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短編

25
まとまりのない言葉たち。
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2018年11月の記事一覧

擦過傷

擦過傷

最終電車に飛び乗った。

行き先なんて決めていない。

残金160円の小銭入れとイヤホン、それから携帯。

どこにも行きたくない一心で
どこかへ向かった。

あの人になりたい、
あの人みたいに愛されたい、
あの人あの人あの人。あの人。

そんなあの人が泣いていたのだ。

衝撃だった。僕の人生はそこで終わった気がした。

失くしたものは1つもない。

でも、手に入れたものも1つもない。

プラスもマ

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潰散、

潰散、

涸渇した。
床には1本120円の発泡酒の空き缶、ちらし、枯れたサボテン。虚しい夕焼け。

「殺してくれよ。」

ゆれる電気の紐に向かってそう言った。
言ってみたのはいいものの、うんともすんとも言わない。

こんな細い紐じゃ首もつることができないなぁ
と考えながら脈をはかる。正常。

水道が止められた。

本当に涸渇してしまった。
僕の人生は終わりだ。
ジャンプに挟まってた宝くじが一等だったとかそん

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腐乱

腐乱

愚弄された人生を送る僕は1番線。
正反対のホームに立つ君はいつもの電車に乗り遅れる。

そんな夢をみた。つまらない夢をみたと思った。

7:32 発車のベルが頭蓋骨を劈き、寝起きの僕を不愉快にさせている。
押し込まれる人、人、ひと。

意味はない、
でもいつも僕はその電車を見送る。

頬ににきびが1つ、赤くなっている。

右耳、断線したイヤホン。
かかとが削れたコンバース。
皺の寄った肩の落ちたシ

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弛み

弛み

止まりかけた、
何がかなんていうまでもない。

「人生だよ、人生」

独り言だけがポツンと側に居た。
コンビニで安い酒を買った、飲めもしないのに。
振られてやった、たいして好きじゃなかったし。

秋雨前線が南下、東京の街を濡らした。
終わらない就活、リクルートスーツの裾から雨が垂れている。

使い古した黒いパンプスのヒールが折れた帰り道、
転けた、擦り傷、
いたい、いたい、いたい。いたかっ

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雨後

雨後

水溜り、気にせず踏んだ。
真っ白のスニーカーを泥塗れにした。
お気に入りの靴下は汚れて、
まるで今の僕みたいだ。

彼女は笑っていた。

冬が近づいて、
僕らの距離は遠くなる。

春が来たら離れ離れだねなんて、
触れたくないところをえぐりながら進むまっすぐな言葉。

貸した赤本に挟まってた一枚のメモ用紙。

柔らかいアイボリーの紙に

“好きだよ”

と丁寧に綴られていた。

まるでそれが僕と君の

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