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「国内外を自由に旅したい」フィリピン人英語講師の願い

「英語でインタビューができるようになりたい!」という思いから、セブ島にある英会話学校QQ Englishの先生たちにオンラインの授業を通じてインタビューしていく企画を立てました。今回は、6歳の息子が担当しているFamous先生を紹介します。現在22歳ですが、彼は子どもと接するのが得意で、旅行が好きで、フィリピン国内をいろいろ旅しているようです。彼の日常に迫ってみました。

彼が英語教師になったのは、両親の勧めがあったから

「お母さんに、あなたは警察官か船乗りか教師になりなさいといわれたんだ」。彼になぜ語学学校の教師になったのか尋ねたら、こんな答えが返ってきた。

自分としてはシェフになりたかったんだけど、調理師の学校にいくのにはたくさんお金がかかる。だから行けなくて。船乗りは好きじゃない。警察官は危険。だから教師にしたんだよ。親戚で何人かが教師をやっているからね。お父さんもお母さんも教師だったらいいよといってくれたから、それで英語教師になったんだ

親が子どもに勧める職業は、国を超えてどこも同じなのかも。

実はダンスや絵画が得意! ダンス写真を発見

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彼は、大学では中等教育のMAPEHを専攻していたそう。このMAPEHとはフィリピン独自の教科で、内容は音楽、美術、保健体育がひとつになったもの。「Music, Arts, Physical Education and Health」の頭文字をとったからMAPEHというそうです。

彼はダンスがうまくて、絵を描くのも上手。この間、彼の学校で先生たちがバレンタインイベントをやっていて、彼はとても上手に踊っていました(彼は内緒にしていたけど、私は学校のHPで彼が踊っている姿を見つけちゃいました!)。絵も上手で、学生時代に何度も表彰されたことがあるそうです。私はまだ見たことがないから、今度彼に頼んで見せてもらいたいな。

日本でもフィリピンでも、長男長女はなにかと大変

彼は3人兄弟の一番上。下に妹が2人います。一番下の妹は今4歳。両親とは離れて暮らしています。彼に実家の写真を見せてもらったけど、動物をたくさん飼っていて、とても賑やか。お父さん、お母さん、妹2人と、とても仲良しで楽しそう。ところで、彼はいつもほとんど休み時間を取らずに働き続けています。なぜ?

「たくさんお金を稼がないといけないんだ。妹2人いるからね。一番下の妹はまだ4歳だし、これからお金がかかってくる」

長男長女はなにかと大変。とくにフィリピンの場合は、妹や弟の学費を一番上の子が稼ぐことになるから、休んではいられないのかもしれない。親も、一番上の子の学費は出してあげられても、2番目、3番目となると、学費を払えない。だから上の子が働いて家族に送金するのでしょうね。

学費は自分で稼いだほうが身になる

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彼は、大学生の頃、昼間働いて学費を稼いでいたそうです。学費は半年で2.4万ペソ(日本円で4.8万円)かかるから、分割して月4000ペソ払うのは、なかなか大変。

大学進学にお金がかかり、その費用をどうするかというのは、日本でもフィリピンでも変わらない問題かも。私も学生の頃、学費は自分で払っていたけど、親に出してもらうよりも自分で払った方がいいと思う。学びたいことがあったら自分でお金を払ってこそ身につくもの。

自然豊かなフィリピンの名所を訪れるのが趣味

彼の趣味は旅行。フィリピン国内でいろんなところを訪れているそうです。「一番楽しかったところはどこ?」と聞いたら、「ルソン島にあるボントックだよ」と教えてくれました。

ボントックとは、世界文化遺産のフィリピン・コルディリェーラの棚田群へ続く重要な町のひとつ。町にはボントック族が5000人住んでいて、ボントック族の特徴として、首狩り、巨石記念碑の建立、頭蓋崇拝、生贄など、ちょっとおどろおどろしい文化があります。彼はここで腕にタトゥをいれてもらったそう。

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ちょっと痛そうな感じがしますが、大丈夫かな?

「I think tattoos are a way to express yourself without words. Without having to explain yourself, people can look at your tattoos and see who you are. 」

彼は、「タトゥーは言葉なしで自分を表現する方法だと思います。自分を説明する必要なく、人々はあなたのタトゥーを見て、あなたが誰であるかを見ることができる」と語ります。

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手付かずの自然が残る離島、バンタヤン島へ

彼は、時々山に行ったり、海に行ったりしていて、とても楽しそう。

「チームビルディングのために、語学学校の仲間たちと一緒にいろんなところにでかけるよ。この間はバンタヤン島に行ったよ」

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バンタヤン島とは、セブ島の北西部、ヴィサヤ海の離島です。保護地区に指定されていることから、ほとんど手を加えていない自然豊かな地域です。

