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旅と文章

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#エッセイ

やっぱり総武線は暗いままだったけれど

やっぱり総武線は暗いままだったけれど

「東京の暮らしはどうだったんですか?」
面接でよく聞かれる質問の一つ。

楽しかった、し、楽だった。
自分が好きなスポーツ観戦にも行きやすいし、ちょっと遠出をすれば海だってある。仕事にやりがいを感じている人や「好き」に対して熱量が高い人が多い印象だった。逆に、隣にいる人への関心は低くて、隣の人が何をやっていてもあまり干渉されることもない。ライフスタイルや価値観が多様で、ドライで生きやすかった。

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アクセルを踏むのが早かったのかもしれない

アクセルを踏むのが早かったのかもしれない

5月の後半に入った途端、微熱の37℃あたりをうろうろし続けて一向に下がらず体が重くて重くてまったく動けない日、ばかりで。
以前から定期的に長期にわたってアレルギーが悪さをするらしく流行り病の類ではなさそうだ、と見込んで、ただただ転がって過ごしている。

こういう時、不思議なことにすべてが良くない方向に向かってしまうもので、知りたくもないことを聞かされたり、言葉の端々にとげを感じたり、小さいことも大

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珍しく、だめな自分を許せなかったのかもしれない

珍しく、だめな自分を許せなかったのかもしれない

「多分、想像だけど、星が綺麗な気がする」って思い立って、出かける前の夜に荷物の中に三脚を入れていた。
いざ到着するとうっすら曇っていて、部屋から見える星は少なくて、見えないかなあ……ってちょっと諦めモードではあったけれど。

23時半からいそいそと外に出る。ちょっと見てみるだけ、30分だけ、って思いながら。

入り口の坂をくだると街灯がなくなり、たった数分で闇に変わる。見上げてみると、想像以上の星

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それはきっと、“凪“の様に穏やかな始まり

それはきっと、“凪“の様に穏やかな始まり

「お散歩ですか?」

玄関前でそう声をかけられたとき、心がゆるっとほどけていく心地がした。
ずっと家から出ない日々が当たり前で、それでいいと思ってさえいたのに。
少しでも早く、とカメラをひっつかんで靴をひっかけようとしていた自分が可笑しくなってしまったから。

*
なんだか、息苦しかった。
ずっと。

朝、出勤時間30分前にもがくように布団から出る。
それから、適当に身支度を済ませて、部屋に戻って

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言葉の力、をやっぱり信じたい

言葉の力、をやっぱり信じたい

正直でいよう、と思った。

美しいと感じることも、思わず微笑みたくなることも、好きだと思うことも。

言葉が好きで良かった、とも思う。
自分ではうまく紡げなくても、言葉の選び方や空気感が伝わってくる文章はたくさんあって。
1つひとつ噛みしめているうちに、いつだって心が緩んで、そう、少しばかり泣きたくなってしまうような。

柔らかい言葉をくれる人たちが、ふいに自分の迷った過去や弱さについて書くときに

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好き、は時に苦しくて

好き、は時に苦しくて

「好きなことは心を軽くしてくれる」し、
心地よいものだと思っていた。

いや、そうではあるのだけれども。

無条件にいつでも楽しいとか、いつでもストレスフリーでいられるものではない。
向き合おうとするほど、そして向き合い始めると、苦しい場面もたくさん出てくるのではないのだろうかと昨日からぼんやりと考えている。



私は「それなりに雰囲気を楽しむ」ことが苦手だと気づいた。
参加した場でその時の雰

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まだまだ旅の第一歩

まだまだ旅の第一歩

こんなこと言ったらあれだけど、仕事に行くことよりも大切なことがあるかもしれないな、と思う。

私は自分らしく過ごせる時間がなかったら無理かもしれない。息がつまる場所で生きていくのも難しいかもしれない。

*

久しぶりの飛行機に待ちわびた夏空だったからか空の写真をたくさん撮った。同じぐらい、海の写真も撮った。

ちょっとしたことで変わる景色。雲の流れやかげり具合とか。刻一刻と変わる世界をめにやきつ

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好きな色に逢いに行く。

好きな色に逢いに行く。

これほど、「始まりの朝」の実感がないのも珍しい。

7月半ばなのに晴れ間となかなか出会えなくて雨が降りそうで。じめっとした空気がまとわりつく。こんな天気の日には何だか気分も晴れない。

バスを降り、混雑した中を歩いていく。
荷物がじんわりと重い。いつもよりも厳選したはずなのに。きっと「平日だし、何かあるかも」と泣く泣く入れることにしたパソコンや“減らしきれなかった何か”がちょっとずつ積み重なってい

