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出会いが間違い

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#バンドマン

現実的な女。でも・・・東京タワー。

現実的な女。でも・・・東京タワー。

エレベーターを降りると、

あきとさんは、

「ちょっと待ってて。」

と、私をエレベーターホールに残してフロントへ向かった。

きっと、部屋をとっているのだろう。

普通なら、

ーーーどうしよう!一緒に夜を共にする!?泊まる!?

と慌てるはずが、

ーー部屋、空いてんのかな。

ーーあきとさん、明日休み?

ーーいや、待て、私、明日仕事だけど、服どうする?

ーーてか、このホテルめっちゃ高い

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蘇る「好き」

蘇る「好き」

「あきとさん、今日はほんとに話してくれてありがとう。」

彼の手を握って、高く握っていた、あきとさんの拳が解れ、私の手を握り返した。

「あきとさん、私は封印してた過去の記憶がいきなり全て戻って、正直焦ってる。今、なんて答えればいいのか分からないっていうのが正直な気持ち。」

「うん、そうだよね。きっと。」

「ごめんね。でも、本当に好きだった。多分、今でも好き・・なのかな?分からない。」

「い

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真実とは?

真実とは?

「全然捕まらないですね。タクシー。」

「だね。さっき店で呼んでもらえばよかったね。まぁ、このあたりのこの時間ってこんなもんだよね。きっと。」

「だね。私、タクシー呼ぼうか?」

「いや、歩こう!」

「え?うん、はい・・。どこか目的地はあるの?」

「いや、ない。笑 なんか、久々に会うから、テキパキできない。ごめん。笑」

「あ、いや。こちらこそ。」

「れいちゃん、大人になったね。って、当た

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消したい過去

ほんの数十秒、何も言えず立ち尽くしていただけなのに、

その時間が長く感じた。

知らないふりをしていいのか、

どちらかが沈黙を破らないといけないのか。

私は、徐々にあきとさんから目線を外し、その場から立ち去ろうとした。

「れいちゃん、待ってよ!」

久々にあきとさんに名前を呼ばれて、あの時の記憶が鮮明に蘇る。

悲しみと、苦しみと、憎しみと、愛おしさ。涙を瞳に止めておくのが大変だった。

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不意再会

不意再会

「れいちゃん、覚悟できてる?」

「・・・うん」

「じゃあ…、見る?」

「・・・うん。」

「「はっ・・・」」

「れいちゃんーーーーー!!!やったね!やったね!!!!おめでとう!!!!」

そう、今日は、第一志望の難関私立大学の合格発表日。

あれから、本当に死に物狂いで勉強に励み、私は無事合格した。

母が涙を流して喜び、私もホッと力が抜けた。

いろいろあった高校生活だったけど、これでよ

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消したい記憶

消したい記憶

あれから、あきとさんとは、週に1〜2度会っていた。

あきとさんの自宅のときもあれば、

外で食事をしたり、映画を見に行ったり。

私なりに幸せで。どんどん、あきとさんが好きになっていった。

そして、1ヶ月。

毎日続いていたメール。

週に3度はしていた電話。

その日はどちらもこなかった。

ーーー仕事忙しいのかな?

そう思って、邪魔をしないように、私からも特に連絡しなかった。

それから

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初めての手料理

初めての手料理

キッチンへ行くと、

「・・・本当に何もないね。笑」

「でしょ?笑」

あきとさんの冷蔵庫には、

・お酒

・おつまみ系(チーズやハムなど)

・卵

・納豆

・豆腐

・市販の刻みネギ

くらいしかなく・・・。

「どうする?ピザでも頼む?」

「いや、作るよ!お金もったいない!なんか使っちゃダメなのある?」

「ない!お好きに!」

結局私が作ったのは、オムライス。

玉ねぎの代わりに、

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忘れられない夜

忘れられない夜

ーーガチャ。

あきとさんの寝室は、アロマ?お香?の香りがして、

非日常的な感覚になり、自然と、緊張感が増す。

後ろで扉を閉める音が聞こえた。

「ーーーーあきとさん?真っ暗だよ。」

「ごめん、明かりつけるね。」

一気に明るくなり、一瞬視界がぼやける。

「明るすぎ・・・?だね。」

そう言って、リモコンで明かりが薄暗くなった。

ただ立っているのも、なんか違うよな・・・

そう思い、ベッ

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初めてのメール

初めてのメール

翌日のお昼。

彼から初めてメールが来た。

・・・・

昨日はごめん。

情けないけど、記憶が曖昧な部分もあって。

でも、ひどいことしたんだろうなっていうのはわかってる。

泣いてるれいちゃんの顔を鮮明に思い出す。

本当にごめん。

電話してもきっと出てくれないと思うから。

もう、れいちゃんと会う前にお酒飲まないから。

会いたいです。

・・・

メールを読んでしばらく、考えた。

なぜ

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彼の涙

彼の涙

「れーいちゃん!着いたよ!よーーーこそ我が家へ!」

「ねぇ・・、なんで家なの?外でご飯食べるんじゃないの?」

「んなもん!出前すればいいでしょーー!ねー?さ!上がって〜〜」

「・・あきとさん、私、帰る」

「・・・・・」

「ごめんね。今日のあきとさん、なんか嫌だ。」

思わず、泣いてしまって。

ただ、あきとさんが酔っ払って、いい気分になった頃に私が都合よく配置させられてる気がして。

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ダブルの歓喜

ダブルの歓喜

あれから二週間。

私は高校受験よりも勉強に励んでいた。

高校受験より必死だった。

絶対に這い上がる、と。

そして、夏休みを迎える。

今年もまた暑いらしい。

あー、また玄関前に生きてるか死んでるか分からないセミが転がってて、立ち往生する季節だなー。

周りの友人が夏休みを満喫している頃、

私は全ての誘いを家族旅行と言って断り、

勉強に明け暮れた。

そして、編入試験当日。

3つの公

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初めての助手席

初めての助手席

「ただいま」

「おかえり!ご飯は?もう食べる?」

「うん。ありがとう。その後少し期末試験の勉強するね」

「あら!頑張って!」

「ごちそうさま!ママ、ありがとう。美味しかったよ!」

「じゃあ、勉強、頑張ってね。夜食欲しかったら言って!」

「うん。ありがとう。」

ーーバンドマン、か。

そんなことを、ふと考えつつも、

私は期末試験の勉強に励んだ。絶対に負けない。負けてたまるか、と。

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3度目の遭遇

3度目の遭遇

ジムで汗を流し、シャワーを浴びて、帰り支度をしていた。

ーこれからどうしよう。

そんなことを考えて、ボーッと窓の外を見た。

・・・あれ?

ジムの目の前にあるライブハウスから、一人の男性が出てきた。

ーーーあきとさん。

ジムは3階。

ライブハウスは道を挟んで1階。

私は、ただただ、あきとさんに目を奪われていた。

ーー行動範囲って、こういうことか…。

!!!

すると、視線を感じた

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逢えない日

逢えない日

家に帰ると、姉が帰ってきていた。

「れいちゃんーー!久しぶり!もう高校生だね。これ、入学祝い!」

「ありがとう。開けていい?」

「もっちろん!」

CHANELの袋に入っていたのは、

薄いピンクのグロス。

「ほら。れいちゃんももう高校生だから、グロスくらいからいいもの使わないと!」

「ありがとう。」

「なんか、タバコ臭くない?まさか・・」

・・・!

「あー、さっき友達とファミレス

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