「砂浜が白くてきれいだよ。もし、今度あなたが息子君と一緒にセブに来たときは、バンタヤン島に行くといいよ」。彼はそうおしえてくれました。セブ島付近には、いろんな島がいっぱい。ボホール島、カオガハン島。どれも魅力的。

新しい文化を知り、良さを発見するのが旅の醍醐味

なぜ彼はそんなに旅が好きなのだろう。彼に聞いてみた。

「I like travel to meet a new friends and to see their leaving and there culture.」

「旅は新しい友との出会いをもたらしてくれる。彼らの暮らしや文化を見るのが好きなんだ」と彼は教えてくれました。旅を通して、いろんな人や文化に触れることで、彼の好奇心は満たされ、そしてまた新たな旅へとつながっていくのかもしれない。

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日本やヨーロッパ、アメリカなどにも行きたい。だけど……

彼は旅行が大好き。フィリピン以外にも、日本や韓国、ヨーロッパ、アメリカなども行ってみたいそうです。でも、お金が高いからいけない、と。もっとたくさんお金を稼ぐために海外で働いてみたいという気持ちもあるといいます。ただ家族と離れて暮らすのは寂しい。

海外で働きたいなら、会社の海外留学派遣制度に応募したらいいと思う。個人で海外に移住し働くのは、なかなか難しい。勤務時間や給料、待遇面での交渉も個人だとうまくいかないことがある。でも、大手の会社だったら間に会社が入ってくれるから交渉だってしやすい。そう思って彼に言うけど、彼は「いや、無理だよ。できない」と。

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そんなとき、私は残念に思う。やらないうちからだめだと決めつけていたら、行動の範囲が狭まるし、チャンスを逃す。やってみてだめだったら、また別の方法を考えればいいから、まずはやってみたら? と思ってしまう。

もし、彼がいつも使っている言葉を変えたら、彼は海外に行くチャンスをつかめるかもしれない。そして実際に行けるかもしれない。私は、彼がどうやったら夢を達成できるのか、海外旅行にいけるのかを、いつもいろいろ考えています。

夢を叶えるビジョンボードを活用。「いつか渋谷に行ってみたい」

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彼は「日本に行ったら渋谷に行ってみたい」といっていました。だから私は彼から1枚写真を送ってもらって、合成写真を作ってみました。自分が叶えたい夢を写真を使ってイメージを明確にする、いわゆるビジョンボードです。彼が夢を達成して東京に遊びに来たらいいなと思います。

子ども相手の仕事は大変。でも、彼にはとても合っているのかも

現在、息子は週3回、25分間の英会話レッスンをオンラインで彼から受けています。彼は子どもの相手をするのがとても上手。私は息子が授業中ふざけてばかりいたら怒っちゃうのに、彼は「えーん、えーん!息子君が先生の話を聞いてくれない」と泣きまねを始めます。

それを見た息子は「teacher sorry」といってふざけるのをやめるんです。息子が英語の授業を受けたくないときに、寝たふりをしたり、怒ったり、泣きまねをすると、彼は「先生と約束しよう。寝ない、怒らない。泣かない」といってなだめてくれます。

彼は、教育番組のお兄さんみたいなオーバーリアクションをしながら息子の相手をしてくれるから、息子は大喜び。

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英語+それぞれの得意分野を活かす方法は?

いろんな先生がいるなかで、彼の子どもへの接し方はずば抜けているとおもいます。なんだったら、英語教師のあとは、幼児教育の教材に「お兄さん役」で出るか、YouTubeで子ども向け英語クラスをやるのもいいと思う。

学校でクリエイターチームを作って、先生たちが得意分野で英語チャンネルを開設するなんていうのもいいかも。そして、自分の対象の生徒に英語を教える。先生は幼児教育チャンネル、ある先生はダンスや絵画レッスンチャンネル、トラベルチャンネルもいいかも。

語学学校のHP上で各部屋を作り、誰が一番になれるかを競うゲーム。

そんなふうに、「英語+それぞれの才能を活かす方法」を考えたら、もっと教えるのが面白くなるかな。

「何を学ぶか」よりも「誰からそれを学ぶか」が重要

子どもに英語を教えるのは、正直大変だと思います。でも、子どもはいったん火がつけばすごいスピードで吸収していくから、教えるのはとても楽しくなると思います。それに、子どもにとって「だれから習うか」というのはとても大切なこと。良い師と出合うことが、子どもたちの可能性をどんどん広げてくれる。子どもは信頼できる先生と一緒に学ぶことでものすごく伸びる。

そう考えると、子どもに英語を教えることはとてもワクワクすることだと思う。私は、息子に勉強は教えてあげられないけど、息子にとって最善の先生を選ぶ手伝いをしたいと思っています。だから私は彼にお願いしています。

現在22歳の彼。これからどんな英語教師になっていくのか、彼の1年後、3年後、5年後がとても楽しみです。先生、これからもよろしくお願いします。

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