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車椅子で役者をやるもの。(seen1 無くなった)

なかった。自分の中で「車椅子で役者をやる」という選択肢は20年前に捨てた。

29歳の時に脊髄炎を発症した。足が動かなくなり手が動かなくなり記憶が出来なくなり食事も自力で出来なくなりそのまま死ぬ筈だった。奇跡的に回復したものの足だけは回復しなかった。待っててもらっていた市の演劇セミナーも辞退し、声を掛けて頂いていた芝居も辞退。学生に芝居を教えていた団体も解散。周りからは「車椅子でもやれるんじゃないか?」「演出ならどう?」「台本書けば?」どれもこれも腹が立って仕方なかった。全くイメージが出来なかった。芝居は出来ない、いや、やりたくない。やってるところを見られたくない。出来ない自分を知りたくない。そんな気持ちからその日を境に芝居の世界を自分から切り離した。兎に角、芝居以外を。それに障害年金も受給資格のなかった自分には先ずは生きていく事が最優先だった。

色んな場面で車椅子乗りになった自分を卑下したくはなく「いやー車椅子でも全然余裕!」と周りには見せていたがそれは役者を捨てた強がりでもあった。そして、13年間。アパレル企業でガムシャラに働いた。全く芝居には見向きもせず。観劇すら自分には受け入れがたいものとなっていた。


車椅子の役者、演出家として活動していく事で観る側だけでなく演る側のバリアも崩していきたい。活動にご支援の程宜しくお願い致します‼️