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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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2021年3月の記事一覧

【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

今回は生活のバランス(作業バランス)についてお話しますね。

実はリハビリで大事なことのひとつは

生活の仕方

なんです。

生活の仕方で心身は変わるんです。

本題に入りますね。

私達の生活は以下のような要素で

構成されているとします。

生活の構成要素セルフケア(食事、排泄、入浴、更衣、整容)

生産活動(仕事・勉強、家事など)

余暇活動(趣味、休息など)

40代男性の生活バランス(

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【高齢期ケア・リハ】人生100年の楽しみ方

【高齢期ケア・リハ】人生100年の楽しみ方

寿命が伸びれば伸びるほど

生活障害(生活につまずきができる)

の期間が多くなる可能性がありますね。

たとえば下のグラフ

人生100年とすると以下の期間があるとします。

1.自立した生活が送れる期間
(いわゆる健康寿命)

2.少し生活に手助けがいる期間

3.かなり生活に手助けがいる期間

世の中の風潮1.自立した生活が送れる
(いわゆる健康寿命)

の期間を増やすことは重要ですね。

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【高齢期リハビリ】リハビリを望まないけどリハビリを受ける高齢者

【高齢期リハビリ】リハビリを望まないけどリハビリを受ける高齢者

望まないリハビリ訪問リハビリの現場では

リハビリを望まないけれども

リハビリを受けることになる方もおられます。

禅問答?

本人が望まないリハビリは

経験上、効果が少ない方が多いです。

本人が望まないとは

家族やケアマネさんの強いすすめで

渋々、リハビリに応じられる方です。

リハビリ自体が

魔法の手によって

身体がフッと良くなるなんてことはなく

やっぱり

リハビリは当人との

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【高齢期ケア・リハ】自ら動きたくなる活動を生活に取り入れよう

【高齢期ケア・リハ】自ら動きたくなる活動を生活に取り入れよう

90代の女性で

ひとりで近所の友人宅へ行ったり

庭の草引きをしたり

散歩したり

結構アクティブな方でがいらっしゃいました。

ある日

自分から動くことも

家族とお話することも

ぱったり途絶えました。

脳梗塞でした。

運動障害はないのですが

自発的に動いたり

周りに興味を示さなくなったのです。

どんなケア・リハが必要でしょうか?

ケアマネさんやご家族から

計算・音読など認

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【高齢期リハビリ】身体に触れるリハビリをしなくても高齢者は健康にむかう

【高齢期リハビリ】身体に触れるリハビリをしなくても高齢者は健康にむかう

高齢者のリハビリに携わって丸15年経ちました。

ここ数年は

身体評価とリスク管理、コミュニケーション以外で

ご利用者に触れることが少なくなりました。

身体に触れなくても

要支援、要介護の方は良くなっていくんだな

と最近よく思います。

作業療法士は
心身を自身や家族で管理できるよう促すこと

生活を工夫してご利用者と作り上げていくこと

できている生活を励ましていくこと

疾患や老化の

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【高齢期リハビリ】ほんとにあった怖い話

【高齢期リハビリ】ほんとにあった怖い話

自宅では伝い歩きで洗濯、料理ができる方



ショートステイ(特養への短期入所)では

車椅子移動に加え

なんと排泄介助までされてたそうです。

※家での生活や能力は在宅チームから

特養に申し送りしてたそうです。

完全な生活不活発病施設生活数日後、自宅に帰ってきた際

なんとかかんとか歩ける程度で

一時的に家事ができなくなりました。

ショートステイは家に帰ることが前提なので

少なくと

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【高齢期リハビリ】リハビリ効果を家で反映させるには?

【高齢期リハビリ】リハビリ効果を家で反映させるには?

通所で行ったリハビリは

仕掛けがないと在宅生活には

反映しないことが多いのではないでしょうか?

自宅でリハビリ効果が反映しない例たとえば①

施設では歩いてトイレに行ける方ですが

家では車椅子で移動している方。

理由は

日中、ひとり。転倒したらひとりで対処できるか

不安があるから。

そのため

在宅で万が一、転倒しても自己対処できる

環境づくりや心理的抵抗を減らす

仕掛けが必要

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【高齢期リハビリ】椅子って大事なんですよ

【高齢期リハビリ】椅子って大事なんですよ

訪問リハビリに携わってますと

椅子って大事だなとつくづく感じます。

現場でも椅子の選定にはものすごく

頭を使います。

たとえば座面がくるくる回る椅子↓

座って椅子を移動させられない方には

いいですね。

パーキンソン中期の方に勧めたりします。

↓こちらも座面くるくるのキャスター付

便利なんですが手を肘掛けに置きながら

よいしょと座ると

椅子が移動して座りそこねることがあります。

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【高齢期リハビリ】はじめまして作業療法士です

【高齢期リハビリ】はじめまして作業療法士です

作業療法士なんて仕事は

ほぼほぼ社会的に認知されてないんでは

ないでしょうか。

作業療法士?

「何のお仕事されてるんですか?」

と人に尋ねられたとき、

「作業療法士です。」

と答えると

「ああ、大変な仕事ですね。」

と言われることが多々あります。

私はザワザワっとします。

それは

わたしが抱いている職種イメージと

人が持っている職種イメージは

悲しいかな

ほぼ100%

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【高齢期リハビリ】悪いところは治していこう

【高齢期リハビリ】悪いところは治していこう

エアコン修理の技術者は

壊れているエアコンの部位を突き止めて

修理、調整、部品交換などを行います。

医師は

問診・各種検査から疾患を特定して

疾患に対して

あるいは

症状に対して

薬や外科治療などを行います。

※生活指導はちょっとおいときます。

還元主義このように

悪いところや不具合をみつけて

治す(直す)ことを還元主義と

呼ぶそうです。

リハビリにおける還元主義ではリ

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【高齢者リハ・ケア】できる感覚を育てる

【高齢者リハ・ケア】できる感覚を育てる

今回は自己効力感のお話です。

例えば、

エベレスト登れますか?

と聞かれたら

「いやいや、無理無理」

って答えますよね。

では

近くにある300mの山は登れますか?

と聞かれたら

「うーんしんどそうやけど登れそう。」

と答えることができます。

できる感覚
どちらも直面する物事に対しての

「できるかな。」

「できないかな。」

を判断をしてますね。

この

「できる(でき

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