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ぎりぎりじゃなくて余裕を持って

ぎりぎりじゃなくて余裕を持って

私は運がいい、と思っている。
ただ、詰めがめちゃくちゃ甘いのも紛れのない事実。

運だけで乗り切るには難しいことも出てくるし、やってしまった(てへっ)が出来るキャラでも年齢でもないのでそろそろちゃんとしたい。

この時期になると思い出す、詰めの甘さ。前のブログにも書いた気がする。笑い話ですんだけれど、気をつけないと……。

*

どこかへ行こうとするときにお天気に恵まれることが多い。1週間雨続きだ

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僕らが旅に出る理由

僕らが旅に出る理由

もうすぐ旅に出る。

半分は友達と過ごすし、目的もあるから旅行かな。もう半分は一人で過ごすけど、何をしようかあんまり決めていない。

体力がない私にはそれぐらいがちょうどいいかもしれない。とは思っているものの、写真はたくさん撮りたいし、カフェにも行きたい。どこでだってマイペースに楽しめるのはきっと私の特技。

さすがに何も知らずに行くのももったいないとも思っていて。だからといって、ガイドブックに頼

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7月2日、「旅」と「文章」を誰かに届けたいと強く願った日

「どうしてこの人が書く文章にはこんなに引き込まれるんだろう?」

記事が更新されるたびにいつもそう思う人がいる。そのうちの1人、伊佐知美さん。
美しい写真と柔らかい文章に、いつも心を打たれる。
読み終わった後にため息が出て、このまま余韻にひたっていたいと思う。

世界は鮮やかで優しい。きっと、私が思っているよりずっと。読むたびにそう思わせてくれる。

昨日TABIPPOさんで、伊佐さんがnoteの

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5年後の私に向けて、走り出す。-ほんとの気持ちと夢の話-

5年後の私に向けて、走り出す。-ほんとの気持ちと夢の話-

へっぽこでぽんこつな私が夢を叶えたら、なりたい自分になれたら、世界はどんなふうに見えるだろうーー?

ふと、そんなふうに思ったことが、今を見直したいと思うきっかけだった。

今までもnoteには山ほど書いているけれど、自分のことを「世界一ぽんこつでダメな存在」だと思っている。

心のどこかで「何か出来るはずだ」「何かになれるはずだ」と思うことがあっても、自分の気持ちに見て見ぬふりをしていた。

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ゆるいつながりの居心地の良さといったら。

ゆるいつながりの居心地の良さといったら。

私はこれまでいくつかのオンラインサロンに所属してきた。どれも居心地が良くて、人見知りの割に参加を決めた自分をこればかりは誉めたい。笑

始まりは大学の時。誰も知らないところで興味あることを一からやってみたくなって、申し込んだサークル。全国各地にいる学生が活動していた医療系のサークルだった。年齢もバックグラウンドもバラバラで、全国に友人ができた。いつもSkypeや電話で会議をして、集まるのは数ヶ月

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2019年、旅と野球に翻弄されたい。

夏までの予定が決まりつつある。
春が来て野球も始まるし、大好きな夏も近づいてくる。

周りにも「ついに春来たね、良かったね!」と言われるぐらい。本当に踊り出したいぐらいで心の中で小躍りするだけに我慢している。

予定のメインどころはこんな感じ。

4月 日光(初北関東!)
5月 京都(単なる帰省……どっか西日本方面追加したいなあ)
6月 北海道(12球団本拠地制覇なるか)
7月 宮古島(初ダイビ

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