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#エッセイ
人生はルービックキューブ
次男が高校生のころ、急にルービックキューブをやり始めたことがあった。
なんでもクラスメイトで瞬時にルービックキューブをそろえられる子がいて
憧れたらしい。自分もできるようになりたいと練習を始めた。
父親というのはなぜだろう。何かというと息子と張り合う。
あちら側には一切その気はなく、平和的交流を望んでいるにもかかわらず、すぐに戦いを挑もうとするのだ。
全ての面をそろえるには、キューブを回
ジャズとコーラとポテトチップス
月曜日の朝、部屋の窓から雨を見ていた。
窓の向こうには丘の下の家々の屋根があって、そのどれもが白っぽく輪郭をぼやけさせている。
住宅街の中にポツンと立つ小学校の屋根は、一部が煙突のように飛び出ていて、その上に三角屋根が乗っかっている絵本に出てくるような建物なのだけれど、雨の日にはまるで傘をかぶっているように思えて可愛い。
雨はまるで、古い映画フィルムのノイズのような縦線を作りながら落ちていく
おいなりさんから始まる物語
6年前、私がノルウェーに住んでいた頃の物語です。せっかくなので全てノンフィクションにしました。
とあるバーで働いていたとき、お客さんの一人と仲良くなった。その男性は、レストランを新しく始めようとしているスウェーデン人で、フュージョン料理を専門に修行を重ねてきた人だった。私がアジア人ということでオスロでは珍しく、さらに料理好きと知って名刺を渡してきた。面白い料理を紹介したかったらいつでも連絡して、