひ遊びに来て下さい!  自己紹介の手書きペーパーもあり!

読書にまつわるエッセイ集(ZINE)、
tabistorybooks『本と旅する』もお店と通販で取り扱い中。

旅と思索社様のWebマガジン「tabistory」では2種類の連載をしています。
酒場話「心はだか、ぴったんこ」(現在20話)と
大事な場所の話「Home」(現在、番外編を入れて4話)。

noteは「ほぼ1日1エッセイ」、6つのマガジンにわけてまとめています。

旅芝居・大衆演劇関係では各種ライティング業をずっとやってきました。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
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