三浦法律事務所/Miura & Partners

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三浦法律事務所の公式noteです。法律ネタから弁護士インタビューまで。 HP:https://www.miura-partners.com/ 公式Twitter:https://twitter.com/miura_partners (代表弁護士:三浦亮太/第二東京弁護士会所属)

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記事一覧

M&P LEGAL NEWS ALERT #14:AIイノベーションと消費者保護

1. はじめに2024年9月25日、米国の連邦取引委員会(FTC)は、法執行アクションOperation AI Comply(AIコンプライアンス作戦)の一環として、AIに関する誇大宣伝などを行…

内部通報UPDATE Vol.12:公益通報者保護制度検討会 中間論点整理の公表

1. はじめに消費者庁に設置された公益通報者保護制度検討会(以下「本検討会」といいます。)が2024年9月2日付けで中間論点整理を公表しました。本検討会の設置の経緯につ…

危機管理INSIGHTS Vol.21:学校法人の危機管理/改正私立学校法の要所②-理事・理事会に関する改正点-

1. はじめに2023年4月26日に成立し、同年5月8日に公布された「私立学校法の一部を改正する法律案」(以下「改正法」といいます。)の施行日は2025年4月1日とされており、…

M&P LEGAL NEWS ALERT #13:AIアクティビズムと株主提案

1. はじめに近時、米国ではAI関連の株主提案が増えており、2024年上半期には11社(※2023年は通年で4社)に対してAI関連の株主提案が行われました(*1)。 いずれの株主提…

労働法UPDATE Vol.15:労働法改正Catch Up & Remind②~【速報】東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の成立~

2024年9月18日、東京都議会において、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の議案が提出され、同年10月4日、原案のまま可決されました(以下「本条例」といいます。)。本…

ポイント解説・金商法 #23:株式報酬等に係るインサイダー取引規制の軽微基準の追加

令和6年9月27日、金融庁は、株式報酬としての株式発行等に係る決定がインサイダー取引規制上の「重要事実」から除外される基準(軽微基準)として、①希薄化率が1%未満と…

M&P LEGAL NEWS ALERT #12:地政学リスクとM&A契約におけるMAC条項・不可抗力条項

1. はじめにM&A契約を締結してからクロージングまでの間に対象会社に重大な悪影響を及ぼす事象(Material Adverse Change・Material Adverse Effect)が生じた場合に買主…

ポイント解説・金商法 #22:公開買付開示ガイドライン【後編】

2024年9月17日、金融庁から「公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)(案)」(*1)(以下「本ガイドライン」といいます。)に対するパブ…

ポイント解説・金商法 #21:公開買付開示ガイドライン【前編】

2024年9月17日、金融庁から「公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)(案)」(*1)(以下「本ガイドライン」といいます。)に対するパブ…

M&P LEGAL NEWS ALERT #11:AIウォッシングと開示

1. はじめに投資者の投資判断において非財務情報の開示の重要性が高まっていることを受け、2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の開示が求められること…

ポイント解説・金商法 #20:持株会の範囲拡大(拠出金上限額を100万円未満から200万円未満に拡大する等)

令和6年9月13日、金融庁は、①持株会の1回当たりの拠出金額を100万円未満から200万円未満に引き上げること、②拡大持株会における「関係会社」を形式基準(議決権保有基準…

M&P LEGAL NEWS ALERT #10:M&A契約におけるAIに関する表明保証

1. はじめにM&A契約に定められる表明保証には①買主・売主間のリスク分担、②情報開示の促進といった意義・機能があります。 デュー・ディリジェンスで明らかになったリ…

労働法UPDATE Vol.14:近時の最高裁判例を踏まえた今後の労災対応への留意点

労働者が労働災害(以下「労災」といいます。)にあった場合、被災労働者は、労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」といいます。)の定める労災保険制度により、療養補…

M&P LEGAL NEWS ALERT #9:米国企業の開示からみるAIに関する取締役会の監督

1. はじめにAIは、DXの推進や生産性の向上、競争上の優位性をもたらすといったビジネス上の機会をもたらす一方で、種々のリスクや課題もあります。 有価証券報告書におけ…

Japanese Law Update #18: All Civil Judgments Rendered by Japanese Courts after 2026 will Become Available Online

1. The Government Committee Recommends the Establishment of a Comprehensive Database of Civil JudgementsIn 2022, the Code of Civil Procedure was amended to pro…

Catch up 法令・政策動向 Vol.3:「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」への意見

1. はじめに個人情報保護委員会は、令和6年(2024年)6月27日に「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」(以下「中間整理」といいます。)を公表し…

