マガジンのカバー画像

MIND

28
日々、感じていること、思っていること、これからのことを徒然と。
運営しているクリエイター

#写真

ハタチを撮り続けて感じた、大人とは何か

ハタチを撮り続けて感じた、大人とは何か

8年前の冬にはじまった「ハタチのポートレート 」プロジェクト。

その年に20歳になる人たちだけをただひたすら取り撮り続けました。

この8年の間に、成人年齢は20歳から18歳に引き下げられました。

かつて20歳だったあの子もあの子も歳を重ねました。

私は今もハタチを追いつづけて、子どもと大人の境界線のようなものを探し続けていて、今も変わらず答えを探しています。

変化するものと、変わらないも

もっとみる
私の中の8匹の猫 2022

私の中の8匹の猫 2022

2022年最後の夕陽が沈み、今年最後の夜がやってきた。

と言っても、数時間後には先ほど沈んだ太陽がまた昇るのだけれど、少しだけ丁寧に今年を振り返りたくなる気持ちが良い夜だ。

緩やかに広大につながるご縁に感謝した年だった。

同時に、自分の感情がストレッチのように大きく動く年でもあった。まるで私の中に違う生き物が住んでいるみたいに。

それぞれが距離があるようでいて調和していて、猫みたいだなって

もっとみる
いい文はいい人と共に

いい文はいい人と共に

キナリ杯、惨敗。

キナリ杯とは作家の岸田奈美さん主催の文章のコンテストだ。昨日が結果発表だった。
一夜明け、どうしようもなく書きたい気分になりパソコンを開いた。
書いては消し。書いては消し。
デリートした言葉は世界からは消えても、私の中からは消えない。
いくら書いて消しても、いじけたひがみの気持ちが残っている気がして、嫌になる。

私には、コンテストに落選した時、作品がなかなか届かなくて少し

もっとみる
自称クリエイターからの手紙。

自称クリエイターからの手紙。

私には時々、どこからともなく手紙が届く。
こうやって。

【フォロワー全然いないじゃん。いいねだって全然少ないじゃん。なんで、こんなことやってるの?】

私は、律儀に考える。
なぜ、やっているのか。
なぜ、表現を、発信を、続けているのか。
誰のために?

「一億総クリエイター時代」って、誰が言ったんだっけ。
思い出せないけれど。
その言葉の通り、みんながみんな表現をして、発信している、そん

もっとみる
【夜明け前】

【夜明け前】

妹が精神科病院に入院した。
病名は、「双極性障害」。

双極性障害は、以前は躁鬱病と呼ばれていた精神疾患で、鬱状態と、その対極の躁状態を繰り返す病だ。
患者の自殺率は一般人口の25倍以上、鬱病の2倍と高い。完治することはなく、一生付き合っていかなければならない病気だ。

妹が高校生の時、母が蒸発し、両親は離婚した。

その後、父と一緒に暮らした妹は、高校を卒業し、専門学校に入学したが、程なくして鬱

もっとみる
30代モラトリアムで見つけた、「やりたいこと」の見つけ方

30代モラトリアムで見つけた、「やりたいこと」の見つけ方

大人になるために必要とされるモラトリアムという期間が、
すっかりいい大人である30代になった私に、やってきた。

20代は、
目の前のことにがむしゃらだった。

いっぱいいっぱいに働いた。
妊娠出産を経験した。

迎えた30代。

ふと、遠くの方を見渡したときに、
先の見えない長い道があった。

定年があるとしても、まだあと30年くらい残ってるという事実に気づいてしまった。

「果たし

もっとみる
自己紹介 「神経質な子ども」だった私がなったもの

自己紹介 「神経質な子ども」だった私がなったもの

食べ物の好き嫌いが多い子どもだった。苦手なものは口の中が痛くなった。
匂いに敏感で、車の排気ガスやタバコでよく具合が悪くなった。
人混みが苦手て、帰宅後はどっと疲れた。

そんな私が好きだったもの。

それは早朝。
窓を開けて、吸い込む空気は1日で一番澄んでいる。
朝の匂いは、季節や天気によって違い、頭のてっぺんから足の先まで満たされる。

それは、雪がしんしんと降り積もったいつもの町。
しんと静

もっとみる
「普通」という凶器。

「普通」という凶器。

ここはとある保育園。
3歳クラス。子どもは10人いる。

雨が降っている日。
今日はみんなで何をしようか?

9人がブロックで遊びたいと言った。
1人が公園に行きたいと言った。

9人は多数決で、ブロックに決まりだと思った。何しろ外は雨だ。
でも、1人は、どうしても公園に行きたいと言った。

あなたはこのクラスの保育士です。
こんな時、どうしますか?

「風邪ひいちゃうよ。」
「危ないよ。

もっとみる
東京路上ポートレート

東京路上ポートレート

ある、蒸し暑い真夏の日。
大都会、東京。

ジリジリと暑いアスファルト。
はしゃぐ笑い声。
足早に歩いていく人。

そんな中、高架下や日陰には、
ところどころに道の傍らに寝転がる人たちがいる。

彼らと、行き交う人々は、
お互い目を合わせることもなく、
ただの風景のように通り過ぎる。

見ないように、
考えないように、
しているように見える。

その日、私は、
彼らを景色に見ることはできなか

もっとみる
辛さを人と比べてはいけない。

辛さを人と比べてはいけない。

私は今、入院しています。
病室からこのブログを書いています。

総合病院には様々な人が、様々な理由で入院しています。

私は産科に入院していますが、お産で入院している人以外にも、手術をした人や、私のように切迫早産の方、切迫流産、妊娠悪阻などの方がいます。

隣は小児科です。

毎日、一日中と言ってもいいくらい、泣き声が聞こえます。
一番多いのは、「ママー!」と叫ぶ声です。
辛い治療もある上に、

もっとみる
肩書きに価値はない話と、名乗ることの大切さの話。

肩書きに価値はない話と、名乗ることの大切さの話。

以前、noteで、「肩書きを気にしなくなった」と言ったことがある。

今朝、
キングコングの西野さんのblog、
「肩書きには1ミリの価値もない」という話

を読んだら、私もまた肩書きについて想いをまとめたくなった。

私も西野さんとほぼ同意見で、肩書きと価値は違うとは思っている。

どんなにかっこいい肩書きがあっても、中身がともなっていなければ意味がないし、周りが認めるのは肩書きではなくて、その

もっとみる

職場のボスに、
「目に見えるものしか、写真には写せない。」
とアドバイスを受けた。

私は、「目に見えないものが写したい。」と言った。



「目に見えるものをどう写すかで、目に見えないものを想像させるのが写真だ。」

とボス。



彼のもとで、勉強しながら撮れる環境に感謝。

写真にしかできないこと。私じゃなきゃダメなこと。

写真にしかできないこと。私じゃなきゃダメなこと。

記憶は、絶対に薄れる。
どんなに忘れたくないことも、薄れていく。

たった2年前に産まれた娘。
たった2年前の写真を見ても、もう懐かしい。

今日のことだって、もう、薄れ始めている。
永遠に忘れたくないことも。

でも、写真を見ると、思い出せる。
記憶が蘇る。

写っている、「こんな顔で笑っていたな。」「こんな服を着ていたな。」
写っていない、「いい匂いがしたな。」「あったかかったな。」

写真に

もっとみる