見出し画像

【専門家アドバイス】SSTで何を学ぶ?自由時間の過ごし方。

【ご相談】

発達障害で1年生の息子にSSTが必要と言われました。
SSTは社会性を身につけるトレーニングとは聞きましたが、今まで療育などに通ったことがなく、正直よく分かりません。
具体的にどんなことを学ぶのでしょう?


【La lucheからのアドバイス】

ご相談いただきありがとうございます。
SSTとは、ソーシャルスキルトレーニングの略です。
誰かと関わりを持って過ごしていくために必要となるスキルの習得を目指すものです。
個人的な成長課題と少し異なる点は、他者がいる場合や集団の中でのスキルの獲得に目標が置かれるところです。
習得内容は、年齢だけでなく発達段階や理解力によって変わってきますから、配慮して進める必要があります。
例えば、2年生だから友達の意見を尊重することの大切さ、6年生だから思春期の人間関係構築について、等と習得内容を設定しても、そのお子さまの発達がまだその段階にないのであれば理解が難しく有意義な学びにはなりません。
また、1人だけで机上でSSTを学んでも知識としては身につきますが、実際の場面での汎用は難しいです。
同じ目標や理解力を持つこどもたちとロールプレイ等を通して疑似体験をしていくこともとても大切です。

以前は、集団に入っていればソーシャルスキルはそのうち身につくだろうという考え方がありました。
発達がゆっくりなお子さまは、積極的に保育園や幼稚園、学童などの集団に入れて他の子から刺激を受けることが望ましいというものです。
模倣力が高く、周りの子の動きをよく見ているお子さまの場合は、早く集団に入ることで有益な場面もあります。
ただ発達障害(神経発達症)の傾向を持つこどもたちは、コミュニケーションの苦手さや他者との関わりに不安を感じやすく、集団の中で孤立しがちなため『自然に』学ぶチャンスは持ちにくいと感じます。
またいきなり大きな集団に入ることで強いストレスを感じ、2次障害に繋がってしまう場合も少なくありません。

そこで、状況を読む力や目に見えない他者の感情をどのように受け止めていくか、また自分の感情はどう伝えていったら良いのかなどを、その子が安心できる小集団の環境の中で理解力に合わせて『あえて』教えていくことの大切さがSSTに求められています。

SSTは発達特性をお持ちのお子さまが主に受けるものとされていますが、こどもたちが友達と群れて遊ぶ時間の少なくなった現代においては、誰にとってもSSTは必要な学びなのではと実感しています。
実際に療育に通われているお子さまのご兄弟姉妹も受講したいと言われるケースも多く、SSTはそれだけ大切で有意義な学びの機会です。
ぜひ受講されますことをおすすめいたします。



【ご相談】

幼稚園年長児の担任です。
発達特性を持ち、療育に通っておられるお子さまがいます。
自由遊びの時間に特に不安定になる様子があります。
ウロウロしていたり部屋から出てしまうこともあります。
どのように対応したら良いでしょうか?

ここから先は

764字

¥ 200