M&P LEGAL NEWS ALERT #14:AIイノベーションと消費者保護

M&P LEGAL NEWS ALERT #14:AIイノベーションと消費者保護


1. はじめに2024年9月25日、米国の連邦取引委員会(FTC)は、法執行アクションOperation AI Comply(AIコンプライアンス作戦)の一環として、AIに関する誇大宣伝などを行ったとされる企業5社を提訴したと公表しました(*1)。

米国では証券取引委員会(SEC)が投資者保護の観点からAIウォッシングに対する摘発を行っており(詳細は「M&P LEGAL NEWS ALERT

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内部通報UPDATE Vol.12:公益通報者保護制度検討会 中間論点整理の公表

内部通報UPDATE Vol.12:公益通報者保護制度検討会 中間論点整理の公表


1. はじめに消費者庁に設置された公益通報者保護制度検討会(以下「本検討会」といいます。)が2024年9月2日付けで中間論点整理を公表しました。本検討会の設置の経緯については、【内部通報UPDATE Vol.11:公益通報者保護法を巡る展開と展望】をご参照ください。

本検討会は、内部通報制度に関する国際的な動向や改正公益通報者保護法の施行状況を踏まえた課題と対応について検討を行うために設定され

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危機管理INSIGHTS Vol.21:学校法人の危機管理/改正私立学校法の要所②-理事・理事会に関する改正点-

危機管理INSIGHTS Vol.21:学校法人の危機管理/改正私立学校法の要所②-理事・理事会に関する改正点-


1. はじめに2023年4月26日に成立し、同年5月8日に公布された「私立学校法の一部を改正する法律案」(以下「改正法」といいます。)の施行日は2025年4月1日とされており、施行日まで半年を切りました。

改正法の概要は、以下の記事をご参照ください。

上記記事で解説したとおり、本改正の背景には私立学校における相次ぐ不祥事があり、改正法の主眼は私立学校におけるガバナンス改革の推進にあります。そ

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M&P LEGAL NEWS ALERT #13:AIアクティビズムと株主提案

M&P LEGAL NEWS ALERT #13:AIアクティビズムと株主提案


1. はじめに近時、米国ではAI関連の株主提案が増えており、2024年上半期には11社(※2023年は通年で4社)に対してAI関連の株主提案が行われました(*1)。
いずれの株主提案も否決されたものの、AIの使用に関する透明性レポート(*2)の作成・公表を求める株主提案には40%近い賛成が集まったものもあります。

資本市場のグローバル化に伴い、米国企業に対して行われたESG関連の株主提案が時間

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労働法UPDATE Vol.15:労働法改正Catch Up & Remind②~【速報】東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の成立~

労働法UPDATE Vol.15:労働法改正Catch Up & Remind②~【速報】東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の成立~

2024年9月18日、東京都議会において、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の議案が提出され、同年10月4日、原案のまま可決されました(以下「本条例」といいます。)。本条例は、カスタマー・ハラスメント(以下「カスハラ」といいます。)の防止を定めた全国初の条例となります。

カスハラとは、おおむね、顧客や取引先等からの著しい迷惑行為を指し、例えば厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュア

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ポイント解説・金商法 #23:株式報酬等に係るインサイダー取引規制の軽微基準の追加

ポイント解説・金商法 #23:株式報酬等に係るインサイダー取引規制の軽微基準の追加

令和6年9月27日、金融庁は、株式報酬としての株式発行等に係る決定がインサイダー取引規制上の「重要事実」から除外される基準(軽微基準)として、①希薄化率が1%未満と見込まれること、又は②株式の価額(時価)の総額が1億円未満と見込まれることを追加した改正(以下「本改正」といいます。)および本改正に対するパブリックコメント結果(*1)を公表しました。

本改正に係る内閣府令(令和6年内閣府令第83号)

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M&P LEGAL NEWS ALERT #12:地政学リスクとM&A契約におけるMAC条項・不可抗力条項

M&P LEGAL NEWS ALERT #12:地政学リスクとM&A契約におけるMAC条項・不可抗力条項


1. はじめにM&A契約を締結してからクロージングまでの間に対象会社に重大な悪影響を及ぼす事象(Material Adverse Change・Material Adverse Effect)が生じた場合に買主がM&A取引から撤退等ができるようにする規定はMAC条項と呼ばれます。

日本のM&A契約でもクロージングの前提条件や表明保証事項としてMAC条項を定めることは珍しくありませんが、(プライ

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ポイント解説・金商法 #22:公開買付開示ガイドライン【後編】

