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摂食障害の思考を紐解く04

こんにちは。私は摂食障害はじめ、精神疾患経験者で経験談から考え方、メンタリティーについて X @mgmgpai で質問やお悩みを頂いて Ameba blog @konpaichan でお答えさせて頂いています。

今回は摂食障害の当事者だった私が「思考」にフォーカスして、摂食障害についてシェアしていくnoteです。



自覚がない

摂食障害の難しさの一つに「無自覚」があります。症状が軽度でも重度でも、本人の認識はそれぞれです。生活のこだわりの一つとして、病気の自覚に至りません。

理由は「誰でも頑張っている」とか「当たり前の努力」としてダイエットを美化している「社会的要因」と頑張り過ぎてしまう繊細な心の「心理的要因」にあります。

女性は生理が止まるなど身体のサインによって「病的」という自覚を持つポイントがあるのですが、気持ちが健康より痩せている事の方が大切になっている場合、引き戻る事ができません。


摂食障害の渦中で、自覚が芽生えます。ダイエットのつもりが自分の意思でコントロールできない「衝動」や「強い恐怖心」によって、生活に不自由を感じるのです。


不自由を感じて「治したい」と思う、とは限りません。自覚があってからが症状の苦しい部分です。

症状と付き合っていく思考で、家族や友人にバレずにどう過ごすか?など病気を隠す方向に一人で抱え込んでしまうのです。

なので、周りも本人の言動が「ダイエット」なのか「摂食障害」なのか?判断し辛いのも病気の難しさの一つなのです。

自覚していて、周りに打ち明けていても、病院に通っていても、本人の心が「痩せを手放す覚悟」が出来ない限り本人の行動を変えていく事ができないのです。

自覚を持たせる段階で、決め付けてしまったり。本人が苦しいと感じていない事を否定してしまうと、心の負担になっていきます。

周りの方の配慮が優しさや親切心として届かないくらい、本人は心の生き苦しさを抱えているという事です。慎重に思いやってコミュニケーションを取って欲しいです。


抱え込む理由

摂食障害の難しさに「無自覚」があり、次に回復に至るまで難しいところが「一人で抱え込む・隠す」という事。

どうして、苦しい気持ちを隠してしまうのか?シェアしていこうと思います。

そもそも、発症の要因でもある「心理的要因」には我慢したり無理したりする元々の性質も含まれます。

苦しさをわがままとして、迷惑をかけたくないなど思ったり。自分で勝手になってしまったと強い責任感を感じます。


もう一つ。これは私が世の中の摂食障害に対する偏見に、意見したい事でもあります。

摂食障害ではなくても、好き嫌いが激しい人もいます。アイデンティティとして、食のスタイルは多様です。単純に沢山食べる事が好きな人・食に関心がない人がいます。痩せているからダイエットしている訳でも、太っているから怠惰な訳でもありません。

第三者が、人のライフスタイルや容姿に偏見で決め付ける事は決して許し難い事です。

私は不思議で仕方がないことがあります。それは世の中の人が「摂食障害に厳しい」という事です。

私自身、当事者だったから強く遺憾に感じるのかもしれません。ですがSNSなどで、厳しい意見をよく目にします。人のスタイルや食生活に繊細な方が多いのでしょうか?

摂食障害さんに対して「自分勝手」と感じる方や「なりたくてなった」という印象を持っている方にお伝えしたいのは、これは本人の意思ではない「心の病気」という事です。


こうした世間の目や声を当事者が1番理解しているんです。なので、家族や友人に打ち明けても理解されないだろう、と思って一人で抱え込んでしまうのです。

頼れるなら、分かってくれるなら、受け入れてくれるなら。助けて欲しいと思っているのです。

摂食障害さんも一所懸命に生きています。一人の人間として、しっかり向き合って声を聞いてほしいのです。


最後に

自覚がないのも、一人で抱え込んでしまうのも「症状」だと思います。何でもかんでも「自分の責任・勝手」と判断して背負わなくても良いのです。

いつか自覚して、いつか打ち明けて、いつか色々な過程を乗り越えて遠回りしながら回復していきます。

誰かが苦しんでいるなら、優しさを持って接していくべきです。愛がない言葉を投げかけないで欲しいなと思います。

摂食障害さんの思考は、確かに誰にも理解されるものじゃないかもしれませんが、それが「病気」なんです。

癌の人に「発症したのは運が悪い」とか副作用で髪が抜けている人に「はげ」なんて言わないはずです。

摂食障害さんには平気で「ガリガリ」とか「デブ」とかいうのは何ででしょうか?

こうした偏見が少しでも無くなって、理解が深まれば苦しみを声にできる方が増えると思います。

当事者だった私の意見もそうですが、これからも沢山の人の苦しみをシェアできたらいいなと思います。





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