マガジン

  • 労務の現在・過去・未来

    いまだ人類が経験したことのない人口減少時代の労働はどう変わるか?働き方改革を推奨し、様々な施策を試みたが一進一退。しかしコロナで実態が一気に進んだ。これにより労働の概念も大きな変革の時期を迎えている。まさに労働市場はジャングルだ

  • 新米パパの「育休とってみた」

    男性の育児休暇取得が増えてきているが数にしては少数派。 実際に育児休業を取った男性はリアルにどう思っているのか?1か月の休業を始めた男性の生の声をお送りします。

  • 労務の現場で起こっていること

    日頃の業務を通して「働く現場で起こっていること」を感じたままに書き綴っています。完全に私見です。

  • 高齢化社会に思うこと

    日本の高齢化は、これまで生産者人口として経済を支えてきた人々が次々と高齢者人口へと移り変わり高齢化が進んでいる。今後も高齢者人口は増加すると考えられている。少子化の影響もあり、2050年には総人口が9,000万人を下回るとされている。(出典:内閣府「令和元年版高齢社会白書」,2019) 高齢化問題を通して私たちは何を見てどう生きるかを考えてみたい

  • 余計なことかもしれませんが…

    普段の社会生活の中では余計なこととして言わない、黙っていることをあえて言います。自他ともに、年齢を重ねるほど自分では気づけないことが多くなってきます。完全な私見です

最近の記事

男性の育児休業について思うこと

男性の育児休業取得が増えてきている。 女性の育児休業が当たり前になるのにかかった時間を考えると浸透するスピードは驚くほど速いと感じる。 実質上、男性の育児休業の必要性は2人目出産時以降であると思う。出産前後、一人目の子供の世話や家事を夫に頼ることができれば、産後の体を休めることもできるし、精神的にも安心していられる。まさに「男性の産前産後休暇」の理想的な利用の仕方と思う。 一方で、「とらなければ損」という考え方があることも否めない。育児を理由とした一時の一休みといったとこ

    • 高齢化のリアル

      少子高齢化社会が問題視されながらも、なぜか女子供の問題と後回しにされているうちに人口減少が大きな社会課題となってしまっている。 「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」 (講談社現代新書)のよると2020年には全人口に占める女性の2分の1が50歳以上に。2025年には3人に一人が65歳以上と、主に国立社会保障・人口問題研究所の〈日本の将来推計人口〉データをもとに予測されている。予言ではなく、データから見る現実的な予測であることに注目である。 先日、母の介護のため、

      • 国民年金納付延長?

        政府は国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を現行の20歳以上60歳未満の40年間から延長し、65歳までの45年間とする検討に入ったとの報道が…。 受給水準の維持が目的らしいが、本当に実現可能なのだろうかと思ってしまう。 現在、高齢確保措置が義務化され、65歳までは何らかの形での雇用が義務化されている。何らかの形というのは、定年廃止や定年延長だけでなく継続雇用制度も含まれる。 厚生労働省・令和3年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)によると全企業で継続雇用制度を導入し

        • 最低賃金引上げで思うこと

          10月より最低賃金が改定されている。全国平均28円UPは過去最高の引き上げである。 明日公示の選挙でも最低賃金を引き上げることを公約に入れている党が目立つ。賃金が安く物価も安い日本は世界的に見て「安い国」となっている。 人口減少が避けられない今、国力を弱体化させないためには賃金や物価の上昇は不可欠である。最低賃金を上げるということ自体は賛成であるが、それに伴い懸念していることがある。 「扶養」という仕組みである。一般にパート女性は夫の扶養となっている可能性が高い。そのため

        男性の育児休業について思うこと

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        記事

          女性蔑視発言に思うこと

          女性は会議で時間がかかるという発言がなぜ問題視されるのか? 女性蔑視的な人たちは一定数必ずいる。なぜなら、自分たちが今の地位名誉?を獲得するまでの過程で、今のように一人前以上に働く女性がいなかったから。つまり、彼らの周りには男性ばかりで形成され、女性は家庭で一歩下がってという認識、あるいは愛玩するものといった位置づけでしかないから。 そのような認識の人が集まりの会議は根回し報告会となっていると感じることが多々ある。確かに、根回し合意ができているところに何か言うとうるさいだ

          女性蔑視発言に思うこと

          森さんの発言についての一考

          女性蔑視発言は完全にNGである。 この時代錯誤な発言と、政府や協会関係者等の対応について感じたことは、「時間が止まっていることに気づかない」という恐ろしさである。 確かに、ご自身が今まで築かれてきた道は一般人の私たちには計り知れない生き方をされてきたのだろうと思う。まさに時代を築いてきた人たちである。 実績は自信でもある。だから人の意見を聞かないという側面も必ずある。だからこそ、「自分の意見が絶対ではない」と思えるかどうかが、やがて老害となるか目指す人となるかの違いだと

          森さんの発言についての一考

          副業を少し斜めに考えてみる

          副業推進の動きは以前からあったが、コロナによりより鮮明に目に見える形となってきた。今後もこの動きは加速するだろう。 ところで、副業とは何をさすのだろうか?単純に2か所以上で働くことと考えている人が多い。厚生労働省も労働時間管理の問題や労災上の取り扱いについては指針を出しているが、今、社会が求めている副業の本質はどうも違う気がしている。 人口減少、AI、コロナ後の産業構造の変化を考えると、従来のようにお勤めして給与をもらうという発想ありきの副業施策はだれでも代替えのできる職

