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渋谷だとか地名だとかそういうことじゃないんだろうけど
渋谷は人酔いに特化した街だと思うので、今日の体調はいかがだろうと気になる方は、一度スクランブル交差点からセンター街までを歩いてみるといい。私はいつもながら、アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
と思って、大不調だと再確認した。
そもそも、人々がそれぞれ違う目的地を目指してるのに、青になった途端一
意図しなく突然に訪れて、と思っているがそれは
「あー、そっか。そう思うならそうかもしれないね。」
いや、そうじゃなくて、そういうことじゃなくて、ニュアンスもそうじゃなくて。俺はそう思いつつもこの空気を変える言葉が一切出てこなかった。
「えっと、あー。その、たとえば三重県ような、感じ」
「え?」
そうだろう。そうだろう、とも思いながら、気持ち的には三重県がちょうど良かったんだから仕方ない。
「そんなもんで、別に意味はなくて」
「じゃあ、
主題のない劇団(1)
人生を諦めると、もはやなんのやる気も出ないという人もいるが、僕は違った。諦めることで、好き勝手、突飛な行動を取れるようになっていた。
明日への希望が特に何もないのは、きっと前者と同じだったけど。
1
僕はリゾートプールのウォータースライダーの乗り場の前で、右手にお箸、左手に一口大に丸めたそうめんを乗せた竹ザルを持っていた。
係員の制止を、唯一対応できた尻で振り切り、「いざ、」とザルをひっくり返
お墨付き【ショートショート】
もうろくしたジジイが電車内で声を荒げていると「ああ、この時がきたか」と思ってしまうのだが、今回の事案は少し違った。
あのジジイは車両の真ん中を陣取り、ドアとドアとの間でどうやら「書き初め」をしているらしいのだ。
乗客は皆、果たしてこれは害のあるタイプなのか、それとも無いタイプなのか、その様子を窺い、見定めているようだった。
電車内の地べたに大きく広げられた習字セット。ジジイは硯の端で太い毛筆の先
どちらもあなたである
【あなた】
しげおは生まれて40年、働いたことがない。
職を失ったわけでもなく、職を求めているわけでもないのだ。
しげおの毎日はとてもたのしい。
ブランコの板の模様が気になれば膝をついてじっと眺め、触り心地が気になれば、質感を肌で知る。
花壇に生えている草花を近くで観察し、葉脈を道に見立てて、もしここに自分が立っていたならばこれはどちらに進むだろうと心躍らせる。
また、