Kyoichi

おもに鉄道の話。

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記事一覧

地図はGoogle Mapsに、時刻表は乗換案内になった、それってどういうことだろう

タイトルの件について、読書から考えたことのメモです。 地図とGoogle Mapsは何が違うのだろうか。 地図(紙製の地図です)は、現在地と地図上の位置を照合し、目的地への…

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4年前
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「旅」は「移動」になってしまうのか

以前のエントリーで、新しい新幹線はトンネルが多く、移動にともなう風土の変化を車窓に感じることが難しい、と書いた。 これは「旅」が「移動」に変わっていくとも言える…

Kyoichi
4年前
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すぐれたMaaSに必要な3つのエッセンス

「みさきまぐろきっぷ」でMaaSを考えた休日の旅行プランを考えていて、ふと思い浮かんだのが京急の「みさきまぐろきっぷ」だった。神奈川県の三浦半島を楽しめる、次の3つ…

Kyoichi
4年前
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MaaSは、現代版「周遊券」になってほしい

ビジネス界隈では最近、「MaaS」(マース)という言葉を聞くことがふえた。ごく簡単に言うと、スマートフォンなどのテクノロジーを活用して、都市の交通事情を改善したり地…

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4年前
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一枚の絵から生まれる「世界観」のある列車

JR九州には、思わず乗ってみたい!と思わせる魅力的な列車が多く、それらはデザイナーの水戸岡鋭治(みとおか・えいじ)さんが手がけているのは鉄道好きには有名な話だ。車…

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4年前
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転がる車輪に身をまかせ

どこかの鉄道博物館で知ったのだが、鉄道は線路の上を車輪が「勝手に転がっていく」ため、その運転は、クルマのように「力を加える」(アクセルを踏む)よりも、転がり続け…

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4年前
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スマホ時代に、トレインマークをもう一度

トレインマークのポテンシャル最近あらためて「トレインマーク」が熱い!と感じている。「天空ノ鉄道物語」という展覧会でも、歴代の様々な特急列車やブルートレインのトレ…

Kyoichi
4年前
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新幹線は、すでに「どこでもドア」かもしれない

富山の次は、長野!2015年3月14日、私はこの日に走り始めた北陸新幹線「かがやき」に乗っていた。金沢と東京が2時間30分で接続されたことはもちろんだが、富山の次の停車駅…

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4年前
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松浦鉄道で見た、鉄道の3世代

石炭輸送にはじまり、長距離ネットワーク、そして次世代モビリティーへ2019年の暮れ、松浦鉄道に初めて乗った。鉄道好きには、日本で最も西にある駅「たびら平戸口」で有名…

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4年前
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地図はGoogle Mapsに、時刻表は乗換案内になった、それってどういうことだろう

地図はGoogle Mapsに、時刻表は乗換案内になった、それってどういうことだろう

タイトルの件について、読書から考えたことのメモです。

地図とGoogle Mapsは何が違うのだろうか。
地図(紙製の地図です)は、現在地と地図上の位置を照合し、目的地への経路を確認した上で現実世界の交差点をどの方向へ進めばよいのか、自らの判断で選択していく。
一方、Google Mapsは目的地まで連れていってくれる。地図を見なくてもナビの指示どおりに進んでいけば目的地へ到達する。それはナビゲ

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「旅」は「移動」になってしまうのか

「旅」は「移動」になってしまうのか

以前のエントリーで、新しい新幹線はトンネルが多く、移動にともなう風土の変化を車窓に感じることが難しい、と書いた。

これは「旅」が「移動」に変わっていくとも言えるかもしれない。
最近、読んだ『オートメーション・バカ』という本が、このあたりの考えを補強してくれたので書きとめておきたい。

著者は、さまざまなテクノロジーによって便利になるのと引き換えに人がどんどんダメになっていく!と語っている。その中

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すぐれたMaaSに必要な3つのエッセンス

すぐれたMaaSに必要な3つのエッセンス

「みさきまぐろきっぷ」でMaaSを考えた休日の旅行プランを考えていて、ふと思い浮かんだのが京急の「みさきまぐろきっぷ」だった。神奈川県の三浦半島を楽しめる、次の3つがセットになったきっぷだ。

