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車椅子で役者をやるもの。

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車椅子ユーザーになって芝居復帰に至るまでの話し。
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#日記

車椅子で役者をやるもの。(seen14 希望と喜望)

車椅子で役者をやるもの。(seen14 希望と喜望)

2回のワークショップの参加は完全に俺にエンジンをかけた。

「やりたい」

そんな事を考えてた矢先、知人から地域活性化事業の初心者向けワークの講師をやらないかとのお誘いがきた。始めは福祉についての講師依頼だったが、それでは面白くない。俺はその福祉のセミナーに芝居の要素を入れた体験型のセミナーをしたいと依頼主に伝えた。相変わらずの勢いだけだ。そしてそれが通った。以前受けたワークの講師に連絡を取り教え

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車椅子で役者をやるもの。(seen12 不安と緊張)

車椅子で役者をやるもの。(seen12 不安と緊張)

事業所運営もいよいよ忙しくなってきたりラジオの収録放送も絶好調な時期。ラジオは俺に沢山の友人や縁を与えてくれた。しかし一番の収穫は「自分で放送内容を決め発信する」事が出来た事。これは演劇演出舞台構成に似ていた。「何をしよう。どうすればリスナーに楽しんでもらえるか?どんなコーナーを組み込もうか」など無限大な楽しさ。本番をやってまた次の企画を考える。まさに30分間の舞台。ゲストは共演者。自分を出してる

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車椅子で役者をやるもの。(seen9新しい出会い)

車椅子で役者をやるもの。(seen9新しい出会い)

それから、前職の法人を1年足らずで退職。事業所開所と慌ただしい日々が始まった。事業所を2年で黒字化をすると断言してしまっていたので必死に利用者様獲得に各福祉関係との顔つなぎにと動いた。人工肛門閉鎖の後遺症は思ったよりなく前職を退職したのを何度か後悔したが動き出したものは止められない。退職後、自分の色々な噂が耳に入ってきたりその状況を知人が心配してくれたりもあったが態度で表すしか出来なかった。成功さ

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車椅子で役者をやるもの。(seen8 親友との再会)

車椅子で役者をやるもの。(seen8 親友との再会)

入院をする前、障害者職業相談員という仕事もしていた。懇意にしていた障害者職業支援センターの所長からある会社の社長を紹介された。相談内容を聞き「障害福祉サービス事業」をする事を勧めていたが設立が頓挫しているのを知っていた俺は退院後、その社長へ現在の状態を話し事業所設立打診を改めて行った。回答は「すぐにでも」。設立後、サービス管理責任者として雇用したいとの項も合わせて打診された。開所後、障害の後遺症の

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車椅子で役者をやるもの。(seen1 無くなった)

車椅子で役者をやるもの。(seen1 無くなった)

なかった。自分の中で「車椅子で役者をやる」という選択肢は20年前に捨てた。

29歳の時に脊髄炎を発症した。足が動かなくなり手が動かなくなり記憶が出来なくなり食事も自力で出来なくなりそのまま死ぬ筈だった。奇跡的に回復したものの足だけは回復しなかった。待っててもらっていた市の演劇セミナーも辞退し、声を掛けて頂いていた芝居も辞退。学生に芝居を教えていた団体も解散。周りからは「車椅子でもやれるんじゃない

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