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やらせない、教えない、無理強いしない「天才キッズクラブ式最高の教育」

「天才キッズクラブ」は、逆立ちして歩ける園児や四字熟語を読める園児、英語の単語やフレーズを覚えている園児など、スーパーな才能を持った園児がたくさんいる保育園です。私はこの保育園の見学に行きました。保育園に通う園児たちは、スパルタ的な教育を受けているのでしょうか?
真逆でした。「子ども一人ひとりに注目して、できたところを言葉に出して伝える。それだけで子どもたちは自信をつけて、持っている以上の能力を発揮することができるのです」と語るのは、理事長の田中孝太郎先生。見学中、とても印象的なできごとがありました。「天才キッズクラブ」の一日を紹介します。

「天才キッズクラブ」の教育が一冊の本になりました。



天才キッズクラブ式最高の教育「やらせない、教えない、無理強いしない」

見学に行ったのは、小田急線新百合ヶ丘駅そばにある「天才キッズクラブ」。川崎市の認定保育園で、現在、川崎と横浜で15園、都内1園、兵庫県尼崎市1園の計17園があります。

この保育園で大事にしていることは「やらせない」「教えない」「無理強いしない」こと。

理事長の田中孝太郎先生は「子どもたちの指導はするけど、上から言わない。常に子どもたちがどういうふうに声をかけたらやりたくなるかを考えている」とのこと。

ほかの保育園の先生にも「どうやって子どもたちに逆立ちなどを教えているんですか?」と聞いてみたら、「まず最初にやりたい子をやらせていくこと」がポイントだと教えてくれました。

「先生からの声かけで逆立ちをしてみたい子たちが練習を始め、その横で見ている子もいます。子どもたちは、練習している子が楽しそうにやっている姿を見て、やりたくなったら自分も参加する。入りたそうにしているけど、なかなか入らない子は『チャレンジしてみたら?』など、その子の性格に合わせて、タイミングを見ながらそばにいる先生が声をかけています」とのこと。これで徐々に輪にくわわり、途中から全員が参加することになるのです。

まさに今日、そんな一コマに立ち会うことができました!

「ブリッジ→起き上がる」がうまくできなかった女の子

見学に行った日、年長さんクラスの子どもたちは逆立ち歩きの練習をしていたのですが、クラスの中にはみんながブリッジ→起き上がるという練習をするなか、やらずに見ている子もいたのです。見学していた子たちは徐々に練習に加わっていったのですが、その中で一人の女の子がなかなかみんなのようにうまくできない。その子は、最近入園したばかりで、まだ運動に慣れていなかったそうです。

練習を見ていた理事長の田中先生が他の先生に「ちょっとマットを持ってきて頭のところを高くしてあげて」と伝えて、床との間にちょっと段差ができたのです。その結果、その女の子は自分一人でみんなと同じ動きができるように!

女の子は、1回できたら自信をつけたようで、どんどん自分で練習してあっという間にみんなに追いついちゃいました! 見ていたこっちがびっくりです!!

さらに「がんばった人」ということで、先生がその女の子をみんなの前で誉めてあげて、一緒に遊んでいた子どもたちから「おめでとうーーー!!」の大合唱😆

そして、がんばっている子をたくさん応援してあげた子も表彰してあげていました。

横で聴いてた自分が祝福されているような気分になって、なんだか私までとっても嬉しくなりました!

※たぶんブリッジから起き上がる、という運動だったと思いますが、いろいろな運動をやったので記憶が曖昧です😅

逆立ち歩き、マラソン、跳び箱の練習に夢中

そんなわけで「天才キッズクラブ」の子どもたち、3歳くらいからみんな逆立ち立ち歩きができちゃうのです!逆立ちできるだけでもすごいのに、歩けるって……すごすぎ! 

運動は毎日やるそうで、逆立ち歩きの他にも、マラソン、跳び箱などの練習をしています。体操の先生は週1回、外部からの指導者を招き、ほかの日は担任の先生が子どもたちを指導しています。

「目線の位置、手をつく位置、ブリッジから起き上がる時の重心の掛け方、足を置く位置を変えるだけで、今までできなかった子たちもできるようになるんですよ」(先生)

フラッシュカードを使ったかるた遊び

運動のほかにも、漢字やことわざ、四文字熟語のフラッシュカードを使ったかるたあそばをしました。フラッシュカードは、漢字や四文字熟語を先生が読み、子どもたちが復唱して文字の読み方や意味をどんどん覚えていくというもの。

このフラッシュカードを床の上に並べて、先生が読み上げ、子どもたちが「はい!」と取っていくわけですが、子どもたち取るのがかなり速い!

