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My-Mythology〜新しく綴りあげる神話の世界〜

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2021年4月の記事一覧

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 十話「ジョアンが仲間になる」

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 十話「ジョアンが仲間になる」

登場人物紹介

織田信長(おだのぶなが): みなさんご存知、尾張(おわり)生まれの第六天の魔王。この神話×歴史ファンタジー小説のなかでは、本能寺の変で天使に救ってもらう。一般人、一介の冒険商人となって一番のお気に入りだった黒人侍弥助(やすけ)をアフリカへ送り届ける旅を始める。

弥助(やすけ): 本能寺の変でも、最後まで戦い、信長を守ろうとした黒人侍。気は優しくて力持ち。明智勢に捕まったが放たれ、

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The Latest Mythology -vol.69-(note神話部週報)

The Latest Mythology -vol.69-(note神話部週報)

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【今週の神話】萌子さん/宇宙のタマゴシリーズ(太陽系編)より【詩】ポーチドマーキュリー太陽系惑星にまつわる神話をもとに作られた新たな詩篇を召し上がれ。今回は水星の作品をお届けします。小ぶりながらどこと

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『玉と石の神話15』
金剛は答えなかった。だが、琥珀の眼差しには確信の色が浮かんでいる。
「…旅の途中、気になることを聞いた」
試すかのような物言いに、金剛の片眉が僅かに反応した。誰かが見ていたとしても気づかぬ程度だったが、琥珀は見逃さなかった。
「火流の日が近づいていると…」

【詩】ポーチドマーキュリー (太陽系第一卵)

塩と酢を入れたお湯に
一番小さい星を入れ
はやる気持ちを抑えて
ゆっくりかき混ぜる
水流が生まれたならば
だんだんはやく
まわる
まわる
俊足のメルクリウスが
駆ける

卵が固まれば
お湯からすくいだし
日に照る
地表の衝突痕
この傷はモーツァルト
あの痕はダリとムンク
向こうに芭蕉と北斎も
どうしても先が知りたいのに
八十八の夜の後には
八十八の昼がつづく

艶を湛えて
世界を見ている
私が小さ

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【詩】ナマタマゴヴィーナス (太陽系第二卵)

とろり
艶のある軌道で
追い越していった
欠けては満ちる
地球のふたご星
恋焦がれる
天と地を結びつけ
孕んでいるのは


安易に
触れてはいけない
黄金のアフロディテ大陸に
硫酸の雲が立ち込める
マアト山へ
天から降る雨が
すべてを溶かすことすら
気高く確信的で
官能的な気まぐれ

宵の明星は愛
天から地への贈りもの
明けの明星は美
地から天への捧げもの
何度となく繰り返される
調和
万物は微

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【詩】スクランブルマーズ (太陽系第四卵)

ぶちまけられた
フライパンの上で
卵液は固まり
欲が
燃焼する
ちりちりと
錆びた香りの風が吹いてくる
赤茶色の
粉塵と共に

干上がり型取られた
胸中の槍は
なけなしの
熱情と破滅
力をどう使おうか
軍神アレスよその手を重ねて
いま、交える想いで
創りたい呼吸がある
やっと誰かに尋ねられる

いつだって否定は
輪郭をくれる
心地良い緊張感
漲る時間
さあ
ゲームを続けよう
見てみませんか社会

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【詩】ジュピターオムレット (太陽系第五卵)


回転するガスの塊
界隈最大にして
磁場も最強
呑み込まれて
赤い斑か白い斑か

最高神は
惑星になってもなお
愛妾を衛星に携え愉悦に浸り
道楽の最中、探査機が
正妻の名をして送り込まれ
繰り返される喜劇
 
ゆるやかな渦
拡がりと大きさが
存在を包み込んで
容認してくれる
単純な心地よさのようで
深い許容を知る

はてしない渦
回転するガスの塊
含み込まれて
一雫が微笑の傍を滑り落ち
玉座に身

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【詩】サターンサイドアップ (太陽系第六卵)

闇の天板へ
ただ割るだけでいい
二十七度傾いた目玉焼き
天頂には六角形
氷のつぶが
幾重にも連なり
すき間を湛えて
環を描く
世界はすべて
空隙、から生まれた

翁(ときに嫗)が仲介する
クロノスの異界において
迷ってしまわないように
最高を弱め
最低を強めし
サスティナブルな
愛の鞭
メンテナンスの発動は
二十九年間隔

信じがたいけれど
この目玉焼きは
水に浮かぶ
だから
信じがたいけれど

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【詩】オーバーイージーウラノス (太陽系第七卵)

冴える
蒼い視界
氷の惑星は
とめどなく
半熟で
横倒し

既存を超えて
次々つながる
倒錯の舞踏会
回れ、アリエル
踊れ、ミランダ
華やぎ飾れ、ティターニア

あなたはわたしの隣にいるが
ここにいる我々だけが
あなたとわたしなのではない
星がきらめく空から
すべてのあなたを見てごらん
横転と飛躍は同義
独立は変革の卵
あなたはあなたのオリジナル

冴える
電磁の波
うしろの正面は
斜めから試して

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【詩】フローズンネプチューン (太陽系第八卵)

漂う
幻想の海原に
吹きすさぶ
時速二千キロメートルの風
静かな藍色を湛え
逆行衛星トリトンが昇る
氷の波間を
夢が漂う

波打ち際は無い
ただ海が揺れている

無意識が満ちて
みんなで
おなじ神秘に手を浸す
触れる冷たさは
芸術
吸い込まれ
忘我

夢から戻り
掌に
掴んだ氷の一粒を眺めれば
さらに小さな結晶が
集まって氷になり
掌に
さらに小さな細胞が
集まって私になり
掌が
さらに小さな私た

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【詩】卵胞プルート (太陽系外縁卵)

小さな二重天体の軌道は
外界との接点をなぞり
オールトの雲を横目に
大きな輪を描いて巡る

衛星カロンは
三途の河の渡し守
冥王ハデスは公平に
息をひきとる
すべてのものに
等しく触れる終止符
安らかなるかな
生ける君

誰でもひとつ持っている
異界への穴
誰でもひとつ持っている
静かな虚無
誰でもひとつ持っている
未知への兆し

終わりがあるから
始められる
新しく
つくりかえられる

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【詩作品集】宇宙のタマゴシリーズ(太陽系編)

【詩作品集】宇宙のタマゴシリーズ(太陽系編)

(本シリーズの詩は、各惑星について図鑑等で調べ、関連する神話を読み、西洋占星術の見解を踏まえて創作しました。)

水星

金星

地球

火星

木星

土星

天王星

海王星

冥王星

・・・太陽(制作中)

・・・月(制作中)

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ぜんぶ好きです。
宇宙も、神話も、星読みも。

それぞれの惑星の振動を感じられたらなと。

個人的なハイライトは
木星jupiter(最高

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すべては作品の利益のために【エッセイ】

すべては作品の利益のために【エッセイ】

創作活動にインプット/アウトプットの作業があることに異議を挟む人はいないと思う。
最近自身が作品を発表できていないのはインプットに勤しんでいるから、と言えば言い訳に聞こえるかもしれない。
ただインプットというものはなかなか困難な作業である。脳に語を入れる、文を入れる、物語を入れる、発想を取り入れる、くらいならさほど手間にもならなそうだが、インプットするものが新しい概念だったり、肌に馴染みのない思想

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