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「この子は地頭が悪いから無理」が子どもに与える負の影響。ビリギャル・小林さやかさんインタビュー後半

「うちの子は頭が悪くて」「どうせお前はやっても無理」。子どもにこんなことを言っていないでしょうか?親や学校の先生など、周りの大人が子どもにかける言葉は、想像以上に子どもの”自己像”に大きな影響を与えることに。ビリギャル・小林さやかさんインタビュー後半では、周囲からの声掛けの重要性について考えます。

「地頭がよかったから慶應に受かった」は本当か

高校1年生の夏休み、偏差値30だった小林さやかさん。エスカレーター式の大学に進学することが可能な学校に通っていたものの、成績不振、素行不良で内部推薦をもらえず、高校を卒業したら働くつもりだったそうです。そんんな小林さんが、近くの個人塾で塾長をやっていた坪田先生との出会いから、慶應大学を目指すことに。3年生の2月、無事に慶應に合格した話は、ビリギャルとして注目を集め、書籍化、映画化と、社会ブームを巻き起こします。

ビリギャルとして公演活動をするなかで、小林さんがたくさんの人に言われたことが、「もともと地頭がよかったから慶應大学に受かったんでしょ?」ということでした。これは、今回の記事がYahoo!に載った時も、同じようなコメントがたくさんつきました。それについては、記事前半のnoteについて書いたので、ここでは省略します。

小林さんがインタビューの中でお話されていたのは「父親からも学校の先生からも、お前は頭が悪いから大学なんて合格するわけがない」ということ。でも、合格したとたんに、逆に「お前は地頭がよかったから受かったんだ」と、真逆のことを言われるようになったのだとか。これを言われたらショックですよね。寝る時間を削って努力し続け、挫折しそうになってもなんどか乗り切ってつかんだ成功なのに、まるで「大した努力をしなくても元々頭がよかったから受かったんだろう」みたないい方をされたら、怒りを通り越して、人間不信になりそうです。

講演会活動から10年たって思うことは、小林さんがかつてまわりの大人にいわれていたように、講演会などで「地頭がよかったから受かったんでしょ? うちの子は地頭が悪いから無理」という大人がたくさんいること。そしてその横に、それをうつむいて聞いている子どもがいるということ。

ピグマリオン効果とゴーレム効果

記事の中でも書きましたが、子どもは周囲の期待に沿って自己像を決めてしまうほど、周りからの言葉がけに敏感です。いい言葉をかけてあげればそれに合わせて頑張るし、否定的な言葉をかけ続けられたら、自己肯定感が下がり、やる気をなくし、挑戦すらしなくなります。これは心理学によるピグマリオン効果とゴーレム効果といいます。

ピグマリオン効果を取り入れた保育園「天才キッズクラブ」

記事の内容とは少しずれますが、以前私はこのピグマリオン効果を教育に取り入れて実践している保育園「天才キッズクラブ」を取材したことがありますが、言葉がけは大人が思っている以上に子どもに大きな影響を与えます。この時は、さかだちがまったくできず、保育園にもなじんでいなかった転入生の女の子が、わずか30分程度の練習の中で劇的に変化する様子が見られ、園児も先生も大きな歓声に包まれたことが印象的でした。

もし、今子どもがいたら、普段自分が子どもに対してマイナスの声掛けをしていないか、自分の言葉をチェックしてみてください。子どもは気にしていないように見えて、意外と親の言葉から影響を受けています。

子どもの自己肯定感が低いのは、子ども自身の責任ではなく、親やまわりの大人の責任かもしれません。もっといえば、子どもだけじゃなく、親自身も、自分の話す言葉に支配されているところもあります。それくらい言葉がけは重要です。今一度チェックしてみてください。

小林さんの記事は、受験生の親はもちろんのこと、子育て中のパパやママにも読んでいただければ幸いです。

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(坪田信貴)
『ビリギャルが、またビリになった日 勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで』(小林さやか)
『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』(小林さやか)

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