午前中やったカードカルタは、カードに「救急車」などの単語が漢字が書いてあり、先生が「きゅうきゅうしゃ」といったら、その漢字カードを取るというものですが……。

途中でなんと「ambulance」と英単語になったりするのです!さらに日本語の逆読み(しゃきゅうきゅう)や英語の逆読み(ファンビュランス→スンラビュンファ?)、さらには「カードの端っこに書いてある数字を足したり引いたりした答え」なんていうのも入ってきて……いやもう「参りました状態」。

大人も混ぜてもらって、大人チーム対子どもチームでやったのですが、大人が本気でやったのに負けました!! ちなみに、私は1枚も取れませんでした😭

フラッシュカードで上手に遊ぶコツは?

フラッシュカードは、「くもん」のカードを使っていました。担任の先生たち、このフラッシュカードをとてもテンポ良く読み上げていたのですが、コツはあるのか気になったので聞いてました。

「テンポよく、リズミカルにやっていくと子どもたちは覚えやすいですね。「あ」はあの形、絵文字のようにみせているだけでいいんですよ。保育園では、朝の会、帰りの会、給食の食べる前など、ちょっとした隙間時間を使ってやっています。1つのカードで2、3回繰り返し、カードを変えて最低3種類くらいやります。

子どもによっては自分が覚えた言葉は誰よりも先に答えたいという子もいます。早く答えることで自分に自信がついてくると、今度はみんなと揃えることを意識するようになります。そうなると、よりリズミカルに、楽しく言えるようになります。

ポイントは先生が楽しくやること。先生がやらなきゃいけないと思うと、子どもにもプレッシャーになってしまうので、大人が楽しむことが大事です」(先生)

私も自宅でカードを使って、子どもと一緒にやってみようかな。この日一緒に行ったうちの子は、5歳児クラスでやった四文字熟語は1枚も取れずしょげていましたが、4歳児クラスでやった絵メインで漢字が小さく書いたカードは初めてにもかかわらず何枚か取れたので楽しそうにやっていました。カードの種類や難易度は、最初はやさしいものから始めるといいと思います。(ちなみに、私は4歳児クラスでも1枚も取れませんでした😭)

友達のいいところに目を向ける「ピグマリオンミーティング」

「天才キッズクラブ」の朝の会を見せてもらったのですが、毎日「今日のハッピーちゃん」というのが行われるそうです。これは、前日に先生がホワイトボードに、クラスの一人の子のいいところをたくさん書いてあげる。朝の会で読み上げる。さらに、聞いていた子どもたちに「今日のハッピーちゃんに選ばれた〇〇ちゃんのいいところはどこですか?」とインタビューをします。まわりの子たちは次々に思いついた言葉をいい、それによって「今日のハッピーちゃん」の性格やいい面が見えてくるというもの。ちなみに、「今日のハッピーちゃん」は毎日交代で、クラス全員が順番になれるそうです。

ところで、なぜこのピグマリオンミーティングを取り入れているのでしょうか?

「人間は嫌なところばかり目につきやすいもの。そんなとき、いいところをみてあげる癖がつくと、たとえいやなところがあってもお互いの性格もいいところもいっぱい知っているから、喧嘩しても大人の仲裁なしに喧嘩を収めることができるようになるんですよ。

たとえば、2人の子どもがぶつかっちゃいました。あなたが悪い、いやあなたでしょ? と揉めているときに仲裁役の子が出てきて、『わざとじゃないから謝ればいいんだよ』というのです。

本来なら、先生が入って『どうしたの?』と話を聞いて和解することが多いのですが『なにがあったの?なんでこうなっちゃったの?こういうときはどうしたらよかった?』と、子どもたち同士で問題解決できちゃうのです」(先生)

保育園児の問題解決能力、高すぎてびっくりです!!