移動:東京や横浜から三浦半島へ鉄道・バスに乗車できる
食事:現地でマグロなどの魚料理を堪能できる
体験・お土産:温泉に入浴したり、特産品などのお土産がもらえる

料金は約3,500円(出発地による)。私

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MaaSは、現代版「周遊券」になってほしい

MaaSは、現代版「周遊券」になってほしい

ビジネス界隈では最近、「MaaS」(マース)という言葉を聞くことがふえた。ごく簡単に言うと、スマートフォンなどのテクノロジーを活用して、都市の交通事情を改善したり地方の観光を活性化するなど、「移動」にまつわる様々な課題を解決する取り組みだ。たとえばJR東日本は東急電鉄と組んで、伊豆地方の鉄道やバスを便利に利用できるサービスを提供している。

この話で思い出すのが、JRが1990年代ごろまで発売して

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一枚の絵から生まれる「世界観」のある列車

一枚の絵から生まれる「世界観」のある列車

JR九州には、思わず乗ってみたい!と思わせる魅力的な列車が多く、それらはデザイナーの水戸岡鋭治(みとおか・えいじ)さんが手がけているのは鉄道好きには有名な話だ。車両そのもの(外観)だけでなく、座席をはじめとする車内のインテリア(水戸岡さんは家具をデザインしてきた人だ)から果ては弁当箱のパッケージまで、「乗客の目に触れる」ものはすべてがデザインの対象になる。「製品」としての鉄道車両ではなく、「商品」

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転がる車輪に身をまかせ

転がる車輪に身をまかせ

どこかの鉄道博物館で知ったのだが、鉄道は線路の上を車輪が「勝手に転がっていく」ため、その運転は、クルマのように「力を加える」(アクセルを踏む)よりも、転がり続ける車輪にうまく「ブレーキをかける」のが中心になるらしい。これは目からウロコ、私の世界観(鉄道観…笑)を大きく変えた。
たしかに、鉄製の車輪と線路は摩擦が極めて少ないのは感覚的にも理解できるし、鉄道車両が人の手で線路上を移動している様子も見た

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スマホ時代に、トレインマークをもう一度

スマホ時代に、トレインマークをもう一度

トレインマークのポテンシャル最近あらためて「トレインマーク」が熱い!と感じている。「天空ノ鉄道物語」という展覧会でも、歴代の様々な特急列車やブルートレインのトレインマークが会場で存在感を放っていたし、鉄道グッズの重要なモチーフとして目にする機会がふえてきた。列車の愛称(例えば「北斗星」や「踊り子」など)がイラストやイメージとの組み合わせで表現されるトレインマークは、一瞬でその列車と分かる印象的なデ

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新幹線は、すでに「どこでもドア」かもしれない

新幹線は、すでに「どこでもドア」かもしれない

富山の次は、長野!2015年3月14日、私はこの日に走り始めた北陸新幹線「かがやき」に乗っていた。金沢と東京が2時間30分で接続されたことはもちろんだが、富山の次の停車駅が、長野!という事実にもいたく感動した(北陸に土地勘のある人には共感してもらえる気がするのだが、どうでしょう)。

富山県と長野県は、地図上では接しているものの、北アルプスの険しい山々に阻まれて、富山のとなりに長野がある感覚は無か

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松浦鉄道で見た、鉄道の3世代

松浦鉄道で見た、鉄道の3世代

石炭輸送にはじまり、長距離ネットワーク、そして次世代モビリティーへ2019年の暮れ、松浦鉄道に初めて乗った。鉄道好きには、日本で最も西にある駅「たびら平戸口」で有名な、佐賀県と長崎県を走る全長93.8kmの路線である。もともと明治時代に石炭や有田焼を運ぶために建設された後、産業の衰退と乗客の減少に苦戦してきた、地方の鉄道には馴染みの歴史がある。
しかし近年、様々な経営のチャレンジが実を結び、(20

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