マガジンのカバー画像

アイドルノススメ ~分断の時代~

26
アイドル冬の時代からグループアイドルの時代、日本の音楽史の変遷の中でアイドルというものが確立されていきます。様々な視点からアイドルという事象を掘り下げます。
運営しているクリエイター

#地下アイドル

千葉市中央区"SOGAご当地アイドルプロジェクト"への疑問

千葉市中央区"SOGAご当地アイドルプロジェクト"への疑問

Twitterで流れてきたご当地アイドルプロジェクトのお話。この手のロコドルの類は雨後の筍みたいに見てきたのだけど、甚だ疑問なところがある。地方活性のような単語が並ぶ中で、どうしてアイドルという発想が出てくるのか。

 

【千葉市の現状とは】

まず、地方活性を掲げている以上、千葉市、中央区の現状というのを把握する必要がある。千葉市のホームページより統計データを読む。

千葉市全体として見ると、

もっとみる
アイドル分断の時代 日向坂46の新曲に見る上流

アイドル分断の時代 日向坂46の新曲に見る上流

日向坂46の3枚目のシングル『こんなに好きになっちゃっていいの?』のMVが公開された。何度か繰り返し再生しながら思ったのは、これが上流の存在なのだということだった。

このnoteで繰り返しアイドルの分断について語っているが、インディーズや地下アイドルの状況について語ることは多かったが、上流について触れる事はあまり無かった。意図してたものではないが、どこかで読んだ人とコンテクストを共に出来る機会を

もっとみる
アイドルと田村ゆかりと桃井はること

アイドルと田村ゆかりと桃井はること

勘のいい声ヲタならこの2項目に共通するキーワードはすぐに出てくる。だが、反対にアイドルヲタクはそのキーワードが出てきても何のことか分からない、という現象がまさに分断の時代の認識となっている。

それは、中学生の頃、いわゆる投稿雑誌の1ページに載っていた真ん中分けのツインテールに魔法少女のようなフリルの衣装を着た子に目を奪われた。時代はアイドル冬の時代、水野あおいの姿だった。

(今見ると、STUの

もっとみる
アイドルと「本物」について考える

アイドルと「本物」について考える

 TwitterのTLで流れてきたこの記事。海外にてサッカーの監督養成学校に通う河内さんが書いた内容だが、web時代のサッカーと今後の日本サッカーの在り方について非常に鋭く批評した良記事である。これを読んで、少し思うところがあった。

「コンテンツ」と化したものを受動的に受け取るのは根幹への理解がなく、「本物」に触れる必要があると書かれている。読み砕くに、「自らの手でサッカーを作ってきた」=「本物

もっとみる
トークンエコノミーについて考えてみたら、ライブアイドルが実は最新型なんじゃないかと気付いた

トークンエコノミーについて考えてみたら、ライブアイドルが実は最新型なんじゃないかと気付いた

最新のテクノロジーとか手法で、何か解決出来ないかと考えるのが割と好きなので、トークンエコノミーとかフィンテックとかぐるぐる考えてた時に思いついた話だ。

少し話題になっていたが、承認欲求型のSNSは廃れるんじゃないかという話がある。今はみんな、いいねを押しているが、少しずつ疲れ始めていて、もっと自己実現的なSNSやクローズドコミュニティに変容するんじゃないかという話題である。

この2年くらい、重

もっとみる
「アイドルは成長の物語だ」というマーケティングに異を唱えたい

「アイドルは成長の物語だ」というマーケティングに異を唱えたい

実際にそんな話をしている分析の記事を山ほど読んだ。しかし、これに違和感を覚えるのだ。今、アイドル業界が突入しているフェーズは「成長の物語」だろうか?何も知らない子が花開く様と評するのであれば、開いた花は枯れ落ちるというのか。

 

【”分断の時代”への突入】

このマガジンの最初でも、アイドル業界というのが分断の時代に入っているという話をした。メジャーとインディーズ、黎明期のTIFで混ざりかけた

もっとみる
アイドルお金ないって言うけど、ざっくり何をすれば儲かるのか

アイドルお金ないって言うけど、ざっくり何をすれば儲かるのか

アイドルを検索すると、出てくるのはお金がない話ばかり。アイドル産業あれだけ右肩上がりと言われているのに、なんでお金のないアイドルが増えるのか。これはそもそもビジネスとして成立していないのでは………?と思ったので、ざっくり計算して行く。