相手のミスを責めなくなる「パチパチ40」

ほかにも、「ミスしても大丈夫だよ」というマインドに変わってくる「パチパチ40(フォーティー)」というのもやっていました。

「人は、他人が失敗したときついミスを責めたくなることがあります。でも、ミスしたらいけない、怖いと思ってしまい、ミスすることを怖がり、なにもできなくなってしまうことがあります。逆に、ミスを責めないことによって、楽しくなれます。また、子ども先生も来るのも楽しくなます。
多くの会社はミスを責められてメンタルをやられてしまいます。子どもの時からミスを責めないということを学習すれば、大人になってからもそのマインドが続きます」(先生)

なるほどーって感じです!!とても大事ですよね。つい私たち大人は、相手がやったミスを責めて、認めさせて、反省させて。それが次のミスを防ぐことにつながると思いがちですが、それだと責められたほうは萎縮してしまうし、場合によってはメンタルがやられてしまう。

その人が持っている能力を引き出すためには、ミスを責めるよりか、どうしたらミスが防げるかをみんなで考えて、その体制づくりをしていくこと。それによって、その人が「助けてもらった人たちのためにもがんばろう」と思い、モチベーション高くがんばれる……ということなのかもしれません。

「メチャ怖アパレル社長」だった過去

子どもたちに大人気で、17園ある保育園のどこに行っても園児から大人気の田中孝太郎理事長ですが、実は以前は保育園運営をする前はアパレル業界で働いていたといいます。しかも、かなり怖い社長さんだったとか😱

「28年前、アパレル会社の社員として働いていました。入社1年目は、ど素人でまったく売れませんでした。がむしゃらに働き、2年目以降に徐々に売上が伸びていきました。アパレル時代は怖い社長で、ついてこれない人間はやめていきました。会社はそれなりに成長したけど、切り捨てる人も多かった。能力が高く、根性があるやつだけが伸びる。そんな人材育成をしてました。

その後、アパレル事業で倒産を経験しました。そのとき思ったんです。自分は何をやってきたんだ。自分は仕事ばかりだった。

私には4人の子どもがいます。仕事から頭が離れた時、ふと家族のこと、子どもたちのことに目が行きました。そこで塾、学校のやり方に疑問を持ち始めたのが、今の保育園を作るきっかけとなりました。そのときに出会ったのがヨコミネ式教育です。もっと子どもにこのいい環境を与えられていたら子どもたちは変わるだろうと感じたのです。

幼児教育は、6歳まで教育は人間のベースになるものが育つ時期で、この時をどう過ごすかがとても大事だと言われています。もし、本気でこの社会を変えていこうと思ったら、幼児教育から始めるべきなんじゃないかと、そう感じたのです」

今まで企業でたくさんの人を使って仕事をしてきた経験があるからこそ、「厳しくするだけでは人は伸びない」と感じたのかもしれませんね。

スパルタの真逆、人への応援、応援チャンピオン

今朝の、ブリッジができなかった女の子について、田中先生はこんなことを話されていました。 

「今日は、5歳児クラスの女の子にスポットライトを当てました。今日の出来事は彼女にとってすごく大きな意味があったと思います。  

あの女の子はブリッジから起き上がることが難しかった。だから、少しマットを高くしてあげた。そしたらできた。できたらほめる。チャンピオンになった。みんなの前でできるようになった体験を、みんなでほめてあげる。ほんの少しサポートしたことで、彼女は『できた!』という自信をつけた。あの子は、あっという間にほかの子に追いついちゃうよ。

僕は、絶えず『どうしたらこの子どもたち全員を伸ばせるかな』ということを考えています。そんなときは、一番大人しい、元気がない子、自信がないかを伸ばします。その子が自信をつけてきたら、クラス全員が影響を受けるから」

よく、文武両立というと「無理やりやらせているんじゃないの?」と思う人もいますが、「天才キッズクラブ」では、スパルタの真逆をやってます。

「子どもたちは楽しいから自主的にやる。やるからできる。自分たちで創意工夫する。それをみんなで応援してあげる。応援してあげることで、チームワークがよくなる。友達のことを認めてあげられる。人を応援するのって、大事だよね。

道徳が大事というけれど、それが大事だと実感できるためにもいろんな体験が必要。人を助ける、応援する。実体験が大事。体験の中で道徳の大切さを実感する。人の応援をしてよろこびを感じる」(田中先生)

5歳児クラス。これまで読んだ本は1600冊以上

「子どもは楽しく学び、気づいたら漢字が読める、英語がわかるようになっています。気がついたら本が好きになっているんです」(田中先生)

