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記事一覧
【読書感想】『俺たちの箱根駅伝』(池井戸潤)
池井戸潤さんの最新長編作『俺たちの箱根駅伝』。
一人の箱根駅伝ファンとして、刊行を心待ちにしていた。
関東学生連合チームとテレビ局の二つの柱からなる物語構成。
その臨場感やリアリティに瞬く間に魅了されてしまった。
だからこそ、読書感想記を書いてみることにした......のだが、感想記というよりは、実際の箱根駅伝も面白いよ!という箱根駅伝推しの記事となってしまった。
その点をご理解の上、読んでい
【読書感想】『シャーロックホームズの凱旋』(森見登美彦)
そこまで森見登美彦作品に触れてきたわけじゃないが、整理として。
森見作品は
①ダメな大学生が妖の京都で七転八倒する青春作品
②虚実入り乱れる世界観で読者の頭を溶けさせる作品
のパターンが多いかと思っていたけども、今回は圧倒的後者だった。
「シャーロックホームズ」とか作品名に入るくらいだから、原作を絡めてくる換骨奪胎な作品にするんだろうと思っていたら案の定。
(丁寧すぎるくらいに原作を拾っていて
【読書感想】『幼年期の終わり』(アーサー・C・クラーク)
最近、本棚に光文社古典新訳文庫の本が並ぶ頻度が増えている。
古典をきちんと読んでおきたいという気持ちがあるからだが、どうも岩波の訳文や文章が受け付けないことも多く、何かいい方法はないかと辿り着いたのが、光文社古典新訳文庫だった。
今回読んだのは、アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』
クラークといえば、SFの原点。
ただ、今作は楽しむ以上に、考えさせられた。
以下、ネタバレ含むのでご理
2022年の読書振り返り
今日で2022年も最後の日。
今年、自分が注力したことの一つが読書。
4月頃から読書ノートでの記録を、6月頃からアプリでの読書管理を始めた。
せっかく記録をつけ始めたので、今年特に心に残った本をテーマごとに振り返ることとしたい。
色褪せない名作編『月と6ペンス』(サマセット・モーム)
因習的なロンドンでの生活から、自身の本来あるべき姿を求めて、原始的で官能的なタヒチへと生きる場を探し続けるス