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詩集

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心のまゝに紡いだ言葉の断片 言の葉を磨き上げ羅列をして並べています。 詩のようなものをまとめています。
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#眠れない夜に

詩 「Candle Life」

詩 「Candle Life」

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くるくると
らせんを描くように
加速度を増して
時間が回転をしている

フワフワと
眠りにつく夢の中
意識だけが酩酊しながら
独り歩きしている

時折見る夢は
実体を失くした意識だけとなり
眩ゆい蝋燭台が並ぶフロアを中を
練り歩くようにダンスをする

夢の中の
キャンドルの燈は
ひとつふたつと指折り数えるように
そのライフを遣い果たし

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詩 「神秘」

詩 「神秘」

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眠りについた夜__
胎内へと向かう宇宙船にのって
不思議な夢の世界へと意識は誘われる

メビウスの輪のような切れ目のない
らせんの吊り橋を歩いている

小さな細胞に刻まれた
はるか太古の記憶を辿る
神秘の旅路へと向かう

この世を形作っている神の御業
目を見張る美しい創造の世界に魅了され
包まれるような安らぎを覚える

その時__ 

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詩 「告白の月夜」

詩 「告白の月夜」

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その夜___
静寂の街並みの燈は
いつになく朧げに見えた
 
一羽の鵲が告げる
運命の人との出逢う水先案内と云ふ

内なる心は七夕の川に沿って
意識は遠のいてゆく__

白くぼんやりとした世界に目を凝らすと
乳のような脂油の球の一つひとつが
仄かな光を照らしていた

その不思議な光芒の世界では
母なる細胞が分裂を始める
そして産道

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詩 「くちづけ」

詩 「くちづけ」

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はじめてのキスは
シトラスの香りがした

見つめ合う瞳は潤み

その透き通るような
眼差しの中に
お互いは映り合う

そして時は止まる__

重なり合うくちびるから
宇宙は巡る

ふたりだけを残し
世界は旋回していく

シトラスが香り立つ
鮮やかなりし想い出よ

甘酸っぱく
ほんの少しだけ
ほろ苦さが残る

青春とは__
トパーズの

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詩 「Heart suit」

詩 「Heart suit」

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心模様も
いろいろあって

ギザギザだったり
円くなったりする

人の心のかたちって
時に判らなくなる

それは
なにかが欠けているのか__

それとも
なにかを迷っているのか__

君と出会って教えてもらった
心のかたちのその意味を

紫陽花や きのふの誠 けふの嘘

           正岡 子規 作

古い写真にある
あじさ

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詩 「両翼のEros」

詩 「両翼のEros」

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くちびるは絡み合う
脈打つような衝動の後
死んだように眠りについた二人

星降りの夢へと意識はまどろむ___

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人は恋をする__
時に生死の隔たりを超える感情を垣間見せ
情愛へと変化していく

現世と冥府を駆け巡る
両翼のEros

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詩 「Water blue の朝霧」

詩 「Water blue の朝霧」

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どんなに辛いことが
重なったとしても

心が落ち込んで
絶望感で塞がったとしても

朝霧は晴れて
水色の朝が訪れる

この世に生まれた
あなたの存在は尊い

誰に代わることもない
たったひとりしかいない
あなた自身なのだから

悩みは尽きない
苦しみは晴れない
心は折れたとしても

この世に生きてこそ
あなたの価値がある
命ある限り

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詩 「渡良瀬橋で 夕焼けを」

詩 「渡良瀬橋で 夕焼けを」

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大いなる川の流れに
仄めかしい光と影が
綾となって水面に映る

自分の心を見つめ直す
胸奥に溜めていたものは
静かな時の流れに溶け出して
心が洗われてゆく

一条の光を帯びた
さざなみの稜線よ
遥かなる時の奏でに
人の想いをのせて
るゝと揺蕩う

渡良瀬橋で 夕焼けを

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詩 「恋愛小説(ロマンス)」

詩 「恋愛小説(ロマンス)」

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秋桜を夕陽にかざしてみる

夕陽の射す方に向かって
手を差し伸ばしている草木が
セピア色の切り絵のように映る

夕陽との別れを名残り惜しむ
だけどその想いは遥か___
届かないでいるように見えた

秋桜を夕陽にかざしてみる

茜さす 想い出はセピアなれど
恋愛小説の一ページは蘇る
その物語は読み終えることはなく

ページにそっとしお

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