実は、「天才キッズクラブ」では、読書ノート」というものをつけていて、日付と読んだ絵本のタイトルなどをずっとノートに記録しているのです。一番たくさんの本を読んだ子は、これまでに1600冊以上読んでいるそう。

「0、1才からの環境づくりはすごく大切です。言葉のシャワー、歌を伝う、絵本を読むことをとても大切にしています。

(参考)

「経済格差は子どもの学力に影響する」の本当の理由 【 内田伸子教授インタビュー前半】

言葉のシャワーでいえば、先生たちが子どもたちの名前を覚えて呼んであげることもすごく大切です。名前を呼ぶ。子どもが返事をする。慣れない頃は、子どもによっては返事をしない子もいます。でも、怒らない。たまに『はい』と返事をするとそれだけでほめられる。 

名前をたくさん呼んであげるとみんながその子のことをおぼえる。全員が全員の名前を覚えることで、記憶力が伸びる。脳の神経回路シナプスがつながると記憶力が飛躍的に伸びる。1歳で歌を100曲覚えたら、その子は全体の能力がぐんと伸びる。知的好奇心が刺激され、なんでも意欲的に取り組む。その結果、気がついたら学習だけじゃなく、体操なども大好きになっているのです」(田中先生)

ちなみに、名前を覚えるコツは、自分自身が覚えるまで徹底して毎回フルネームでその子のことを呼び続けることだそう。私は全然人の名前が覚えられないので、この方法で頑張ってみようと思います。

全く違う業態でスタートするときに気をつけたことは?

今日の見学のランチどきに田中先生への質問としてでたものです↑

田中先生の回答は?

「徹底的に子どもが最高な環境にできたら誰も文句を言わない。一途にその道を極めよう。アパレルは、心もピカピカにしてあげたら喜ばれる。シンプルなものを、誰にも負けない。唸るくらいやる。そしたら口コミが生まれる。保育園も同じ。徹底して子どもと向き合い、その道を極めたら子どもたちがどんどん変化していく。それを実感した子どもたちの親から感謝されて、自分はやりがいを感じる。

うちの園はけっこうな量の運動を取り入れているため、転んで擦り傷ができることもある。それでも子どもたちが変わってきたら親も興味を示して、より理解しようとしてくれる。なにをやっていてもけがをするときはする。そこで過敏になっていたら何もできない。もちろん最新の注意は払いますよ」(田中先生) 

自分で意欲的に学ぶ姿勢がつくことが大切

田中先生の言葉が続きます。

「いわれたことしかできないのはだめ。臨機応変にできるカルタは道徳的にもいい。いくつになってもなんでもできる。自信を持ってチャレンジして欲しい。目的を世のため人のためであればブレることがない。保育園も学校も、大人たちの環境が悪いところでは育たない。子どもたちのためにもいい環境を、いい教育を」(田中先生)

他の子の活動が刺激に。初めてでもできた!

今日初めて参加した保育園見学会ですが、丸1日滞在させてもらい、私自身、大きな刺激を受けました。一番の感想は、子どもの可能性を引き出すのって、ものすごく楽しそう!ということ。

うちの息子も見学に参加させてもらったのですが、午前中はみんながマット運動をやるのを横で見ているだけでしたが、午後は跳び箱やかるたにも積極的に参加して、夕方にはマット運動を自分から始めました。そして、なんと立ったまま手をついて1回転、そのままブリッジ(うまく説明できません😓)ができました!

いきなりそんなことができるんだ!と思ってびっくりです!!

自分と同じくらいの子どもたちがやっているのを見て「自分もできるかもしれない。やってみたい」と思ったようでした。まわりの環境って大事ですね!

「また見学に来ていいよ」ということなので、参加させてもらえればと思います。田中理事長との出会いから1年。「天才キッズクラブ」の教育を1冊の本にまとめました。よかったらお読みください。子育て中、ついイライラして子どもを叱ってばかりでうまくいかないというママはもちろんのこと、子どもの本来持っている力を伸ばしてあげたいという場合にも、とても役立つ一冊です。なぜなら、行動を変えるのではなく、子どもの心に訴えかけるから。言い換えれば「子どものやる気を引き出す」そんな工夫が詰まった一冊です。

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