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労務の現在・過去・未来

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いまだ人類が経験したことのない人口減少時代の労働はどう変わるか?働き方改革を推奨し、様々な施策を試みたが一進一退。しかしコロナで実態が一気に進んだ。これにより労働の概念も大きな変… もっと読む
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男性の育児休業について思うこと

男性の育児休業について思うこと

男性の育児休業取得が増えてきている。
女性の育児休業が当たり前になるのにかかった時間を考えると浸透するスピードは驚くほど速いと感じる。

実質上、男性の育児休業の必要性は2人目出産時以降であると思う。出産前後、一人目の子供の世話や家事を夫に頼ることができれば、産後の体を休めることもできるし、精神的にも安心していられる。まさに「男性の産前産後休暇」の理想的な利用の仕方と思う。

一方で、「とらなけれ

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高齢化のリアル

高齢化のリアル

少子高齢化社会が問題視されながらも、なぜか女子供の問題と後回しにされているうちに人口減少が大きな社会課題となってしまっている。

「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」 (講談社現代新書)のよると2020年には全人口に占める女性の2分の1が50歳以上に。2025年には3人に一人が65歳以上と、主に国立社会保障・人口問題研究所の〈日本の将来推計人口〉データをもとに予測されている。予言ではな

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国民年金納付延長?

国民年金納付延長?

政府は国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を現行の20歳以上60歳未満の40年間から延長し、65歳までの45年間とする検討に入ったとの報道が…。

受給水準の維持が目的らしいが、本当に実現可能なのだろうかと思ってしまう。

現在、高齢確保措置が義務化され、65歳までは何らかの形での雇用が義務化されている。何らかの形というのは、定年廃止や定年延長だけでなく継続雇用制度も含まれる。
厚生労働省・令和3

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最低賃金引上げで思うこと

最低賃金引上げで思うこと

10月より最低賃金が改定されている。全国平均28円UPは過去最高の引き上げである。

明日公示の選挙でも最低賃金を引き上げることを公約に入れている党が目立つ。賃金が安く物価も安い日本は世界的に見て「安い国」となっている。 人口減少が避けられない今、国力を弱体化させないためには賃金や物価の上昇は不可欠である。最低賃金を上げるということ自体は賛成であるが、それに伴い懸念していることがある。

「扶養」

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女性蔑視発言に思うこと

女性蔑視発言に思うこと

女性は会議で時間がかかるという発言がなぜ問題視されるのか?

女性蔑視的な人たちは一定数必ずいる。なぜなら、自分たちが今の地位名誉?を獲得するまでの過程で、今のように一人前以上に働く女性がいなかったから。つまり、彼らの周りには男性ばかりで形成され、女性は家庭で一歩下がってという認識、あるいは愛玩するものといった位置づけでしかないから。

そのような認識の人が集まりの会議は根回し報告会となっていると

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森さんの発言についての一考

森さんの発言についての一考

女性蔑視発言は完全にNGである。

この時代錯誤な発言と、政府や協会関係者等の対応について感じたことは、「時間が止まっていることに気づかない」という恐ろしさである。

確かに、ご自身が今まで築かれてきた道は一般人の私たちには計り知れない生き方をされてきたのだろうと思う。まさに時代を築いてきた人たちである。

実績は自信でもある。だから人の意見を聞かないという側面も必ずある。だからこそ、「自分の意見

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副業を少し斜めに考えてみる

副業を少し斜めに考えてみる

副業推進の動きは以前からあったが、コロナによりより鮮明に目に見える形となってきた。今後もこの動きは加速するだろう。

ところで、副業とは何をさすのだろうか?単純に2か所以上で働くことと考えている人が多い。厚生労働省も労働時間管理の問題や労災上の取り扱いについては指針を出しているが、今、社会が求めている副業の本質はどうも違う気がしている。

人口減少、AI、コロナ後の産業構造の変化を考えると、従来の

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コロナ わが町を考える

コロナ わが町を考える

コロナ禍の中、時流が一気に進んでいる。

働き方改革の一環としてなかなか進まなかったデジタル化が必要に迫られやらざるを得なくなった。
その中で、テレワークという働き方も注目された。テレワークというと社員を在宅で勤務させるということと思っている人が大半だろう。しかし、テレワークは必ずしも在宅勤務に限らない。自宅である必要はなく、ネット環境さえあれば自宅以外のどこからでも仕事をすることを可能にしている

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社員を個人事業主への懸念

社員を個人事業主への懸念

電通は一部の正社員を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として働いてもらう制度を始める。2020/11/12付日本経済新聞 朝刊

思わずギョッとしてしまった。電通の中でどのような枠組みでやるか知らないが、有名な企業が行うことで、仕組みが良く分かっていない会社が「わが社も」と追随してしまうようなことにならなければいいと感じている。

社員を個人事業主としてということは理論的には可能である。会社の

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コロナ解雇、その先に挑めるか?

コロナ解雇、その先に挑めるか?

いよいよコロナの影響もより深刻になり、解雇等の問題も膨れ上がってくる。感覚的にリーマンショック時よりひどいと感じている。

今回は、単に仕事が無くなったではなく、仕事の在り方そのものに変化が起こっている。つまり社会構造も変わってきているということ。

会社はあっても仕事のやり方ができなくて解雇され、次の職場がないのは、仕事がないからではなく、やれる仕事がないというシビアさが付きまとう。

リーマン

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これから起こる恐ろしいふるい分け

これから起こる恐ろしいふるい分け

コロナの影響によりテレワークは、もはや「そんなの!」という人もいないくらい認知された働き方。デスクワークが主流の職場では自粛要請期間には多くの人がテレワークを経験していると思う。

テレワーク期間中、オフィスにいた時と同様に仕事ができた人もいればまったくやることのなかった人もいる。

ここで経営者は気が付く。「あれ、結構少人数で回るじゃん!」

さてさて、社員の雇用の在り方を人事戦略として根底から

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生活の中で時代の変化を感じたこと

生活の中で時代の変化を感じたこと

バルミューダの電子レンジ購入。なんと、温め完了の音が「チン」ではなくギターの音楽。電子レンジで温めることを「レンジでチン」と言っていたが、レンジでチンいう時代も終わりかと思わせる新鮮さ。

関連してふと思ったこと。「Hey Siri」、赤ちゃんにとって初めて発する言葉が「パパママ」ではなく、「Hey Siri」ってなるかも???

だって、パピプペポの発音より「Hey Siri」のほうが発音しやす

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週休3日の罠

週休3日の罠

テレワークが進み、働き方改革の名のもと、週休3日という働き方も是とする風潮がある。ここで考えるのは、1日8時間労働のまま週休3日となるのか、週40時間のまま週休3日となるのか、である。

週40時間のまま週休3日(4日労働)とすると、1か月の変形労働時間制度を導入し、1日の労働時間を10時間に延ばせば週40時間となる(10時間×4日労働)。この場合、総労働時間は週休2日時と変わらないわけだから給与

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女性活躍推進のモヤモヤ感

女性活躍推進のモヤモヤ感

女性の活躍推進ということで、納得いかないまでも(本質を理解していないため形だけ作ろうとする)政府が言うからということで女性にポストを与えようとする。

そうすると「いやイイです」と断られる。せっかくポストを与えようとしても女性は昇進したがらないという結論になる(実はホッとしている)。

よく見る光景である。大きく分けて原因は2つと考える。

一つ目は、形だけ女性活躍と言っても背景が変わっていないか

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