マガジンのカバー画像

言葉の企画の記憶。

7
「言葉の企画」という講義を受けて思ったこと、感じたことをまとめています。半年間の成長記録。
運営しているクリエイター

記事一覧

いつか宇宙の藻屑になることを夢見ていた。

いつか宇宙の藻屑になることを夢見ていた。

「宇宙の藻屑になりたい。」

そうつぶやくと、親しい人たちはきまって、何言ってるの、と笑う。
ははは、いや、本当に、と言っても、ほとんど本気にしてもらえない。

でもそれでいい。この感情はやはり、わたしだけの特別なものなのだと再認識し、そのたび、胸の中には静かな海が広がる。

幼い頃から漠然と、宇宙や星というものに心惹かれていた。

中学の天体の授業は苦手だったし、天文部に入っていたわけでもない。

もっとみる
生きている限りバッドエンドはない。だから明日も走り続ける。

生きている限りバッドエンドはない。だから明日も走り続ける。

ひたすら部屋の中にいてもわかるほどに、季節はめぐった。
部屋着に降格したTシャツに着替え、生ぬるい空気を外に放つ。窓を開ければもう、すっかりと夏のにおいだ。

感性が死ぬ危機感というのはこういうものかと、宙を見つめていた数日前。
もう久しく、自分のための文章を書けずにいることに気づいてしまった。

仕事で書くこととは別に、溢れ出す感情を好き勝手に言葉にして残してきたこのnoteも、最後の記事を書い

もっとみる
お願いだから、もう少しだけ。

お願いだから、もう少しだけ。

「真夏のピークが去った 天気予報士がテレビで言ってた」

フジファブリックが歌うこの曲が、9月に入ってから頭を離れない。

先週の土曜日の最高気温は33℃。去ったと思った夏は、意外としぶとく居座っている。まだまだ終わりたくないらしい。

この日のみなとみらいは、アカペラを歌う大学生や、よさこいの衣装を身にまとった人たちがたくさんいて、にぎやかだった。先月来たときは、ピカチュウがたくさんいた。月に一

もっとみる
わたしは、何に怯えているのだろう。

わたしは、何に怯えているのだろう。

「素敵な人」がわからなくなってしまった。

素敵だなと思う人はたくさんいるはずなのに、「素敵な人」は誰かと聞かれると、さっきまで浮かんでいた顔たちはぼんやりと霞み、思うように言葉が出ない。

胸がざわざわとして不安になる。
わたしはいったい、何に怯えているのだろう。

◆ ◆ ◆

第4回目の「言葉の企画」の課題で、「あなたの素敵な人について書いてください」というお題が出たとき、思い浮かんだ人は何

もっとみる
いつか、とびきりスペシャルな名前をあげる。

いつか、とびきりスペシャルな名前をあげる。

もうすぐ、梅雨明けだ。雨のにおいから、すこしずつ夏のにおいに移り変わっていくのを感じる。

帰宅後、昼間にたまった部屋の生ぬるい空気に耐えられず、エアコンをつけて涼んでいたら、だんだん寒くなってきて電源を消した。するとたちまちむわんとした空気が身体にまとまりついてきて、また電源をつけた。でもまた寒い。

つけては消して、消してはつけて……

小一時間、そんなことをもう何度も繰り返しているのだけど、

もっとみる
嘘と後悔を積み重ねたらいつか心が死んでしまう。

嘘と後悔を積み重ねたらいつか心が死んでしまう。

平日よりも少し早く起きて、ひと月ぶりのドキドキと少しの不安を胸に抱えながら、副都心線に乗り換える。

運よく目の前の席が空き、うとうととしながら電車に揺られること1時間。

大粒の雨が降りしきるみなとみらいは、いつもより蒼く見えた。

◇ ◇ ◇

先週の土曜日、BUKATUSDOで「言葉の企画」の2回目が行われた。

今回のテーマは「企画書に触れる」。

事前課題で提出した71人の企画生の企画書

もっとみる
何者かになんて、なれない。

何者かになんて、なれない。

「何者かになんて、なれないですよ」

その一言で、メモをとっていたわたしははっと顔を上げた。それだけでちょっと泣きそうになってしまうくらいに、まっすぐに胸に届いた。

あとに続いたのは、「あなたは、あなたになるんです」という言葉だった。

-------

先週の土曜日から、「言葉の企画」という講座に通い始めた。

コピーライターの阿部広太郎さんが講師をつとめる、月1回半年間にわたる講座だ。「企画

もっとみる