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申し訳ない御社を潰したのは私です。(著:カレン・フェラン)【申し訳ない、別の本を読書紹介しちゃいました(うそですよ)】

今回はアメリカの有名コンサルさんの書いた本。
唐突ですが、経営者の皆様、コンサルはお役にたっていますでしょうか?

あいつら、高い金を踏んだくる上に、洗濯バサミで鼻をくくったような毒にも薬にもならないペーパーを押し付けて、はいソレマデヨとばかりにとんずらしやがる、とんでもないピノキオ野郎どもだ。二度と来るな!塩をまいとけ!

なんて悪印象を持っている方も多いと思いますが、

今回はそれをプロのコンサルが自虐的に「こんなんダメに決まってるだろ」と批判的に書いた業界暴露本であると同時に、
真のコンサルとはどういうものか? それを解答するために挑戦した内容です。

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まず本書においては、
著者の失敗体験が大量に皮肉たっぷりに書かれています。

次から次へと潰れるコンサル会社を渡り歩き、

ある会社は「これからは案件あたりの金額が大きい会社だけを狙う」という選択と集中プランを採用した結果、小さな案件をすべて他社に拾われてしまい、最終的に経営悪化で買収される。

またある会社は「リストラの計画の策定なら全米一」といいつつも、結局は顧客に見向きもされず、その自慢のリストラ計画を自社で採用する結果になった。

そしてコンサルと言えば、お得意のツール分析ですが、

そんなん使わずに、むしろあっちこっちの現場の人に話を聞いて、総合的に問題点を解決するという泥臭い方式で成果を上げたと思ったら、
後から来た上司に「なぜツールを使わない!!」と怒鳴り散らされ、左遷させられたあげく、遠い場所でその会社がつぶれたことを知ったとか。

あるいは期待率に見合った投資を行うよう提案したら、
ある部署の部長が「うちの部は必ず売り上げが増えるからとにかく設備投資しろ」と要求されて、
やれやれコンサルが提案しても結局は社内政治が勝つんだなとかため息ついてたら、その部長さんのところだけ残して会社が全滅したとか。

こんな失敗体験を繰り返してきた著者は、ついにこう思いつめます。
コンサルって意味あんのかよ!?

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コンサルがどれだけ近代的で科学的なツールを使って、分析しても、
むしろ分析すればするほど、失敗して、
計画を立てれば立てるほど、経営が傾き、
戦略を立案すればするほど逆に、コストが高くなってしまう。

いったい何が起こっているんだ???

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でも成功例もあるんですね。

>>そんなん使わずに、むしろあっちこっちの現場の人に話を聞いて、総合的に問題点を解決するという泥臭い方式で成果を上げたと思ったら、

ここです。

>>ある部署の部長が「うちの部は必ず売り上げが増えるからとにかく設備投資しろ」と要求されて、

ここもです。著者の手柄じゃないけど。

そう、ちゃんと分析が図に当たって成功した例はあるのです。

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で、経験論としてこう語ります。

1:ツールや数字は必ずしも真実を語らない。ツールや分析に依存してはいけない。

2:限られた分野だけ視るのではなく、必ず全体を観ること。

3:現場の人によく話を聞くこと。経験によれば問題がどこにあるか熟知している人が、必ずひとりはいる。

いや、こんな古代の兵法に書いていそうな黄金の原則を再発見できたのは、
著者が本当に優秀だからだと思います。
車輪の再発明って、一昔前だと無駄な努力って意味だったけど、
今じゃ誉め言葉ですからね。

当たり前のことが当たり前である理由に気づく。
これができるのは当たり前の人ではありません。

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さらにいわゆる近代的コンサルツールが作られる以前のビジネス本に目を向けてみると、
その時代はビジネス分析に戦争の比喩が多く使われていたのですが、
まあアメリカの名将たちの逸話が出てきます。

ユリシーズ・S・グラント将軍。
「まず先に地勢を徹底的に調べ、そこから兵力配備や作戦配置をした。うまく行かないこともあったが、地勢を知っていることで計画を臨機応変に練り直すことができた

アイゼンハワー将軍。
「計画そのものが実際にうまく行くことはほとんどないが、計画を立てるという行為が重要だ」

おや? なんか言ってることが違いますね。

???「この作戦を使えば必ず勝利できます。使わないのはバカですよ」
×××「我々の方が武器も優れており数が多いのですから、勝つのは当たり前ですよ」

あ痛たたた、なんか本記事の前半の方にも刺さって来る内容です。

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↑ 同じ本を紹介している記事。

こんな感じで、自信の失敗体験を大量に紐引きしながら、
頭でっかちの分析をしてはいけないよ。
という結論にもちこんでいく本書。
まだ前半部分しか紹介してませんが、
コンサルとか関係ない人が読んでも面白く痛快。
アメリカ版「失敗の研究」です。

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最後に日本でも同じ雰囲気を持つコンサルの方を紹介して終わり。
案件とかじゃないですよ。
いやあ、論理が明快な文章って、読んでて面白いし楽しい!

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