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(note創作大賞ミステリー小説部門)『敵は、本能寺にあり!』 第一章『蝶鳴く城』
【あらすじ】
『敵は、本能寺にあり!』
丹波亀山城に駭きし叫号から遡り、信長と光秀――そして彼らを取り巻く人々の二十六年を描く。
“本能寺の変”には『黒幕』がいた――。
戦国最大のミステリー“本能寺の変”の『真実』と、信長の隠し子が辿る戦乱の世の悲しき運命……。
幾つ屍を越えようとも、歩む道の先には骸の山が立ちはだかる。
『天下静謐』のため、身命を賭して闘った先に見えたものとは――。
史実を
『敵は、本能寺にあり!』 第二十七話『死を以て一分を立てる』
―1582年―
信忠は二歳になる嫡男 三法師と、側室 寿々と共に岐阜城で暮らしていた。
帰蝶の弟であり、信忠の側近となった 利治が、娘の寿々を側室入りさせたのは、三法師の養母とする為だ。
三法師の生母は公にされていないが、言わずもがな信玄の娘 松姫である――。
信忠と松姫は帰蝶の取り計らいにより、信濃の木曾谷にて逢瀬を重ねていた。
しかし両家の対立により、松姫が岐阜城へ輿入れする事は叶わず