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あなたがいないこの街には

こどもの頃から
治らない私の性質のひとつ
一瞬でもダメだと思ったら
すべてがダメになってしまうこと


自己中心的でわがまま
わかっているのだ
29年も生きたのだから
わたしはきっと変わらない
変わる気持ちさえ見当たらない
身体だって言うことを聞きやしない


愛されないよう回避することだけが
私ができる唯一の特技だったのに
履き違えられてしまったのは大きな失態
だからごめんなさいと言い続ける
あなたが忘れてくれるまで

喫茶店でコーヒーを飲みながら
江國香織の言葉にただ夢中
寒いけれどあたたかい冬の時間

あなたがいないこの街には
わたしのしあわせな生活がある