ポイント解説・金商法 #22:公開買付開示ガイドライン【後編】

2024年9月17日、金融庁から「公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)(案)」(*1)(以下「本ガイドライン」といいます。)に対するパブリックコメントの結果(*2)が公表されました。本ガイドラインは2024年10月1日から適用することとされています。本noteは、本ガイドラインの内容について一元的に参照できるよう、ある程度網羅的に紹介しつつも、必要に応じて重要と考え

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ポイント解説・金商法 #21:公開買付開示ガイドライン【前編】

ポイント解説・金商法 #21:公開買付開示ガイドライン【前編】

2024年9月17日、金融庁から「公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)(案)」(*1)(以下「本ガイドライン」といいます。)に対するパブリックコメントの結果(*2)が公表されました。本ガイドラインは2024年10月1日から適用することとされています。

本ガイドラインは、発行者以外の者による株券等の公開買付けに係る開示書類の審査を行う関東財務局に対して審査に当たって

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M&P LEGAL NEWS ALERT #11:AIウォッシングと開示

M&P LEGAL NEWS ALERT #11:AIウォッシングと開示


1. はじめに投資者の投資判断において非財務情報の開示の重要性が高まっていることを受け、2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の開示が求められることになったところですが、近時、有価証券報告書等でAIに関する機会とリスクに言及するものも見られるようになってきています。
これは、AIの急速な進化に伴い、AIは企業価値を高めるものである一方で各種のリスクがあるなど、投資者の投資判断に

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ポイント解説・金商法 #20:持株会の範囲拡大(拠出金上限額を100万円未満から200万円未満に拡大する等)

ポイント解説・金商法 #20:持株会の範囲拡大(拠出金上限額を100万円未満から200万円未満に拡大する等)

令和6年9月13日、金融庁は、①持株会の1回当たりの拠出金額を100万円未満から200万円未満に引き上げること、②拡大持株会における「関係会社」を形式基準(議決権保有基準)ではなく実質基準(影響力基準)とすること、③拡大持株会として発行会社の関係会社の役員を会員の対象とすること等を含む金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令(以下「定義府令」といいます。)等の改正(以下「本改正」といいま

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M&P LEGAL NEWS ALERT #10:M&A契約におけるAIに関する表明保証

M&P LEGAL NEWS ALERT #10:M&A契約におけるAIに関する表明保証


1. はじめにM&A契約に定められる表明保証には①買主・売主間のリスク分担、②情報開示の促進といった意義・機能があります。

デュー・ディリジェンスで明らかになったリスクは、定量化できるものについては買収価格に織り込んだり、定量化が難しいものについては特別補償条項を定めるといった対応がとられますが、リスクがあるか明確ではないものや規制の不確実性が高いものなどについては売主が表明保証を行うか否かが

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労働法UPDATE Vol.14:近時の最高裁判例を踏まえた今後の労災対応への留意点

労働法UPDATE Vol.14:近時の最高裁判例を踏まえた今後の労災対応への留意点

労働者が労働災害(以下「労災」といいます。)にあった場合、被災労働者は、労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」といいます。)の定める労災保険制度により、療養補償給付や休業補償給付等、さまざまな保険給付を受けることができます。

この保険制度の保険料は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(以下「徴収法」といいます。)に基づき、事業主が負担していますが、以下に述べるとおり、徴収法が労災保険料に関し

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M&P LEGAL NEWS ALERT #9:米国企業の開示からみるAIに関する取締役会の監督

M&P LEGAL NEWS ALERT #9:米国企業の開示からみるAIに関する取締役会の監督


1. はじめにAIは、DXの推進や生産性の向上、競争上の優位性をもたらすといったビジネス上の機会をもたらす一方で、種々のリスクや課題もあります。

有価証券報告書における「事業等のリスク」において、AIに関するリスクや課題に言及する日本企業も見られるようになってきていますが、取締役会は、不適切なことが生じないよう内部統制システム(リスク管理態勢)を構築することが求められています。

もっとも、内

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Catch up 法令・政策動向 Vol.3:「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」への意見

Catch up 法令・政策動向 Vol.3:「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」への意見


1. はじめに個人情報保護委員会は、令和6年(2024年)6月27日に「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」(以下「中間整理」といいます。)を公表し、これをパブリックコメントに付しました。

三浦法律事務所では、中間整理に対して、行政機関における新法・改正法の立案と運用を含む執務実績を有し、または、今般の個人情報保護委員会による見直し作業で検討事項とされたものについて多く

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