          副業を少し斜めに考えてみる

          コロナ わが町を考える

          コロナ禍の中、時流が一気に進んでいる。 働き方改革の一環としてなかなか進まなかったデジタル化が必要に迫られやらざるを得なくなった。 その中で、テレワークという働き方も注目された。テレワークというと社員を在宅で勤務させるということと思っている人が大半だろう。しかし、テレワークは必ずしも在宅勤務に限らない。自宅である必要はなく、ネット環境さえあれば自宅以外のどこからでも仕事をすることを可能にしている。 結果、テレワークは「社員が会社に出社して働く、会社は社員として雇用する」と

          コロナ わが町を考える

          社員を個人事業主への懸念

          電通は一部の正社員を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として働いてもらう制度を始める。2020/11/12付日本経済新聞 朝刊 思わずギョッとしてしまった。電通の中でどのような枠組みでやるか知らないが、有名な企業が行うことで、仕組みが良く分かっていない会社が「わが社も」と追随してしまうようなことにならなければいいと感じている。 社員を個人事業主としてということは理論的には可能である。会社のメリットは社会保険料等の負担が無くなること。請負となるので、賃金の支払いも出来高

          社員を個人事業主への懸念

          コロナ解雇、その先に挑めるか?

          いよいよコロナの影響もより深刻になり、解雇等の問題も膨れ上がってくる。感覚的にリーマンショック時よりひどいと感じている。 今回は、単に仕事が無くなったではなく、仕事の在り方そのものに変化が起こっている。つまり社会構造も変わってきているということ。 会社はあっても仕事のやり方ができなくて解雇され、次の職場がないのは、仕事がないからではなく、やれる仕事がないというシビアさが付きまとう。 リーマンショック後、「私は妻を一回も働かせたことがない」と自慢げに話していた中高齢の人(

          コロナ解雇、その先に挑めるか?

          これから起こる恐ろしいふるい分け

          コロナの影響によりテレワークは、もはや「そんなの!」という人もいないくらい認知された働き方。デスクワークが主流の職場では自粛要請期間には多くの人がテレワークを経験していると思う。 テレワーク期間中、オフィスにいた時と同様に仕事ができた人もいればまったくやることのなかった人もいる。 ここで経営者は気が付く。「あれ、結構少人数で回るじゃん!」 さてさて、社員の雇用の在り方を人事戦略として根底から見直そう!と考えるのも自然な流れ。 テレワーク期間中に仕事ができた人と、できな

          これから起こる恐ろしいふるい分け

          生活の中で時代の変化を感じたこと

          バルミューダの電子レンジ購入。なんと、温め完了の音が「チン」ではなくギターの音楽。電子レンジで温めることを「レンジでチン」と言っていたが、レンジでチンいう時代も終わりかと思わせる新鮮さ。 関連してふと思ったこと。「Hey Siri」、赤ちゃんにとって初めて発する言葉が「パパママ」ではなく、「Hey Siri」ってなるかも??? だって、パピプペポの発音より「Hey Siri」のほうが発音しやすい。時代の変化ってすごい!と勝手に感激している。

          生活の中で時代の変化を感じたこと

          雇用調整助成金、どうなる?

          雇用調整助成金、コロナ特例もいよいよ大詰め。まだまだ困っている会社はたくさんある。特例期間の延長、1日の保証額や、給付率を変えるなど噂は多々あるが、抜けている議論がある。 本来、雇用調整助成金は1年間限り、再申請にはクーリング期間を設ける必要がある。コロナ特例では支給日数について従来の100日+コロナ期間に使った分は上乗せと言っているが、これだけ9月を12月まで延長したことで1年間で給付日数を365日(1年間)上回るケースが出てくる。でも1年間は特に誰も触れない。役所に聞い

          雇用調整助成金、どうなる?

          週休3日の罠

          テレワークが進み、働き方改革の名のもと、週休3日という働き方も是とする風潮がある。ここで考えるのは、1日8時間労働のまま週休3日となるのか、週40時間のまま週休3日となるのか、である。 週40時間のまま週休3日(4日労働)とすると、1か月の変形労働時間制度を導入し、1日の労働時間を10時間に延ばせば週40時間となる(10時間×4日労働)。この場合、総労働時間は週休2日時と変わらないわけだから給与カットはないことが前提となる。 一方で1日の労働時間を8時間のまま週休3日とな

          週休3日の罠

          茶色い中高齢者

          ここ数年、中高齢の男性が白髪を染めていることも普通になってきた。こと清潔感の薄れてくる年齢なのでオシャレをすることは絶対おすすめである。しかし、白髪を茶色に染めることは余程おしゃれな人にしかお勧めできない。それは、皮膚が汚く見えるから。スキンケアをちゃんとしてキレイで張りのある皮膚と引き締まった身体、手入れしている歯がそろって、茶色がかっこよくなる。若い人は努力しなくてもそれなりに揃っているので茶髪もかっこよく見えるが、中高齢は努力しないと茶髪がかえって清潔感を消し、老けた感

          茶色い中高齢者

          女性だから?男性だから?なにそれ?

          前記事に女性の活躍のモヤモヤ感を書いたが、実は女性活躍と言っていること自体が時代遅れな気がする。女性だから男性だからとか、確かに身体的に性的役割が違うことは承知している。しかし、社会の中で生きる(働く)上では単に性別という総称の一つに過ぎないと思っている。 男だから女だからという「ゼロか100か」ではなく、いろんな距離感があると思う。特に仕事においては男がとか女が…と言っていること自体がナンセンスだと個人的には思っている。 若い時ならともかく、いい年して「男として、女とし

          女性だから?男性だから?なにそれ?