一陽来復の娘 2

↑の続きとなります。


私は、空腹を癒やすべく、買っておいたお菓子の包みをそっと広げ、口にふくみました。

ふわっと口中に広がる柚子の香りのするそれを、もふもふもふと頂きながら、

(私が、知ってる方かあ…(๑´〜`๑))モグモグ

心当たりを思い浮かべていました。

はじめは、役目でお会いした方かな?と思いました。

親御さんとのご関係のお悩みを打ち明けてくださる方は本当に多く、他に寄せられるお悩みの多くも、根はそこにあったりするからです。
 
ですが、私には、この内容と口調に、
ちょっと心当りがありました。

(もしかして…)

✨…誰と思う?(^_^)✨

「うーん…恥ずかしいですけど、身内…ですかね? 例えば、母…?とか姉…?とか…?(;´д`)

思いついた事を言ってみました。

それは、「彼女」が言っている内容が、

普段外では絶対口にしないものの、母方の皆が繰り返し口にしている事に、とてもよく似ていたからです。

ですが、彼は変わらず、✨ニコニコ✨と微笑んでいます。

(違うって事かな…?)

2人に似てて、これだけの念を送れる人物…

「あ!…もしかして……祖母ですか?母方の…?」

私がやや驚きながら答えると、彼は、ニコッと笑い、

✨どうする?(^_^)✨ 

と言うような顔で、私を見てきました。


(どうする、かぁ…)

少し濃い目に入れたお茶を、すーとすすりながら、私は考えました。

本当に祖母なんだとしたら…でも…

(祖母が私の所に来る心当りが、全くないんだよね…(^.^;)


私の母方の祖母は、もうかなり前に亡くなった人で、

私の記憶の中の祖母は、いつも着物姿で身綺麗にしており、人様とのお付き合いを大切にしている反面、

時折見せる、自身の家系への愛着やプライド(正直普通の家なのですが(^.^;)から来る、気位の高さや強さのような物も感じられる人で、

男の子でもなく、のんびりした性格の私を、父方に似ていると言って、気に入ってはいない様子でした。

私も、親戚が多く、人間関係が入り組んでいた母方の親戚が面倒くさいと思っていましたし(^.^;

そのような背景のある母方の祖母との距離がある事は、人の思惑がわかってしまう「私」にとっては、「ありがたい」事でした。

そんな、祖母といえども、関係性が薄くなってしまっている人が、何故、私の所にくるのか…

もし、何かあったのだとしても、

祖母のお墓は、今でも跡取りさん達が大切に守ってくれていますので、離れた所に住んでいる外孫の私の出る幕はありません。

(若手?がいいなら、跡取りさんの所の内孫ちゃんの所に行くと思うんだけどなぁ…)

とも思いました(^.^;


ただ、今までの経験上、亡くなった人の中には、生前の関係性等を傘に着て、遠縁でも、話しやすい生者に迷惑をかける人がいるらしい事も、何となく感じていました。

以前、突然に、母方のご先祖様らしき男の人が夢に出てきた事があるのですが、

「お前、中々やるらしいな。」←?(゚д゚)

などと言い、私に、満面の笑顔で、目前の沢山のお墓を指さして、

「あいつとこいつと…後、ここにいる奴みんな、成仏させてな。頼むぞ?」

「…は?(゚д゚) そ、そんな…  
子供に家の手伝いさせるみたいに言う事じゃ…」

「頼んだぞ!じゃあな!」

「ちょ、ちょっとー!三(⁠ ⁠;⁠∀⁠;⁠)/

という風に、安眠を妨害されたような事などがありましたので(⁠ ⁠;⁠∀⁠;⁠) 

(今回は祖母が、ご先祖様に似て、気軽?に頼み事をしに来たのかも…?)

とも、思いました。

いずれにせよ、

(嫌な予感しかしない…(;´∀`)

と、思ったのですが、まあ、このまま闇々しい状態で、我が家のリビングにいてもらう訳にも行かず、

(ご飯もちゃんと食べたいし…)

いくら美味しいといえど、お菓子一つだけでは満たされない我がお腹の為にも( ;∀;)

その祖母らしき人に穏やかになってもらうべく、お話しを聞いてみる事にしました。


" …私は、お父さんと結婚して、本当に辛かった… "

水を向けると、彼女は、ぽつぽつと話しはじめました。

" …姑がもうなくなっている人だと聞いていたから、安心して嫁ぐ事にしたのに…いざ結婚したら、実は、とても厳しい姑の姉にあたる大姉さんがいて、その人から、本当に厳しい仕打ちを受ける事になった。

二言目には、うちに相応しい嫁でいろ、が口癖の、意地が悪く怖い「姑」だった…

そんな中でも、私は、近くにある実家にも尽くした…

…私が大変な思いをしているのに、お父さんは家の事は我関せず!私の事をかばってくれないばかりか、子どもばかり可愛がって!悔しかった。私だって大切にされたかった! "

「…それは、大変だったね…」

話しの内容的に、どうやら母方の祖母で間違いない様子でした。

(やっぱり祖母か…(;´∀`)トホホ…

私が複雑な気持ちでいると、

" …お前もね…! "

いきなり矛先がこっちに向いてきました(^.^;)

" …お前は…身内から離れた所に住んで、旦那さんや姑とばかり仲良くして…勝手気ままに過ごして… ←?

本当に恥ずかしい子! "←??

(…久しぶりに会った祖母からいきなりディスられたよ…(;´∀`)トホホ

私が何と返答して良いか迷っている間に、更に、祖母の私へのダメ出しが続きました。

" …お前は恵まれ過ぎてる!私と同じように義実家から厳しくされて、辛い思いをしたらいいのよ!
そうしたら、私達の気持ちや世間が少しはわかるでしょ?←???

その上で、感謝して実家にもっと尽くしなさい!←????
どうせ、ちゃんとは出来ないだろうけどね。本当にしょうがない子! " ←…( ;∀;)

…私には、祖母の言っている言葉は理解できましたが、意味が良く理解出来ませんでした (;´Д`)


確かに、私は今、旦那さんの仕事の都合などもあり、実家から離れた義実家にほど近い所に住んでいます。

こちらは文芸が盛んな歴史のある土地で、本や歴史の好きな私には楽しく、姑をはじめ住んでいる方達も穏やかで優しい方が多いので、

「本当に引っ越して来て良かった(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)

と、思って、暮らしています。

でも、やはり自分は元々の地付きの人ではなく、よそから来た人なので、

手放しで、まるで観光のように毎日楽しんで暮らしている、ということは勿論ありません。

うちの母方の人達は、皆、結婚後も、比較的実家に近い地域に住み、実家との関係を大切にして暮らしますので、恐らくは、実家のコミュニティー?に顔を出さない私を、

" 皆の目の届かないよそで楽しんでいるなんてけしからん! "

と勘違いしているのかな?と思いました。

が、こちらのやむを得ない事情などもあるので、

(ダメ出しとかされても、困るな…(^.^;)

私は、祖母を可哀想にと思いつつも、
ほんの少し、がっかりしてしまいました。

すると、すかさず、

" その態度は何! "

更に噛みつかれてしまいました…( ;∀;)アチャー

変なお説教が続いてすみません。
祖母のフィーバーはもう少し続きます…(^.^;

↓続きです


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