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文学的な何か

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読んだ本と観た映画のレビューです。
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#読書メモ

キャベツ炒めに捧ぐ 井上荒野

キャベツ炒めに捧ぐ 井上荒野

50代、60代の人生の先輩女性たちの酸いも甘いも知り尽くしながらも、まだまだこれからも楽しく自由に生きていくという表れと、美味しさが所狭しと散りばめられた物語に、背伸びして読み進めた作品。

なんとも目を惹く表紙で、11の料理と食材と共に3人の人生を垣間見ていくのだけれど、一筋縄でいかないのが人生。
青葉家の食卓やパンとスープとネコ日和のようなドラマ化をしてほしい物語。

舞台は東京の私鉄沿線の、

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しずかな日々 椰月美智子

しずかな日々 椰月美智子

よい意味で国語の教科書を読むような、夏休みの特別な断片たちの煌めきを、記憶の隅に留めて置けるように書き綴られたような優しい小説だった。

10歳までの主人公のぼくは、学校では幽霊のように過ごし、母親と2人で暮らすアパートでは片親の子供と聞いて想像するような生活をしていた。
引っ込み思案で恥ずかしがり屋で、目立つことは大の苦手なぼくだけれど、5年生のクラス替えで席が前後になったお調子者の押野に巻き込

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からくりからくさ  梨木香歩

からくりからくさ 梨木香歩

亡くなった祖母の古民家で、手仕事が好きな若い娘4人が「りかさん」を取り囲むように微笑ましく、慎ましく過ごす日々が描かれた作品。

形式上は寮で、孫の蓉子と美大生の2人と、鍼灸の勉強で日本に来たアメリカ人のマーガレットがひとつ屋根の下で暮らしている。
中近東のキリムという織物に熱中しており、サバサバとした性格と物言いの与希子に、織物が名産の島で生まれ育ち、自らも機織りをする大人びていて物静かな紀久。

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流星ワゴン 重松清

流星ワゴン 重松清

私は小学生の頃、重松清の「カレーライス」が教科書に載っていた世代だ。
記憶は朧気ではあるが、主人公の男の子は父親に謝らないと意地を張っていて、それが何故だかをクラスメイトと議論する授業があったと思う。教科書の文字が大きかった気もするから低学年だったのだろうか?

それから時を経て、「ステップ」が映画化されたのを機に、小説が図書館にあったので読んだ。過去に「とんび」がドラマ化された時には、家族で食卓

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間宮兄弟 江國香織

いい歳をした男の兄弟が二人暮らしをしていると、怪しいのだろうか?
なんだかちょっと怖いのだろうか?
この小説に登場する主人公たちが聴く音楽や映画に江國香織節を感じつつも、そんな問題提起もしていると感じた。

江國香織の作品の中では珍しく男性の主人公(それも兄弟で、決していい男ではないタイプの)である。
兄の明信は会社勤めで几帳面な性格であり、弟の徹信は学校職員で時としてお調子者といった風はあるが、

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夏物語 川上未映子

『夏物語』という題名と表紙の装飾から、ちょっぴり切ない少女の恋か、ひと夏の淡い恋とか人々の行方の物語かと推測していたけれど、この作品が取り扱っている内容はディープで、第二部に入ると一筋縄ではいかない生と誕生についての物語へと内容がシフトしていく。
この本を手に取るきっかけは、Me-timeという雑誌のなかで江國香織がおすすめしていたからで、もう秋になってしまったが読み進めることにした。

人が生ま

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