芝居小屋とうそとほんと 『万両役者の扇』
また偶然なのですが、
芝居小屋にまつわる本を読みました。
出版されたばかりの新作なのですが、ほんと、偶然。
んー? となって、手にとりました。
芝居をすることにとりつかれ「ほんととうそ」が曖昧になっていく人と、
その人に魅了されて(?)いく人びとの話。
簡単な言葉を使うとそれは常軌を逸した……
いや狂ってるんじゃなく冷静、
意外と冷静で、
いやいや、もう「ほんととうそ」「ほんとかうそか」
「自分ってなんなのか」が、
わからなくなっている、みたいなのかもしれない。
自分の“ナカミ”と他者に見られ他者を見入らせる“自分のしごと”
“自分にしか、な、仕事”の合間で、
いつしか自分と他者や、自分と自分が曖昧になっていき……。
曖昧に曖昧になっていってその幕閉めは?
最後の“皮”は?
まさに近松がいうところの、
「芸といふものは実と虚との皮膜の間にあるものなり」?
その芸を追及するあまりに、の人と、人たちと、その人に、芸に、
どうしようもなくのめりこんだり魅入る人たちと。
って、これが、劇場のこわくもすごい、力。
いいもわるいも、わるいもいいも、含め、飛び越えた、引力のような。
それは鏡?
紅(べに)?
すこし前に、直木賞受賞作なこの作品のことを書きました。
なんかね、ざっくり言ったら、これの、真逆のような、
でも、合わせ鏡のような、みたいな作品とも感じたりも。
著者の作品を手に取るのはこれが2作目。
読み始めはなんだか劇画チックというかアニメやドラマを思わせる展開に
時に「おいおい」とかなりつつ、も、でも、
“人間”、人間のナカミを、劇場、芝居小屋という場所だから漏れ出すナカミを描かれている。
その、時に俗すぎるほど悪すぎるほどの空気はまさに紛れもなく
「江戸の芝居小屋」の空気で、美とはいえない美、人間そのもの。
しかしこんなことをつぶやいたばかりの、
そのすぐ後だったからびっくりしました。
引っ張られたのかもしれませんねえ。
*
◆◆
【略歴や自己紹介など】
構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。
普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。
劇場が好き。人間に興味が尽きません。
舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。
某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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