クロスファイア(著:宮部みゆき)【私、読書紹介したら許してあげるっていったよね。あれは嘘よ】
宮部みゆき先生が書いていた超能力アクション小説。
なんでも書ける人なんですよね。
ちなみに能力は“発火能力”です。パイロキネシスというやつですね。
そういえば「炎の少女チャーリー」が最近リメイクされてたな。
原作はスティーブンキング「ファイアスターター」
それを宮部先生もやってみた作品がこれ。
実はこのクロスファイア、結末はすごく急すぎて目が覚めてしまいます。
終わらせ方、面白くない。
しかし中盤までの展開が、恐ろしいほど読みたくなる気持ちにされてしまうので、エンディングで台無しになってしまっても、読む価値はあります。
これっぽい話を誰かリメイクしないかなあ。
ちなみにこれ「鳩笛草」という短編集の、うち一本の続編なんですよ。
だから語るには「鳩笛草」から語らないといけない。
鳩笛は3本の短編からなっていました。
3人の女性能力者の生きざまを描く作品です。
宮部みゆきが描く作品なので、実際に存在する女性のようなリアルな女性です。
1人目は、予知能力者。「朽ちてゆくまで」
失われた能力。記憶を無くしている。
2人目は、発火能力者。「燔祭」
能力を持てあまし、必殺仕事人をしている。
3人目は、透視者。「鳩笛草」
女性警察官。能力を失う。
それでこの2人目の話がクロスファイアにつながっていくんですね。
法律の手でさばけない悪人を、能力を用いて勝手に処刑しているというおねーさんです。
そうしないと彼女には自分が生きている理由が見いだせないから。
ありがち、なんだけど実際に大御所が書いてみるとSGE(すげー)
短編の「燔祭」では、被害者の遺族から依頼を引き受けようとします。
まだ依頼者が必要だったんですね。
依頼の引き受け方がすでに強引ですが。
基本はこの人、陰キャなんですけど。
(よくあるテンプレとして、ちゃんと化粧をすれば美人という)
しかしひとたびその仕事を始めると、プロの兵士にように行動します。
殺し屋としての彼女は、スイッチが入ると、恐ろしいほどに冷酷、冷徹、非常、になり切ります。戦場に適応しきっています。
この女こそが戦場それ自体だ。
敵を見たら情けを見せずに撃滅。殲滅。
現場は証拠を残さないよう焼却。破壊。
情報の入手も圧倒的な暴力を用いての拷問。脅迫。そして約束を守らない。
悪党たちも相当に非道なんですが、その悪を上回る更なる怪物が、悪を獲物として見つけて無慈悲に殲滅していく。食い散らかしていく。
悪漢どもに死の制裁を。もはや逃れることはできない!
という痛快活劇なのかホラーなのか、ふたつがないまぜになった展開。
しかし正義の行いではない。
完全に悪と悪の戦い。悪を捕食する更なる怪物。
このモチーフはなぜか万人を魅了する。
これは面白いですよ。
それなのに2巻で急に打ち切りになったような展開はひどい。
これは下手な打ち切りエンドだ。
まあしかし、打ち切りと言っても大御所。手は抜かん。
落としどころとしては仕方なかったのかもしれないけど、
もうちょっと、なんか欲しかったな。
リメイクされないですかね。
今更なんだろうなあ。
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