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家を出ないで走ることについて考えた三が日の記録
年末に発熱し3日寝込み、元旦に解熱した。発熱時すでに心を固めていたのか、起き抜けに転職活動を行う。そしてそれ以降、咳をしながらむやみにお茶を飲み、ヒーターのそばでゴロゴロしている。
風邪とはいえ、もう6日の間地面を踏んでいない。ベランダからたまに見る外の世界は新鮮だ。太陽の光のあたる角度に春の兆しを感じる。年明けにくっきり見えていた富士山は、今日は雲が多くてよく見えない。はるか遠くには、観覧車のシ
映画館まで全力ラン!
いっけなーい!遅刻遅刻ぅ!
と、脳内でもう1人の自分が言っている。茶化している暇はない。全力で走らなければ映画に遅刻する。
子どもの頃からの習慣で朝ごはんを抜くことはない。気づけば、話題の映画の朝1番の回まで25分ほどになっていた。バスは来ない。私はバス停に背を向けて、映画館までの全力ダッシュを開始した。先ほど朝ごはんを食べたので、早朝とはいえ走るだけのエネルギーはあるのだ。
映画が早く観た
ふわふわと秋の道を走ってる
秋になって、また走るようになった。9月のよく晴れた日曜日、足は以前のランニングコースに向かった。夏の間、元気のよかったツクツクボウシの声はなく、涼しい風をまとって走ることのできる季節になっていた。ランニングをしていた頃からだいぶ間が空いている。重い身体を支えている足は、意外にも軽快に地面を蹴り上げていく。一連の動きと感覚は身体に残っているのだろう。そのことに少しほっとして、それからは、仕事の帰りに
もっとみる夏のノルディックウォーキング
真夏の日差しの下では、すべてのもののコントラストが浮かびあがって見える。生物も植物も、本来持っているものの本質を色濃くする、そんな季節のように思われる。中に妖精が入っていそうなクロアゲハの優美さ、黒いリボンのようなオハグロトンボのほっそりした儚さ、そうしたものと対照的な有象無象たちが太陽に焼かれている。美しいものとそうでないものは、今まさにその力を最大化しつつある太陽の下、ハッキリと振り分けられて
もっとみる三浦の坂道、自転車旅
学生の頃、遅刻をすることが多かった。卒業後、かなり長い年月が流れているにも関わらず、出席日数が足りなくて卒業できない夢を見る。夢の中で私は、その昔、隠れキリシタンが暮らしたという里山に建てられた大学の、急勾配の坂道で、大嫌いな先生に頭を下げている。そして、絶対絶命の窮地に立たされた状態で目覚め、もう私を縛るものは存在しないことを確認して安堵する。
その日は、そんな悪夢を見たわけではなかった。ワク
みんなが知りたいのは多分目に見えないもののこと
大人になってから、アニメが本当に好きになった。アニメ視聴をはじめたきっかけは、図書館司書をしていた時に出会った小中学生たちで、彼らの好きな作品を知りたいと思ったことからだった。図書当番の小学生は、返却された本のバーコードをスキャニングしながら、『魔法少女まどか☆マギカ』(2011)の面白さを語ってくれた。中学校の掃除時間を知らせる放送は、『荒川アンダーザブリッジ』(2010)のオープニングテーマで
もっとみる雑誌『モノノメ』で東京の湧水地「等々力渓谷」を巡る
雑誌『モノノメ』の都市特集「湧出東京」を読んで巡った東京の湧水スポットをレポートします。
今回は、東京23区内唯一の渓谷である等々力渓谷を谷沢川(やさわがわ)に沿って歩いてきました。
1.国分寺崖線の終わり、等々力渓谷
先日は、国分寺崖線の始まりである真姿の池湧水群を訪ねてきました。JR国分寺駅から歩いて15分という距離に湧水群があり、水路が張り巡らされていることは驚きでした。けれども、東京郊外