例えば、月の手取りが15万円程度のメンバーが5人の地方アイドルグループだとして、事務所スタッフが正社員3人、月30万円程度で事務所も構えてて、という計算をすると、

もっとみる
アイドル運営本を読んでみた結果、マーケティングって大事だなと思った

アイドル運営本を読んでみた結果、マーケティングって大事だなと思った

『10年続くアイドル運営術~ゼロから始めた"ゆるめるモ!"の2507日~』を読みました。

ライターの大坪ケムタさんの文章は、なにせアイドルとプロレスで興味範囲がどっ被りしてるので、いつも読ませていただいております。大好きです。

ゆるめるモ!のプロデューサー田家大知さんが、割と赤裸々にここに至るまでに何が起こったのか、どういう心境だったのか、どんな試行錯誤をしたのかということを書いていて、同じく

もっとみる
アイドルが好きなら、ヘッドフォンは2つ以上買うのを勧めたい話

アイドルが好きなら、ヘッドフォンは2つ以上買うのを勧めたい話

これはアイドル文化を楽しむ上で、1つの楽しみ方を提案したいという記事である。

アイドルの楽しみ方というのは様々な楽しみ方がある。ライブに行くのもいいし、握手など接触を楽しむのも1つだ。その中に楽曲派と呼ばれる楽しみ方もあるが、ご存知だろうか。リリースされている楽曲に対して、メロディや歌詞、曲のアレンジなどを聞き込んでその素晴らしさを考える、という楽しみ方である。

アイドルの音楽というのは、時と

もっとみる
アイドルが売れるためには 〜歌の力は裏切らない

アイドルが売れるためには 〜歌の力は裏切らない

売れてるアイドルには理由がある、という話の第三弾。不可思議な話なのだが、何故か生歌信仰が異常に強いのは一体どういうことなのだろう。PAもどうしようも出来ないくらい各メンバーの声の大きさがバラバラとか、外の現場で声が抜けてこないとかあるくらいなら被せにすればいいのにとは思うのだけども。

アイドルと名乗るのであれば、最低限として歌って、ステージに立つということが基本となる。古い歌謡曲の中のアイドルを

もっとみる
アイドルこそ信用をお金に換える

アイドルこそ信用をお金に換える

少し視点の違う話を。まぁ、昨今の自己啓発本にありがちな「信用=お金」の話。あまりこの観点でアイドルというのを見ることはないと思うのだが、アイドルこそ信用をお金に換えるのではないかと考えてみる。

ライブが楽しい、顔がかわいい、愛想がいい、接触が出来る、好みの髪型である、いい匂いがする、期待を裏切らないetc………アイドルにおける信用というのは、そんなところではないだろうか。

今までの観点で言えば

もっとみる
アイドルが売れるためには 〜盛り上げるための術とは

アイドルが売れるためには 〜盛り上げるための術とは

売れてるアイドルには理由があるという話の第二回。パフォーマンスで盛り上げる術を知っている、ということについて触れていきたいと思う。

こんな経験はないだろうか。激しいギターリフやドラムに合わせて、メンバーは踊り、オイオイ!煽ってくるがどうも客席が乗っかってこない、微妙な空気感………おそらくやっている側もいたたまれない気持ちだろう。当然、これには複数の要因があるわけだが、いくつか上げていく。

【メ

もっとみる
アイドルが売れるためには 〜フィジカルとは身体言語である

アイドルが売れるためには 〜フィジカルとは身体言語である

前回の記事で、売れてるアイドルには理由がある、という話をした。今回はその中の1つ、【フィジカルを鍛えている】という話をしていこう。

黙って立っているだけでも分かる可愛さなら黙ってたって売れる。原宿の1つも歩けば声をかけられるだろう。だが、そうじゃないから、売れないのだ。フィジカルについて触れたのは大きく分けて2つの理由がある。

1.自分の体で表現をすることが出来るか

多くのアイドルがまずここ

もっとみる
アイドルになってどうしたいの?という真面目な話

アイドルになってどうしたいの?という真面目な話

アイドルになるってことは、接触があったり、対バンがあったり、運営がクズだったり、メンドルが声かけてきたり、まぁ色々あることくらい理解した上でなるんだろうと思ってる。今の子だし。

それが例えば、もう地方の田舎の農協と紐づいているような地産地消アイドルみたいな奴になるとなれば、本人はどこに目標を置くのかという話になる。1/10000みたいな確率だってNegiccoにはなれないかもしれないが、同じ確率

もっとみる